福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

高校生の夢

2008-06-30 12:21:32 | 低温研のことごと

今朝の新聞の4コマ漫画『ちびまる子ちゃん』。夢が叶ったと大喜びのまる子がとても印象的でした。その夢とは、「亀を飼うこと」。友蔵じいちゃんが近くの池で亀をとってきてくれたのだ。どんなに小さな夢でも叶うならば嬉しい。

『北海道大学プロフェッサー・ビジット2008』が、朝刊(朝日)の一面広告で掲載されていました。北海道大学の講師陣が、全国各地の学校のクラス等(特に高校を中心)を訪問して、現在行っている研究内容を紹介する出前授業を行うというもの。現在、参加校を募集しています。その講師陣の一人が、わが低温研所長・香内晃教授。

080630 雪氷物性・惑星科学がご専門の香内教授。「宇宙には、どんなところにどのような氷があり、それらは惑星や彗星などの形成とどのようなかかわりをもっていたのだろう?暗黒星雲にあった氷微粒子が集まって太陽系の惑星がつくられていった物語をひもといてみよう」と香内教授(タイトル『宇宙の氷天体』)。なんだかワクワクするような内容ですね。もし、私が高校生の頃、香内教授の出前授業を聴いていたならば、きっと惑星科学の道に進んだに違いありません。そして、低温研で研究する。そんな夢を抱いたでしょうね。

高校生の頃は、自分自身が何者で、何が出来るのか、あれやこれやと悩むもの。そして、将来何がしたいのか、何になりたいのか、真剣に考える時期です。私たち大学人が彼らの夢先案内人を担うことは大切なことだと思っています。

かつて高校生だった私。今からでも遅くはないので、香内教授の研究のお話を伺うことにいたしました。来る11月27日(木)朝、学術交流会館にて、日本微生物生態学会札幌大会のモーニングレクチャーで。低温研の皆さんもどうぞ。


フクイ

2008-06-27 13:10:58 | 日記・エッセイ・コラム

福井さん、こちらへどうぞ。シャツをまくり上げて、息を吐いてください。それでは、フクイを測定します」と、看護師さん。

フクイとは、「腹囲」のことで、メタボリックシンドロームの診断基準の一つ。男性の場合、85cm以上が内蔵脂肪の蓄積を示すのだとか。

フクイは○○cmで、大丈夫ですねえ」と。

メタボ対策をした甲斐がありました!血圧も問題なく、あとは、脂質異常(中性脂肪値とHDLコレステロール値)と高血糖(空腹時血糖値)のチェックです。何とかクリアーしたいものです。

と言うことで、今日は定期健康診断日でした。


フランボワーズな日

2008-06-26 16:14:39 | 四季折々

青い空、そして程よい湿度の札幌。とても良い季節です。

明日はいよいよ定期健康診断。これまでメタボ対策をしてきましたが、その成果が気になるところです。

そう言えば、フランボワーズ(フランス語でキイチゴのことで、英語ではラズベリー)の香り成分(ラズベリーケトン)には脂肪燃焼効果があるとか。健康的にダイエットするには、食生活にフランボワーズを取り入れるのも良いかもしれません。

08062601 さて、本日は6月のお誕生会。今月が誕生月の研究室メンバーはAさんのみ。午後3時、新棟3階交流ラウンジ前のホールでお茶会です。

*****

08062602 フランボワーズのベークドパイにロウソクを立てて、そして、一気にフッと。
お誕生日おめでとうございます。今後の研究のご発展を期待しています!




*****

08062603 フランボワーズの程よい酸味がとても良いですね。これで、明日の健康診断はどうかな?


