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福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

肌寒い道東へ

2017-07-18 23:46:13 | フィールド
先週のバレンシアと対照的な道東。最高気温が約20℃、朝晩はとても肌寒く感じられます。今週は道東で野外調査です。





明朝は冷え込みそうなので、きちんと栄養摂取し、明日の調査に備えます(写真は、鶴居村のチーズ)。


山岳調査、再び

2017-07-05 23:05:01 | フィールド
九州地方では大雨特別警報。一方、北海道は天候が好転し、気温が上昇中。と言うことは、山岳地帯では融雪が加速しているに違いありません。

前回の調査では、天候に恵まれませんでしたが、調査そのものは成功。今回、調査開始時は濃霧に覆われていましたが、徐々に視界が開けてきました。





寺島美亜さんは、すっかりフィールドサイエンティストです。





経験の浅いに大学院生Aにとってはハードと思われるトレッキングも、経験豊富な技術部森氏のガイドで難なくクリア。





調査も無事終了。さあ、昼食です。



たっぷり牛飯おにぎりで栄養補給。



今回の調査は大成功です。さあ、研究室へ戻って、解析を進めましょう!

<注>本調査地は国立公園内にあるため、環境省及び営林署の許可を得て調査を行なっています。

残雪期の山岳調査

2017-06-16 13:27:13 | フィールド
今シーズン最初の山岳調査。天候条件は良いとは言えませんが、総勢4人で現場へ。

残雪期の山岳地帯での調査は危険を伴うので、低温科学研究所技術部の森さんにお願いして、安全第一で調査を行なっています。今回、大学院生のAさんは初めての経験と言うことで、行動開始前に森さんより野外行動技術講習です。



さあ、調査地点へ。





助教の寺島美亜さんは、Aさんに試料採取や現場観測法など丁寧に教えています。Aさんも初めてではありますが、熱心かつ意欲的に取り組んでいます。



無事調査を終え、ほっと一息。記念撮影。





さあ、札幌の研究室に戻り、採取した試料の解析です。

<注>本調査地は国立公園内にあるため、環境省及び営林署の許可を得て調査を行なっています。

沿岸海洋生態系への誘い:厚岸湖調査

2016-07-20 17:57:03 | フィールド
ほぼ1年ぶりに厚岸湖(北海道)調査。いつもの日本大学生物資源学部の中川達功さんと。



厚岸湖は、湖と言っても厚岸湾の奥部に位置しており、海洋生態系です。今回も厚岸臨海実験所のスタッフのご協力の下に、アマモ場で現場観測並びに試料の採取を行いました。



中川さんはウェットスーツで堆積物採取です。船上にて、海水の環境因子等は計器で測定です。









実験所に戻り、試料処理。微生物の研究には速やかに処理を行うことが重要です。その作法は長年培われたもので、世代をこえて伝授されています。







院生に対して丁寧に指導する中川さん。素晴らしい! プロフェッショナル、仕事の達人ですよね。



山岳調査継続中

2016-06-23 09:55:16 | フィールド
今年は集中的に山岳調査を行っています。低温科学研究所技術部の協力を得て、安全かつ生産的な調査となっています。当研究所の強みと言えます。






体力消耗は否めないので、道産米おにぎりでエネルギー補給。2個でおよそ400キロカロリー。初老男性にはちょうど良い加減かも知れません。



<注>環境省等の許可を得て調査を行っています。

今日から山岳調査

2016-06-14 19:48:02 | フィールド
今夕から山岳調査に出かけます。先週に予定していた調査なのですが、天候不順で今週に延期。道内の天候はまだ不安定で、明日の調査本番での不安材料です。

そんな折、仕事をご一緒した別部局のAさんから、先ほど「元祖雷除志ん古」の草しんこを頂きました。Aさんの心遣いに感謝。



さあ、出発!


魅惑の湖 春採湖

2016-02-25 22:50:08 | フィールド
春採湖(北海道釧路市)は、私たち微生物生態学者にとっては魅惑の湖です。第6回育志賞を受賞する大学院生渡邊美穂さんは、春採湖から新規性の高い(新しい綱の)微生物リムノコーダ•ピローサを発見しています。また、新属の硫黄酸化細菌サルフリカウリス•リミコーラも。さらに、湖沼内の物質循環も興味深いものがあります。研究を重ねれば重ねるほど、新たな謎が湧いてきます。

まだまだ未知なことをたくさん秘めている春採湖。今年も厳寒の春採湖調査です。例年になく、湖水表面氷が滑らかなため、注意深く湖面を移動する必要があります。チゼルで湖氷を突きながら、氷のひび割れが無いか確かめることが必須です。



湖心に到着。スウェーデンのアイスドリルで湖氷に穴をあけ、電気伝導度、温度、水深を測定。鋸で湖氷を切って行きます。初挑戦の寺島先生!





厚さ40cmの湖氷を引き上げます。



さあ、試料採取。更なる未知の微生物が見つかるでしょうか?





低温科学研究所技術部の皆さんのご協力で、安全かつ迅速に調査を終えることができました。多謝。さあ、撤収です。



厳寒の湖沼調査は体力を消耗いたします。エネルギー補給として、夕食は釧路名物スパカツ(トンカツスパゲティーのこと)です。これで、札幌の研究室に戻ってからの実験もバッチリです。研究結果が楽しみです。



<注> 春採湖への立ち入りは禁止されています。当研究室は、文化庁の許可を得て調査を行っています。

水質(微生物)調査の心得

2015-06-24 11:00:00 | フィールド
“すぐれた水質調査は水質そのものの理解なくしては実行できない”
“努力と技術なくして水質調査は成立しない”
“分析値は解読されて始めてわれわれの知識となる”
     半谷高久著『水質調査法』(丸善, 1960)より

野外調査の季節。調査の成否の鍵の一つは、心得です。上記の「水質」を「微生物」に置き換えてみてください。




台湾で湖沼調査

2015-03-11 13:33:02 | フィールド
この時期雨の日が多い台北。雨の中での調査が懸念されていましたが、調査日は快晴に転じました。調査メンバーの中に晴れ男がいるのかもしれません。

水深100mから湖水採取。骨の折れる作業ですが、皆さん明るく、微笑ましくもあります。



採取後速やかに滅菌ボトルへ湖水を分取。手際よく作業する低温科学研究所のAさん。



無事調査を終え、桟橋に向かいます。海外調査が初めてのBさんも、満足そうです。



調査後、エネルギー補給のため、遅めの昼食を。とても庶民的な食堂へ連れて行っていただきました。



米粉麺、牛肉そぼろごはん、そしていくつかの小皿料理を美味しく頂く。いつも献身的にお世話していただいている中央研究院の皆さんに感謝。




台湾で微生物生態学、再び

2015-03-02 17:40:19 | フィールド
「湖の深層水に脱窒メタン酸化細菌がこれほど多かったのには驚いた。この細菌の群集が湖沼の環境保全に重要な役割をしているのは間違いない。湖水の生態系研究の新しい突破口になる。亜熱帯だけでなく、温帯や寒帯の深い湖沼にも、この細菌の群集がいるかどうか、調査したい」
JSTサイエンスポータルより

と言うことで、台北で湖沼調査。毎度、中央研究院(アカデミアシニカ)の夏復國先生には大変お世話になっております。野外調査が予想以上に行えるのは、夏先生とグループスタッフのおかげです。ありがとうございます!