福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

週末札幌散歩:カシン

2018-06-30 23:40:01 | 日記
今後の決断。己を過信せず、他の意見を良く聞く。そして、他の心に寄り添いながら、歩み進む、混迷の中で。

ルソーの晩年の著作である『孤独な散歩者の夢想』。彼はこんなことを言っている。

忍耐、柔和な心、諦念、廉潔、公平無私な正義、これらはおのれとともに携えていける財産なのであって、それはたえず豊かにすることができるし、死に臨んでも私たちにとってその価値が失われる心配はない。


と言うことで、本日の週末札幌散歩は、さっぽろテレビ塔から大通公園を西へ進み、円山方面へ。最高気温28℃で、汗ばむ。



大通公園内に「石川啄木像」。啄木は、明治40年9月に2週間ほど札幌に滞在したとのこと。111年前の大通公園で、彼もとうきびを食べたに違いない。



札幌市電路面電車「中央区役所前」。札幌に赴任して14年にもなるのに、未だ市電に乗ったことがない。いつかは乗ってみたいと思いつつも、歩みを西に進める。




札幌医科大学
到着。「流氷への旅」の作者である渡辺淳一の出身校でもある。



本日の目的地到着。円山にある和菓子屋『四代 嘉心(かしん)』。初代店主が新潟出身ということもあり、代々受け継いで作り続けている「笹団子」。これが目当て。しかし、売り切れとのこと。残念。





仕方なく、しばらく円山界隈を徘徊。本格インド料理店『シャドプール』を発見。見つけにくい隠れ家レストラン。一人では入りにくそうなので、同僚を誘って再訪してみたい。



再び、大通公園方面、狸小路、すすき野、二条市場、サッポロファクトリーを経由して帰宅。今日は程よく汗をかき、2万歩の初老男であった。しかし、『四千万歩の男』には程遠い。精進せねば。

手間のかかる再分類

2018-06-27 13:49:11 | 日記
先人が構築した分類体系。研究が進むことにより、その分類体系では収まりが悪くなるケースや新種が発見されることが良くある。しかし、先人の分類体系を見直し、新たな分類を提案することは過去の原記載を全て洗い出し検討しなくてはならない。これは骨の折れること。

古くから、胞子を形成する硫酸還元菌をDeslufotomaculum属としてきましたが、近年再分類の必要性が生じてきました。誰がやるのか? 美穂さんでしょ!

ということで、第6回育志賞を受賞された渡邊美穂博士が不断の努力を重ね、Deslufotomaculum属再分類を粘り強く提案。ようやく、彼女の論文が受理されました。おめでとうございます。

Miho Watanabe, Hisaya Kojima and Manabu Fukui. Review of Desulfotomaculum species and proposal of the genera Desulfallas gen. nov., Desulfofundulus gen. nov., Desulfofarcimen gen. nov., and Desulfohalotomaculum gen. nov. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. In press.


微生物の多様な能力

2018-06-26 13:02:19 | 日記
微生物の化学的能力は、じつに多様である。ひとつの化学反応を営む微生物がいれば、必ずといっていいくらい逆の反応を営む微生物がいる。

鉄を酸化する細菌にたいして鉄を還元する細菌、イオウや硫化水素を酸化して硫酸にする細菌にたいして硫酸を還元してイオウや硫化水素をつくる細菌、亜硝酸を硝酸に酸化する細菌にたいして硝酸を亜硝酸に還元する細菌、炭酸ガスをメタンに還元する細菌にたいしてメタンを炭酸ガスに酸化する細菌など、例はつきない。

さらにおどろくことは、生物に毒性を発揮する物質は、たいていいくつかの微生物の栄養物ともなることができる。青酸カリを栄養とする微生物、一酸化炭素を利用する微生物、砒酸を利用する微生物、各種の抗生物質や農薬を利用する微生物などが、その例である。

    (服部勉著『大地の微生物』(1972)より)


週末札幌散歩:植物園、そしてシイヤ

2018-06-24 23:02:05 | 日記
昨日と違い肌寒く、かつ風が強いため、散歩にはウィンドブレーカー等が必要。時々小雨が降り、どんよりとした雲ゆき。

北大正門を起点にして、南下して植物園へ、そして西方へ進んで円山を目指す。下記地図は上方が南なので、右側が西を示す。



クラーク会館から南に進むと、北大生の胃袋を満たしてくれる『銀星食堂』。残念なことに今年の1月20日に閉店していた。もう10年くらい前だろうか?店内で結婚前のAさんカップルにばったりお会いしたことを今でも鮮明に思い出す。






さらに南下し、JRの高架をくぐると、行く手を阻む街路樹(?)。北海道らしい光景でもある。



そして北海道大学附属植物園。札幌に来たら一度は訪れたいスポット。







植物園から西へ進む。道立札幌北高跡地を過ぎて、北海道立三岸好太郎美術館。ゆっくりと散策して見たいスポット。





おやっ? ぜんざいのお店を発見(『あん庵』)。誘惑の甘い罠であるが、自己を厳しく律する!



