去る11月14日、第49次南極地域観測のための砕氷艦『しらせ』が晴海埠頭を出航。
その翌日から2日間、国立極地研究所にて極域生物シンポジウムが開催され、参加して参りました。今回は、第30回記念ということで、これまでの極域の生物研究に関する概要の発表がいくつかありました。
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私たちの研究室からは、3題のポスター発表を行いました。
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・ 南極高塩分湖沼における微生物群集構造解析
末松耕平、小島久弥(北大)、高野淑識(JAMSTEC)、福井 学(北大)
・ 南極ラングホブデの氷雪藻ブルームにおける微生物群集構造
藤井正典、小島久弥、田中亮一(北大)、高野淑識(JAMSTEC)、星野 保(産総研)、的場澄人(北大)、伊村 智(極地研)、福井 学(北大)
・ 南極昭和基地から見つかった変形菌類について
加茂野晃子(北大)、星野 保(産総研)、松本 淳(福井総合植物園)、出川洋介(神奈川県立生命の星・地球博物館)、福井 学(北大)
こうした研究会に参加してみると、低温環境下で活躍する微生物に関する研究者の層が薄いことを実感いたします。と言うことは、この分野には、未解明な領域が広がっているのです。
恥ずかしながら、東京にいた頃、北海道の厳しい現実について感じる機会はあまりありませんでした。
経済誌『プレジデント』の12.3号の記事を読んでいたら、北海道の経済事情の厳しさを改めて感じました。
都道県別有効求人倍率をみてみると、北海道は0.59で44位(1位が愛知の2.03、47位が沖縄の0.43、全国平均1.07)。最低賃金(時給)のデータから、北海道は654円で28位(1位が東京の739円、47位が沖縄の618円、全国平均657円)。
北海道大学のキャンパスは、勉学や研究活動に集中できると言う意味で全国一恵まれた環境かも知れません。しかしながら、学生の皆さんの就職という面からすると、不利な点が多いと思います。北海道の経済上の厳しさから、道内に就職口が少ない。そのため、就職活動で首都圏に足を運ばざるを得ません。その経済的負担は、在京の学生さんからは想像のできない大きさです。
北海道内でも何とか就職口が増えて欲しいものですね。
そして、北海道大学が、いろんな意味で北海道の新展開を担う中核機関でありたいものです。
幼少の頃に覚えた味覚は、いつまでも忘れられないものです。
私の故郷に、「うのもりや」というお菓子屋さんがあって、このお店の「カルルス煎餅」が名物。ほんのりとした甘く、軽いサクサク感のある煎餅で、口の中でフワッッと融けるその感覚が今でも忘れられません。
思い出すだけでも、唾液が分泌されます。
さて、北海道には、数多くの温泉があります。ドリフターズの「いい湯だな」の歌詞に登場する「登別温泉」もその一つ。
登別温泉には、いくつかの地区に分かれているのですが、おすすめの一つが、「カルルス温泉」。そこの鈴木旅館へ研究室旅行で行って参りました。
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源泉の温度は54℃、泉質はカルシウムイオン、硫酸イオン、メタ珪酸を比較的多く含んでおり、無色透明の単純泉。かけ流しの湯と加水した湯を楽しめます。
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温泉で疲れを癒した後は、温泉卓球。笠原先生、張り切っていますね。
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体を動かし、お腹も空いた頃、とても賑やかな宴の開始。飲み物は持ち込み可と言う、鷹揚なシステム。
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夕食後、部屋に戻り、2次会兼11月誕生会。笠原先生とAさんが誕生月。お二人とも、おめでとうございます。
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翌朝、温泉微生物マット探し。さすが小島先生。旅館前の河原で温泉微生物マットを発見。シアノバクテリアでしょうかねえ?それとも?
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なにはともあれ、一年に一度の研究室旅行。とても楽しく、賑やかで、なおかつ、一生忘れられない思い出もできましたね!
旅館のスタッフの皆さんにも、大変お世話になりました。ありがとうございました。
幹事さん、お疲れさまでした。来年もよろしくお願いいたします。
夕方、食材購入のため郊外型スーパーへ足を運ぶ。
ついでに書店を覗く。
ふと、BE-PAL(ビーパル)と言うアウトドア雑誌の記事に眼が止まり、何かに吸い込まれるかのように、立ち読みしてしまう。
全国の『絶景温泉』の特集記事。
その中で、長野県の中房温泉や湯俣温泉が紹介されている。
今の季節、いいだろうな。
ゆっくりと湯に浸かり、晩秋の山々を眺める。
いいなああ。
繰り返し、湯に入ったり、出たり。
心の余裕を呼び起こしてくれる絶景温泉。
首まで湯につかって、
サイエンスを考えるのも良いかもしれない(↓)。
・ Tatsunori Nakagawa and Manabu Fukui. Molecular characterization of community structures and sulfur metabolism within microbial streamers in Japanese hot springs. Applied and Environmental Microbiology 69:7044-7057. 2003.
・ 福井 学・松浦克美. 温泉に太古の生命を探る.遺伝7月号.56巻:30-35.2002.
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←さあ、調査の疲れを絶景温泉でとりましょう
(湯俣温泉)
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