今回の演者は、環境科学院非常勤講師をお願いしている田村浩一郎教授(首都大学東京)です。田村教授は、生物の分子系統解析に関する理論的研究を行なっており、ユーザー・フレンドリーな分子進化遺伝学ソフトウェアMEGAの開発者でもあります。また、2007年、計算機科学の分野で世界的注目度の高い解析ソフトウェアMEGAの開発で『ナイス ステップな研究者』に選ばれています。
今回は、専門外の方にも分かるようにお話ししていただくようお願いしてありますので、多くの方のご参加をお待ちしております。
講演者:田村浩一郎(首都大学東京教授)
タイトル:「遺伝子発現調節の変化による環境適応形質の進化」
日時:9月26日(金) 16:00~17:00
場所:低温科学研究所講堂(新棟3階)
要旨:遺伝子発現調節の変化が生物進化の要因として重要であることは、古くは“Gene regulation hypothesis”としてOhno (1972) によって提唱されたが、近年、外部形態の進化に関する研究によって脚光を浴びている(Carroll 2005, 2008)。近年、我々はショウジョウバエの環境適応に関連する生理学的形質の進化においても、遺伝子発現調節の変化が大きな要因となっていることを発見
した。本セミナーでは、クロショウジョウバエの抗カビ耐性、アカショウジョウバエの低温耐性の進化に関する我々の研究成果について紹介し、遺伝子発現調節 の変化が形質進化に及ぼす影響について議論したい。
<田村浩一郎教授のプロフィール>
http://www.biol.se.tmu.ac.jp/solo_tamura.html