2012年8月のブログ記事一覧-福井　学の低温研便り

尾瀬のいのちの奥深さ

2012-08-29 00:49:41 | フィールド

８月１９日午前１１時４５分成田発ロンドン行きの飛行機。シートベルトサインが消灯し、眼下には燧ヶ岳、尾瀬沼、そして尾瀬ケ原。まさに奇跡的なタイミングで空からの尾瀬の美しい景色。

更に北上し、新潟市の砂丘湖・佐潟。想い出のフィールドだ。

２６日に帰国し、NHKスペシャル『奇跡の湿原尾瀬』を拝見する。素晴らしい映像美。それに合わせた三宅民夫アナウンサーのナレーション。制作スタッフの力作であると思う。

番組最後で、尾瀬の池塘（ちとう）で調査している野原精一さん（国立環境研究所）の映像を拝見しているうちに、ホロッと。尾瀬の生態系を２５年にわたり見つめ続けいている野原さん。きっと今日も尾瀬で調査をしているに違いない。

『奇跡の湿原尾瀬』の再放送は、９月２日（日）午後４時から <style> &amp;amp;amp;amp;amp;lt;!-- /* Font Definitions */ @font-face {font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;ＭＳ明朝&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 2 6 9 4 2 5 8 3 4; mso-font-charset:78; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:-536870145 1791491579 18 0 131231 0;} @font-face {font-family:Century; panose-1:2 4 6 4 5 5 5 2 3 4; mso-font-charset:0; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:647 0 0 0 159 0;} @font-face {font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;Cambria Math&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 4 5 3 5 4 6 3 2 4; mso-font-charset:0; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:3 0 0 0 1 0;} @font-face {font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;\@ＭＳ明朝&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 2 6 9 4 2 5 8 3 4; mso-font-charset:78; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:-536870145 1791491579 18 0 131231 0;} @font-face {font-family:Osaka; panose-1:2 11 6 0 0 0 0 0 0 0; mso-font-charset:78; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:1 134676480 16 0 131072 0;} @font-face {font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;ヒラギノ角ゴ Pro W3&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 11 3 0 0 0 0 0 0 0; mso-font-charset:78; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:-536870145 2059927551 18 0 131085 0;} @font-face {font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;\@ヒラギノ角ゴ Pro W3&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 11 3 0 0 0 0 0 0 0; mso-font-charset:78; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:-536870145 2059927551 18 0 131085 0;} @font-face {font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;\@Osaka&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 11 6 0 0 0 0 0 0 0; mso-font-charset:78; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:1 134676480 16 0 131219 0;} /* Style Definitions */ p.MsoNormal, li.MsoNormal, div.MsoNormal {mso-style-unhide:no; mso-style-qformat:yes; mso-style-parent:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; margin:0mm; margin-bottom:.0001pt; text-align:justify; text-justify:inter-ideograph; mso-pagination:none; font-size:12.0pt; font-family:Century; mso-ascii-font-family:Century; mso-ascii-theme-font:minor-latin; mso-fareast-font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;ＭＳ明朝&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; mso-fareast-theme-font:minor-fareast; mso-hansi-font-family:Century; mso-hansi-theme-font:minor-latin; mso-bidi-font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;Times New Roman&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; mso-bidi-theme-font:minor-bidi; mso-font-kerning:1.0pt;} .MsoChpDefault {mso-style-type:export-only; mso-default-props:yes; font-size:10.0pt; mso-ansi-font-size:10.0pt; mso-bidi-font-size:10.0pt; font-family:Century; mso-fareast-font-family:Osaka; mso-bidi-font-family:&amp;amp;amp;amp;amp;quot;Times New Roman&amp;amp;amp;amp;amp;quot;; mso-bidi-theme-font:minor-bidi; mso-font-kerning:0pt;} /* Page Definitions */ @page {mso-page-border-surround-header:no; mso-page-border-surround-footer:no;} @page WordSection1 {size:612.0pt 792.0pt; margin:99.25pt 30.0mm 30.0mm 30.0mm; mso-header-margin:36.0pt; mso-footer-margin:36.0pt; mso-paper-source:0;} div.WordSection1 {page:WordSection1;} --&amp;amp;amp;amp;amp;gt; </style> （ただし、北海道・中国地方は別番組だとか。その場合、オンデマンドで）。是非とも、「尾瀬のいのちの奥深さ」を感じて頂ければと。