センセイの喜び

2008-06-25 17:10:16 | 教育

大学教育の原点は、やはり学部教育。高校を卒業して、期待に胸を膨らませて大学学部へ入学。それまでの教育とは本質的に異なる高等教育が新入生を迎えてくれます。

新入生のガイド役(夢先案内人?)が担任。新入生ガイダンス、履修相談、人生相談、その他諸々の相談役も。

私が担任をしたクラスの皆さんのなかには、社会に出て4年目の方もおられます。また、この7月にご結婚なさる方も。

卒業後、クラスの皆さんがどのような人生を歩んでおられるのか、気になるところです。元気でやってますでしょうか? 苦しくはないでしょうか? 生き甲斐を持ててますでしょうか? 

悩み多き世代かもしれません。大いに悩んで、逞しくなって欲しいものです。

08062501 今日はとても嬉しい日でした。東京からクラス担任をした教え子のOさんが研究室を訪ねてくれました。ある会社にお勤めなのですが、北大病院に出張で来札されました。お忙しい中、低温研にも足を運んでくれ、無条件に嬉しいです。

逞しく成長されたOさんを見ていて、ついついホロッと来てしまいました。今回はお酒を酌み交わす時間がありませんでしたが、次回は必ず!

クラスの皆さん! 仕事がうまく行かなかない時でも、うまく行っている時でも、気が向いたら、ふらっと訪ねて来て欲しいものです。北の大地で、美味しいものを食べながら、語りましょう! 

それが、「センセイの喜び」です。


グローバルCOE採択

2008-06-19 07:03:06 | 学問

昨日、朗報が入りました。

文部科学省の平成20年度グローバルCOEプログラムに『統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成』(拠点リーダー・山中康裕)が採択されました。今年度から5年間のプロジェクトです。北海道大学大学院環境科学院、低温科学研究所、農学院環境資源学専攻等の教員が構成メンバーです。このプログラムの中には、国際南極大学も含まれています。

グローバルCOE採択で環境科学院は次のフェーズを迎えることとなります。

環境関連では、東北大学の『環境激変への生態系適応に向けた教育研究』(拠点リーダー・中静 透)も採択されています。環境分野で両大学が連携をとりながら教育研究を進めていくのも良策かもしれません。


わかるということの快感

2008-06-13 09:29:00 | 大学院時代をどう過ごすか

大学3年生の頃、『セーラー服と機関銃』という角川映画がヒットしていて、クライマックスシーンが印象的でした。女子高生であるヒロイン(薬師丸ひろ子)が機関銃を連続的に打ち放して一言、

カイカン

と。この「カイカン」って、どんな快感なのだろう? 

月初め、飛行機に搭乗した時の楽しみの一つは、機内誌の連載記事を読み通すこと。今月の養老孟司氏のエッセーにはこんなことが記されていました。

古代ギリシャの物理学者アルキメデスは、入浴中に浮力を発見して、うれしさのあまり「ユリイカ(わかった)!」と叫んで風呂から飛び出し、裸のままシラクーザ(シラクサ)の町を走り回ったのだとか。“わかる”ということの快感。それを繰り返し求めたいから、物事を考える。学者という人種の定義はこれだろう。小説家や絵描きもそうではないか。想を得て筆を進め、納得のいくものが仕上がった時の快感が、次の作品を生む。ギャンブルや酒と違って手っ取り早い快感ではないが、こういう中毒こそ文化の源なのである。
(スカイワード2006年6月号、養老孟司「旅する脳」より)

この「わかるという快感」がたまらないのです。

機内誌から目を離し、機内テレビを眺めていると、航空会社のエコキャンペーンビデオが流れている。あれっ? 森林火災を説明している方は低温研出身のNさんですね。

思いがけない再会も、カイカンの一つですね。


So Strange!

2008-06-03 07:15:27 | 日記・エッセイ・コラム

? You’ll give in to your desire
   When the stranger comes along
   Woo…….Woo…. ?

こんな歌詞で終わるビリー・ジョエルの『ストレンジャー』が流行ったのは、もう30年以上前のこと。この歌詞のstrangerを「美味しいもの」に置き換えてみたら、どうなるのだろう?

昨年は、ビリーはビリーでも、ブートキャンプが流行り、メタボ対策の一つとして大ブームでしたね。あのビリーはどうなったんだろう? 

