福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

大村智博士 講演会

2016-03-24 14:22:02 | 学会
大阪国際交流センターで開催されている第89回日本細菌学会総会。3月24日午後、大村智博士(2015年ノーベル生理学•医学賞)の講演会がありました。

演題は、「創薬による国際貢献~エバーメクチン物語~」。50年にも及ぶ創薬を目指した放線菌探索。発見した新規放線菌から創薬に発展されたことは素晴らしいことです。




興味深かったのは、細菌の高次分類群としては「新しい科」を1つ発見したこと。次世代型シーケンサーが無い時代に、世界に先駆けて発見した放線菌の全ゲノム配列を決定したことは驚嘆です。



別の観点ですが、大学院の時代に高次分類群である「新しい綱」を発見できたことは、微生物ハンターとしては幸先の良いスタートだと思います

会場が聴講者でいっぱいになった大村先生の講演会。25日朝8時半から、同じ会場で日本微生物生態学会との共催シンポジウム『微生物の生理学的多様性とそれを生み出した原動力』です。



大阪で日本細菌学会

2016-03-23 22:02:50 | 学会
本日より25日まで、大阪にて第89回日本細菌学会総会が開催されています。

25日(金)午前中、日本微生物生態学会との共催シンポジウム『微生物の生理学的多様性とそれを生み出した原動力』。日本大学の中川達功さんとともに、下記演題で発表いたします。

福井 学•中川達功 『無機物を食べて生きる-化学合成独立栄養-』




新千歳空港では雪が散らついていたのですが、大阪の気温は17℃。汗だくです!



生態学会仙台大会

2016-03-20 22:29:58 | 学会
杜の都にて、生態学会仙台大会(ESJ63)。本日より24日まで開催。

北海道新幹線開業間近と言うことで、JR仙台駅では青森•北海道物産展が開催されています。道民には馴染み深い『やきそば弁当』も。なんだか微笑ましい光景でもあります。





冗談はさておき、当研究分野から三浦彩さんが発表いたします。

三浦彩、渡邉友浩、小島久弥、福井 学. ゲノム情報と生理生化学的性状から捉える新規硫黄酸化細菌の生態像


動物や植物と大きく異なる、常識を打ち破る結果が得られましたので、三浦さんの発表に期待して下さい!

育志賞授賞式にて

2016-03-11 01:30:25 | 研究室紹介
3月2日、東京上野の日本学士院にて第6回日本学術振興会育志賞授賞式が行なわれました。



前日夕方、海外出張先の中国青島から成田空港便で帰国し、東京入り。北海道地方は数年に一度の強大な暴風雪。渡邊美穂さんの札幌からの羽田便が飛ぶのか? 午後の遅い便は奇跡的に運航とのことで、ひと安心。



3月2日当日、東京地方は快晴。上野駅からは東京スカイツリーが明瞭に見えるほどです。





上野駅公園口から徒歩5分程度で日本学士院に到着。式場入場までは控え室で待機。10時半入場。授賞式開始まで、東京藝術大学教員4名による弦楽四重奏曲演奏(モーツァルト、K.525)。







秋篠宮両殿下ご臨席のもと、11時半授賞式開式、式辞、審査経過報告、授賞、文部科学大臣祝辞、そして受賞者代表挨拶と続く。閉式後記念茶会。美穂さんは両殿下ともご歓談。(注:授賞式および記念茶会では写真撮影禁止)

記念茶会終了後、式場にて賞状・賞牌授与式。美穂さんも日本学術振興会理事長より授与。その後、受賞者全員、佐々木毅 選考委員長および小林誠 学術システム研究センター長とともに記念撮影。







北海道からの参加者は私達だけでした。折角の機会ですので、共同研究者の小島久弥さんとともに記念撮影。釧路から出席された美穂さんのお母様も大変喜んでおられました。



美穂さんには、今後育志賞授賞に驕ることなく、ご自身の研究に真摯に向き合い、飛躍されることを期待いたします。

この度は、おめでどうございます。


中国 青島にて

2016-03-10 03:48:05 | 学会
自閉症の少年とその父親を題材にした映画『海洋天堂』(中国・香港映画2010年)。父親役で青島(チンタオ)の水族館職員を演じるジェット・リーが印象的な映画です。

さて、青島で開催された会議に出席いたしました。ホテルでの缶詰会議で、会場は街から遠いため、市街地を散策する時間もありませんでした。



会議の休憩時間に海辺で新鮮な空気を。映画『海洋天堂』のターフー(大福)少年がそこにいるような風景です。









会議では、中国海洋局第一海洋研究所の張学當博士にお世話になりました。沿岸海洋生態系に関する科学的議論を活発に行ない、今後の研究の参考となりました。多謝。



2泊3日間の青島滞在でしたが、私にとっては初めての中国訪問と言うこともあり、とても印象的でした。