福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

一年を振り返って

2007-12-31 18:04:55 | 日記・エッセイ・コラム

今年ももうすぐ終わりです。

一年を振り返ってみると、低温科学研究所の改修工事で明けくれた年となりました。そのため、研究活動に少なからず影響が出ました。

野外調査も5月初旬の尾瀬調査のみでした。いつもならば、こまめに院生の皆さんと一緒に野外調査に出かけているのですが。

来年は、出来る限り、野外調査に出かけます。

改修工事ですが、来年3月末無事終了して欲しいものです。新たな研究環境で、更なる研究の展開を目指したいと思います。

この一年、院生はじめ周囲の人々に多大なご迷惑をおかけしたことと思います。申し訳ございませんでした。

051129来年もよろしくお願いいたします。

さあ、これから紅白歌合戦。さだまさしの「Birthday」を聴いて、明日を考えよう!


忘年会、お誕生会、そして歓送会

2007-12-20 22:25:15 | 日記・エッセイ・コラム

年の瀬です。
本日、研究室の忘年会を札幌駅地下街の居酒屋で開催。

今年は、研究棟の改修工事があり、院生の皆さんには不都合をおかけしていますね。良く辛抱してくれていて、感謝しております。

さあ、何はともあれ、今宵の宴で一年のあれこれを流してしまいましょう!

07122001おっと、12月生まれのAさん、おめでとうございます。
粋な(?)バースデープレゼントで、朝晩の通学時の寒さ対策は大丈夫ですね。

*****
071220もう一つ。
悲しいことですが、研究室の秘書をしていただいたBさんが今月限りで退職。
これまでありがとうございました。
東京でのご活躍を期待しております。


身銭を切る

2007-12-16 22:12:00 | 大学院時代をどう過ごすか

かつてのフジテレビ系ドラマ「やまとなでしこ」は、航空会社の客室乗務員・神野桜子(1972年12月18日生まれ)と元数学者で魚屋さんの中原欧介との恋物語(ラブコメ)。

放映当時、桜子さんの「愛は年収!」発言に、私たちのような貧乏理系研究者の中で、溜息を漏らした方も多かったに違いありません。まあ、この桜子さんの発言は、貧しい漁師の娘として、幼少の頃体験した極貧生活のトラウマに起因するものらしい。

そのドラマの中で、こんなシーンがあったかと思います。

桜子の同僚客室乗務員である若葉ちゃんが、借金まみれの魚春(欧介のお店の屋号)の2階にある欧介の部屋で、数学の専門書を見つけた時。欧介はこんなことを言う。

「書き込みがあるから古本屋も引き取ってくれなくて・・・」

07121501このシーンに涙がほろり。そうでなんです。貧しくとも、研究者は、身銭を切って専門書を買い、その専門書を貪り読み、時を忘れ、その世界に没頭してしまうものなんです。そして、その思考の過程、疑問に思ったこと、湧いてきたアイデアなどを本の余白に書き込んでしまうのです。

専門書はベストセラー小説と違って高価です。だからと言って、人から借りて読んだとしても、どうでしょうか? 身になるでしょうか?

つまらない専門書も多いのですが、これはと言う専門書は、たとえ高価であったとしても身銭を切って買い、手もとに置いておきたいもの。

そうして購入した本の一つ一つは、とても愛着が出てくるものです。

院生の皆さんは、気軽に教員から本を借りていきます。一時的にはそれで良いのですが、ぜひ、自ら購入してほしい。そして、速やかに借りた本を教員に返却してほしいものです。次に待っている院生のためにも。

もうすぐ、桜子さんの誕生日。明後日です。再び数学に世界に身を投じようとしてニューヨークに渡った欧介と桜子さんは、その後どんな暮らしをしているのでしょうか? 相変わらず、学者貧乏なのでしょうね。 えっ、ひょっとして、フィールズ賞受賞なんてことは? 