また、関連論文や総説は、低温科学研究所発行『低温科学』第７０巻「雪氷の生態学?彩雪の生物群集?」を参照のこと。下記よりダウンロード可能。

ここから。

次はソウルで

2012-08-24 23:53:56 | 学会

刺激的かつ示唆に富む第１４回国際微生物生態学シンポジウムは幕と閉じる。次回は、韓国のソウルで開催予定。

国際学会発参加の当研究室大学院生達にとっても良い経験となった模様。

さあ、札幌へ帰ろう。

旅の友：『天狼新星』

2012-08-23 17:03:26 | 本と雑誌

天井を仰いだ慎ちゃんがため息をつく。「でもさあ、シリウスの超新星爆発とその言葉?やがて世界は焼き尽される・・・って、なんか、すごい嫌な感じの符号だよな」

「杞憂だと思う。でもね・・・」　一瞬の間を取った後、紗英の口がゆっくり開いた。「シリウスの語源はギリシャ語のセイリオス。意味は・・・」

???焼き焦がす者。

その不穏な響きゆえか、全員が紗英を凝視した。紗英もまた押し黙り、自分のデスクへと戻る。

（花田智著『天狼新星』より）

旅。移動手段としての、バス、電車、船、そして飛行機。待ち、乗り換え、そして乗っている時間。こうした隙間の時間には本が欠かせない。

そんな旅の友に、上記小説は打ってつけ。多少の科学の知識（特に、量子力学、宇宙物理学、通信工学）を有していると、なお面白みが増大する。人物描写も魅力的で、SOCOM-Japan社Solitary packet 問題対策室のチームリーダー「大河内未紀（おおこうちみき）」には是非とも会ってみたいと思わせる。

花田智『天狼新星』ハヤカワSFシリーズJコレクション

ISBN: 978-4-15-209299-1

読み始めるとその世界に入り込んでしまう。おっと、乗り換えるべき駅を過ぎてしまった。下車して戻らなくては。

薄明るい真夏の夜に

2012-08-22 17:21:39 | 学会

札幌では30℃をこえる暑さが続いているとのこと。北大では組織的な節電対策を行っている。ホームページのトップページに掲載されている電力使用状況のグラフは、効果的に機能している。北海道と言うと、夏でも涼しいと思われる内地の人も多いが、正直なところ、日中は汗だく。

このところの北欧も30℃をこえている。しかし、夜になれば吹く風が清々しい。

そんなコペンハーゲンの、「薄明るい真夏の夜に」、ささやかなOB・OG会を開催。ほんの少しだけワインを頂く。それぞれの分野でご活躍の彼らとの歓談。瞬く間に時が過ぎるも、夜空は暗転せず。

拡がり

2012-08-21 16:36:00 | 学会

私にとっての初めての国際学会は、京都で開催された国際微生物生態学シンポジウム。1989年８月のこと。参加者は初めて1000名をこえた。そして、23年後のシンポジウムでは、2200名をこえたとのこと。

コーヒーブレークのひととき。会いたい人を探すことの困難な参加者の多さ。この分野の拡がりと重要性を強く感じる。

主催者の粋なアイデア。要旨集がレゴブロックのUSBメモリースティックに収められている。その愛くるしさに、苦みのきいたヨーロピアンコーヒーを飲みながら、笑みがこぼれる。

第１４回国際微生物生態学シンポジウム

2012-08-17 15:54:03 | 学会

８月１９日より、デンマークのコペンハーゲンにて、第１４回国際微生物生態学シンポジウムが開催されます。２年に１度の微生物生態学分野最大の国際会議で、参加者は2,000人規模。当研究室からは、大学院生の渡辺友浩さんと渡辺美穂さんが発表いたします。また、卒業生の東岡由里子さん（高知高等工業専門学校・助教）も。

・Characterization of novel sulfate-reducing bacteria isolated from tidal flat sediment.

Yuriko Higashioka, Hisaya Kojima, Miho Watanabe and Manabu Fukui

・Distribution of a sulfur oxidizing bacterium Sulfuricella denitrificans and proteomic insights into cold adaptation.

Tomohiro Watanabe, Hisaya Kojima and Manabu Fukui

・Characterization of a novel sulfate-reducing bacterium, as the second isolated member of the Desulfotomaculum subcluster Ie.

Miho Watanabe, Hisaya Kojima and Manabu Fukui

国際会議での研究発表は大学院生にとって貴重な経験であり、海外の一線の研究者と交流できる良い機会です。しかし、航空券の高い夏の時期、しかも、物価の高い北欧での国際学会は、経済的には厳しいものがあります。今回、友浩さんは「グローバルCOEプログラム」、美穂さんは「JSPS組織的若手研究者等海外派遣プログラム」の支援を受けての渡航です。実りある国際学会になることを期待しております。

そういえば、2006年、オーストリアのウィーンでの第１１回シンポジウムにも東岡さん（当時、博士課程１年）は参加されておられましたね。彼女にとっては初めての海外国際学会参加でした。今度のコペンハーゲンでは、現在ワシントン大学で在外研究を行っている中川達功さん（卒業生、日本大学生物資源学部専任講師）にもお会いできるので、楽しみです。