さて、英国王立協会の2国間国際共同研究事業でオックスフォード大学動物学教室からアンさんが研究室にいらしています。

昨晩、アンさんをお誘いして食事会。場所は、和食ビュッフェレストラン。煮物や野菜が豊富に揃っていますので、中年には最適です。アンさんは、かなりのチャレンジャーでして、ネバネバのメコンブ、凍み豆腐、お茶漬けなども美味しいと。

08060202 でもって、アンさんが最後のデザートで選んだものは、白玉あずき。さすが、お目が高い! 実は、白玉あずきは私の大好物です。できれば、アイスクリームが添えられていると、なお良いのですが。

さあ、どうぞ召し上がれ。

08060201 白玉あずきを口に入れたアンさん。粒アンはどうですか、美味しいでしょ?

30秒くらい、口の中でモノを転がし、彼女から最初に出た言葉は、
     So strange!

オヨヨ~


うみゆき

2008-06-02 12:18:24 | 大学院時代をどう過ごすか

? あなたを追って 出雲崎
            悲しみの 日本海 ?

そんな唄の一節が頭の中をグルグルと駆け巡りながら、今日の朝刊テレビ欄を眺める。おっと、今晩の「鶴瓶の家族に乾杯」は、島根県の出雲が舞台。これは、観なくっちゃ。

先日の研究室ジンパ(ジンギスカンパーティ)でのこと。演歌歌手ジェロの『海雪』の話題を院生の皆さんとしていたところ、ある院生が「この唄って、島根が舞台ですかねえ」と。

いいえ、違います! 出雲崎は新潟県で、良寛のふるさとです。ドンヨリとした鈍色(にびいろ)の空。典型的な新潟の冬景色を唄に込めた『海雪』。私の性格が根暗なのは、きっと新潟育ちからでしょうね。でも、根が暗くても、雪国育ちで培った粘り強さがあれば、何とかやって行けるのさ~。

札幌で暮らしてみてわかったのですが、冬の間、札幌は鈍色の空の日が意外と少ない。それはそれとして良いのですが、あの「鈍色の空」が恋しくなることがあります。特に、日本海をバックにした、海雪のあの空が。

今、ふと思い出したのですが、ドイツ・ブレーメンの冬も、「鈍色の空」です。1994年1月から1年間、ブレーメンのマックスプランク海洋微生物学研究所に客員研究員(科学技術庁の在外研究員制度)として滞在したことがあります。日本から真冬のブレーメンに降り立つと、迎えてくれたのは暗くて重くドンヨリとした『鈍色の空』。ミュンヘン出身の大学院生RRは、「ブレーメンの暗い空は耐えられないよ」と口癖のように言っていたなあ。

このブレーメンの「鈍色の空」は、私にとってはとても心地よく、研究に集中させてくれました。充実の日々であり、将来へ繋がりました。

今、ブレーメンの研究所で日本人大学院生Mさんが研究をスタートしています。研究所では、日本人はたった一人しかいないよね。私の時もそうでした。

異国の生活で、いろいろと嫌なことや困ったこともあるでしょうが、ブレーメンの「鈍色の空」が、いつかいつかとても懐かしくなる時が来るはずです。「鈍色の空」が研究者にとって重要な資質である「根気」を育んでくれることでしょう。

今度、航空便でCD『うなぎのじゅもん』をブレーメンのMさんに送ってあげようかな?

<余談>
日本では、バター不足で「うなぎパイ」の製造がキビシー状況に陥っています。ドイツでは信じられないことでしょうね。ブレーメンから電車で1時間ほどでハンブルグへ行けます。『うなぎのじゅもん』を聴きながら、かの地の郷土料理「アールズッペ」(うなぎのスープ)を楽しむのも、ストレス解消には良いかもしれない。

そうだ!ブレーメン、そして、ハンブルグへ行こう!
Nach Bremen und Hamburg!