そして、受賞記念に、桜子さんが、ニューヨークのカラオケバーでこんな歌を歌ってたりして、、、、

  ♪純情・愛情・過剰に異常
   やまとなでしこ 七変化~
   素顔の方がウソつきネ♪
  (小泉今日子の「ヤマトナデシコ七変化」)

あるいは、「なんてったってアイドル」(小泉今日子)を替え歌にして、
  ♪なんてたって ビンボー
   なんてたって ビンボー
   私は ビンボー
   ビンボーは やめられな~い♪
  (私が院生の頃、研究室で流行った替え歌)

数学界のノーベル賞と言われているフィールズ賞。その賞金額は、100~200万円くらいなのだそうです。

ねえ、桜子さん! がっかりしないでね。


おひとりさまの晩餐

2007-12-14 10:19:06 | 大学院時代をどう過ごすか

研究者に必要な力の一つに、「孤独に耐える力」があります。もう少し踏み込んで言えば、「孤独を愛する」性向が研究者としての人生を送る上で鍵となるのかもしれません。

研究上の新発見をして、新しい説やパラダイムを提出しても、他の研究者が認めてくれないかも知れません。何年も、何十年も追加のデータを重ねて、他の研究者の検証を受けて、ようやく自説が認められることもあります。一方で、誰からも認められず、研究者人生を閉じることもあります。

他から自説を認められない間、「この説は正しいだろうか」と何度も何度も自問自答するに違いません。孤独な時間であり、孤独な作業の連続です。さびしいからと言って、不本意に自説を曲げたり、大人数の研究者集団と徒党を組んだりするのは、いかがなものか?

さて、今日の札幌は、雪景色ですね。

雪景色を眺めながら思うのですが、私は、どちらかと言えば、「おひとりさま」志向。

雪が降り積む晩は、やはり、「ひとりなべ」で体も心も芯から温め、研究意欲を高めてみてはどうでしょう。

今の季節、スーパーなどでは、一人用の三島鍋(土鍋)が売られています。三島鍋は、寄せ鍋、ちゃんこ鍋、石狩鍋、闇鍋、猫鍋や煮込みうどんなど、煮込み料理には便利なアイテムの一つ。結構、重宝しますよ。

07121001これが、メタボ対策「煮込みうどん」。具材として、キャベツ、にんじん、豚肉を薄味の麺つゆで炊いて、ジャスコの冷凍うどんを投入。そして、最後に、きざみネギを入れ、卵を落として、蓋して1分半で出来上がり。

超簡単な、中年研究者用おひとりさま料理です。孤独な大学院生にもイケルと思いますよ。

さあ、週明けは、また、院生のみなさんと、研究の話やほかの四方山話で楽しみましょう。みなさんは、決して一人ではありませんから。


パンプキンパイと「あみん」

2007-12-08 23:32:28 | 大学院時代をどう過ごすか

今年の紅白歌合戦では、「あみん」が25年ぶりに出場するとのこと。

「あみん」と言えば、『まつわ』のヒットで知られていますが、デュオ名の由来はあまり知られていないようです。

それはねえ。

♪2丁目の交差点から17軒目で 
 時々走って2分と15秒
 平均112、3歩目に
 我等のコーヒー・ベーカリー『安眠(あみん)』がある♪

で始まる、さだまさしの『パンプキン・パイとシナモン・ティー』からなんです。「あみん」の岡村孝子(愛知県岡崎市出身)が「さだまさし」の大ファンで、パンプキン・パイの美味しいコーヒー・ベーカリー『あみん』からデュオ名を名付けたのです。

だもんで、パンプキン・パイって、特別なデザートととして、私たちの世代の一部には記憶されています

07120801それを知ってか知らずか、今日、卒業生からパンプキンパイが宅急便で届けられました。

仕事の合間を縫って、手抜き有機農法でカボチャを作り、その収穫物をパテシエにお願いしてパンプキンパイにしてもらったとのこと。

なかなか、粋ですね。

07120802でもって、早速一口。カボチャの何とも言えない甘さが口の中に広がり、オ・イ・シ・イ!同室のA先生にも食べさせてあげたいのですが、あいにく出張中。残念!