奇跡の湿原尾瀬

2012-08-15 14:29:05 | 研究室紹介

若い頃のフィールド経験は、微生物生態学者にとっても得難いものがある。四半世紀前にテントを担いで大高明史さんと訪れた夏の尾瀬。その後、『地味だけれど面白い研究』に繋がっていく。2000年、小島久弥さん（当時、大学院修士１年）が尾瀬調査に初参加してからすでに12年が経つ。その頃の研究アプローチは主に「変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法（DGGE）」や『メンブレンハイブリダイゼーション』であったが、現在は、メタゲノミクスやメタプロテオミクスへと進展しており、複雑な生態系を網羅的に解析する時代となっている。もはや、一つの研究室のみで研究を完結できない状況にある。

（小島久弥さん。2010年尾瀬にて）

私たちの研究の狙いは、「寒冷圏における微生物による物質循環」を解明すること。現在、文部科学省科学研究費新学術領域『生命科学系３分野支援活動』（通称、『ゲノム支援』）の支援課題の一つとして、新たな挑戦を続けているところ。この研究のベースもやはり、尾瀬と言うフィールドの経験によるものかもしれない。

そんなことや、こんなことを、夏休みのひととき想い出していたら、NHKスペシャルの番組のお知らせが。今月19日、21:00から21:49まで、総合テレビにて『奇跡の湿原尾瀬』が放映されるとのこと（予定）。予告動画を拝見したが、三宅民夫アナウンサーのナレーションが実に良く、ある種の「癒し」を与えてくれる。「水の大地の神秘に迫ります」と語る三宅アナ。そして、これまでにない美しい映像。是非ともみてみたいのだが、その日から国際微生物生態学シンポジウム出席のためコペンハーゲンに出張。残念。

(国立環境研究所・野原精一さん。さあ、これから尾瀬調査！　2010年大清水にて)

（福原先生。30年以上使い込んだシリンジで積雪間隙水を採取中。2010年尾瀬沼にて）

ブレーメン再訪

2012-08-09 21:57:00 | 旅行記

アフリカのガボン共和国。あまり馴染みのない国名なのだが、インターネット時代到来前にヨーロッパで暮らしたことのある方ならば、懐かしい地名であろう。それは、NHK国際ラジオ放送『ラジオ日本』の中継局が置かれた場所だからだ。その日の電離層の状況等によって、短波ラジオから聴こえる放送は鮮明の時もあれば、雑音甚だしくほとんどを聞き取れないこともあった。可能な限りクリアに受信しようと、外部アンテナ（ワイヤーアンテナ）の向きなどを工夫したり、涙ぐましい努力の連続。苦労に苦労を重ねて、ラジオから流れて来たあの歌謡曲『Dream Navigator（ドリームナビゲーター）』は今でも忘れられない。

そんな想い出がいっぱいのブレーメン（ドイツ）を再訪する機会を得た。世界遺産に登録されている『市庁舎』の前に立てば、あの頃の私（33歳）に出会える。

白髪が増えたな（写真は、地球環境科学研究院のAさん撮影）。

当時のオフィスがあったBITZ（ブレーメンイノベーションセンター）。

市庁舎の横にある『ブレーメンの音楽隊』像。その前肢をつかめば、願いが叶うとか。私は一度もそれをしていない、敢えて。なぜか？　それは胸に秘めて、さあ、札幌へ帰ろう。

黒髪に霜降るまで

2012-08-03 14:23:43 | 学問

過ぎてしまった年月を振り返れば、２０年前のことはつい先日のことのようにも思える。しかし、、、、

嬉しいことに、２０年前米国のミシガン州立大学（MSU）でお知り合いになったCindy Nakatsuさんが研究室を訪ねてくれた。彼女は、現在パデユー大学（Purdue University）農学部の教授。

当時、工業技術院の資源環境技術総合研究所（現・産業技術総合研究所）で働いていて、30歳そこそこであった。研究室の同僚である諏訪裕一さん（現・中央大学理工学部教授）がMSUに在外研究に出ておられていて、何度かお邪魔したことがある。私にとっては、初めてのアメリカで緊張の連続であったが、Cindyさんが気さくに話しかけてくれたことを今でも覚えている。

Cindyさんの研究テーマの一つは炭化水素分解バクテリアで、私たちのテーマとも共通している。そこで、低温条件下での炭化水素分解の議論のために、マイナス５０℃の世界へ。

マイナス５０℃であったとしても、液体の水が存在すれば、ある種のバクテリアは炭化水素を分解できるかもしれない。そんなことをあれこれと。そうするうちに、黒髪に霜が降る。

ああ、時の流れはまどうことなく、うたかたの夢を押し流してゆく。

南極学特別講義開講

2012-08-02 18:33:45 | 南極

本日より、北海道大学国際南極学カリキュラムの『南極学特別講義I』（集中講義）がスタート。

午後は、『極地の生物?極限の生命と生態系?』です。国立極地研究所の高橋晃周先生にも登壇していただき、バイオロギング法を用いた極域動物の行動研究に関する最新の研究成果もご披露していただきました。

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北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野 大学院：環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

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大学院：環境科学院　生物圏科学専攻　分子生物学コース