さらに西へ、そして、北上すると、オシャレなケーキ屋を発見(パティスリー シイヤ)。引きこまれるように店内へ。イートインができると言うことで、『誘惑の甘い罠』の世界を堪能。間違いなくオススメのお店の一つにリストアップ。














スーパーマーケットで大きめの大根一本が125円とお安かったので購入。夕食は、大根と豆腐のあご出汁煮と大根サラダで済ます。





研究室OB/OGが楽しみにしてくださっている『週末札幌散歩』エントリー。誘惑の甘い罠にトラップされることもしばしばですが、散歩のおかげで心身共にすこぶる健康です!

週末札幌散歩:カクセイチュウ

2018-06-23 22:44:31 | 日記
最高気温が28℃まで上昇した札幌。今日明日と低温科学研究所研究集会『冬眠休眠研究会』(文部科学省共同利用・共同研究拠点)開催中。ハンパない演題が多く、カクセイされる。





低温科学研究所を後にしてキャンパスを南下。



医学部付近では、地元出身の芸能人主演の映画を撮影中。



中央ローン、そして、北海道大学附属図書館本館へ。しばらくの間、知の世界への散策を楽しむ。





一昨日夏至ということで、夕方19時過ぎまで明るい。散歩には最適な季節でもある。今日は余計なカロリー摂取せずに帰宅。

明日は「曇り時々雨」の予報だが、北大植物園やその西側方面を散策しようか?

週末札幌散歩:北の台所

2018-06-17 20:08:16 | 日記
ある方とランチミーティング。場所は、大通りのNorthern Kitchen。北海道産の食材をふんだんに使った料理で、特に野菜の食べ放題が素晴らししく、そしてありがたい。

また、ドリンクも何種類ものハーブティーを揃えている。今日はカモミールティーでリラックス。

バランスの良い食事で、明日からのお勤めも、「チェストー!」。










週末札幌散歩:甘いうるおい

2018-06-16 22:00:45 | 日記
本日の札幌の最高及び最低気温はそれぞれ18℃、11℃。散歩を続けていると上着を脱ぎたくなることもあり。

低温科学研究所玄関前ロータリー周辺。さあ、週末札幌散歩の再開。





JR札幌駅前エスタ10階ラーメン共和国で遅めのランチ。新潟・燕三条ラーメンの『潤』で中華そば(醤油)をいただく。煮干しの出汁のスープで、なんだか懐かしい味。







さらに南へ。大通り到着。今日は北海道神宮の祭日。



賑わいを避けるように、フルーツケーキファクトリー 総本店にてイートイン。後ろめたさと恥じらいを感じつつも、クインシーメロンのタルトとロイヤルミルクティー(生クリームのせ)のセット(税込590円)をいただく。







散歩による消費カロリーをはるかに超えるカロリー摂取。反省しながら帰途につく。

衣替え

2018-06-15 07:28:38 | 日記
札幌は六月の十五、六日の、北海道神宮の祭日を境に、一斉に衣替えをする。それまでは黒いセーラー服を着ていた女学生が、白い半袖のセーラー服に替り、着物は袷(あわせ)から単衣(ひとえ)に替る。北の国も、住み人も、最もいきいきと、美しく見える季節である。

   (渡辺淳一著『流氷への旅』より)


本日の札幌の予想最高気温は17℃。昨日は13℃でした。半袖姿では寒くてたまらないこの頃です。

<追記>
本日、北大生協食堂にて旬菜ランチ。グリーンアスパラたっぷりのサラダ。北海道らしいですね。ごちそうさまでした。






ハルニレ

2018-06-13 18:51:58 | 日記
北大はエルムの学園と呼ばれるように、楡(にれ)の樹が多い。それも大人が両腕を拡げて、二人がかりで辛うじて届くくらいの大樹で、それがようやく芽生えかけてきた芝生に濃い影を落としている。

その朝の空気を吸うとき、美砂は確かに自分が北海道にいることを実感する。家も、緑も、空気も、すべてがさわやかで、乾いている。

  (渡辺淳一著『流氷への旅』より)