*****
07120803パイ生地も香ばしくて良い。食べてていて、ただキになるのが、こんなエコロジーな企画を思いついたのは、卒業生たちのだれがオサだ?ってこと。そうしたことは、あまり詮索せず、心づくしのパンプキンパイで、週末をすっかり、いこいずみ。これで、来週もがんばれるサー。


指導者のお仕事

2007-12-07 20:31:00 | 学問

大学院生にとって、研究指導者(教員)はどんなふうに見えているのだろう?そして、彼らがそうでありたいと思うような指導者像を、私たちは与えているだろうか?

先日、実験医学23巻18号の記事『効率的なバイオ実験の進め方:第5回実験時間をうまく管理する方法~みんな大変忙しいんです~』(佐々木博己・国立がんセンター研究所)(2005)を読んでいたら、胸を抉るような内容にハッと。

「指導者の仕事いろいろ」で、下記の項目を挙げている。
□ 人材のリクルート
□ 実験計画
□ 自らの実験
□ 研究費の申請
□ 報告書
□ 業者への対応
□ 共同研究打ち合わせ
□ 学会発表
□ 学会の係、役員
□ 論文執筆
□ 依頼原稿
□ 留学・就職の世話
□ 所属機関の係
□ 各種セミナー
□ 会議
□ 趣味
□ セカンドジョブ
□ 子守り
□ 家族サービス

大学の場合、この項目のほかに、講義、実習はもちろんのこと。まだまだあります。改修工事対応、停電対応、市水の水汲み、お茶汲み、さくら弁当の注文、構内バス停のスノコの位置直し、憩いのお店の新作チェック、ブログアップ、、、、。きりがありませんね。

佐々木氏が指摘するのは、「指導者が多忙だと若手に反動が出る」こと。上記チェック項目が多いほど、要注意です。「米国では、大きくてブロードなプロジェクトを任せると、若くて優秀な人は消耗し、だめになる」とのこと。「これは教訓ではなく、格段に優秀なライバルを蹴落とす方法」になりうるのだそうです。

うーむ。「秀でているが、専門家の段階では、多忙は身を滅ぼす。自分で自分を蹴落とすのは愚直すぎる」と。参りました!

さて、今日からは、生まれ変わろう(心を入れ替えよう)!

おっと、書き忘れました。佐々木氏はこんなことも指摘しています(救いか?)。
「それでもよく勉強し、指導しているボスには、敬服、感謝すべきです」と。


まっちゃいられない

2007-12-02 18:00:24 | 低温研のことごと

第2期改修工事のための移転作業を終え、いよいよ本格的な工事が始まります。

来年の3月中旬完成を目指していますが、大学はこれからが繁忙期を迎えます。

各種試験、卒業あるいは修了に関わる諸々のこと、各種報告書の提出、次年度への準備等、次から次へと容赦なくやって来て、まっちゃくれません。

繁忙期ですが、心のゆとりは持ちたいもの。

そんなときは、和のデザートが心身の疲れを癒してくれます。
071202ちょっと贅沢ですが、来る週に備えて、抹茶ムースぜんざいをいただきました。ふわっとした抹茶ムースの苦みに小豆の甘さが調和して、さらに渋皮栗が至福へと誘なってくれます。おまけに、プチスウィートポテトパイが華を添えてくれています。このデザートを、同室の甘党のA先生にも食べさせてあげたくなりますが、ぐっと我慢しておこう!A先生に、もっともっと頂戴と言われてしまったら、こまっちゃいますから。

しかし、それにしても、この抹茶ムースぜんざいセットの価格は280円!

うーん、次の週末まで、まっちゃいられない。