3月も半ば。別れの季節でもある。いささか気持ちも落ち込むというもの。
先月、ブレーメンの落下塔施設(ZARM)を19年ぶりに訪問。1994年当時、東大から留学していた大学院生AさんがZARMで研究しており、親しくさせて頂いた。落下塔の天辺のサロンで開催された誕生会に参加したことを昨日のことのように思い出す。
落下塔のサロンは、ブレーメンで最も標高の高いバーでもあることでも知られている。
この場所から東京まで9130km。地理的には遠いが、心理的には近いところである。
ふと別のウィンドウに目を向けると、「Jadebusen 57 km」と記されている。Jadebusenは北海沿いの田舎町。1994年1月、ここで研究用の沿岸海洋堆積物を恩師のFriedrich Widdel先生とともに採取。同時期、大学院時代の恩師である滝井進先生によって採取された東京湾勝島運河の堆積物も研究対象にして、滑走能を有する糸状性硫酸還元菌の新種Desulfonema ishimotoniiを単離するに成功(タイプカルチャーは東京湾産)(Fukui et al., 1998)。この種名は、北海道大学名誉教授である石本真博士(生化学者)に因んでいる。
Widdel先生は数年でリタイヤの年を迎えるのだが、元気でいて欲しい。滝井先生は13年前にリタイヤされたが、先日お会いする機会があり、とても若々しくお元気であった。むしろ、私の方が老けていた。
先述のAさん曰く、「ブレーメンは第2に故郷です」と。そんなふうに思える海外の街があるのは素敵なことだと思う。
過密スケジュールだったドイツ出張。ブレーメン国際空港で帰国便のチェックイン。ターミナルロビーの天井には、国際宇宙ステーション(ISS)の模型が展示されている。
日本の実験棟「きぼう」も再現されている。この実験モジュールで、低温科学研究所の古川義純教授は前人未到の「無重力条件下での氷結晶成長」実験を行っている。長期間にわたる研究の成果の一つである。
本日、古川教授の最終講義。いろいろな意味で古川先生に感謝したい。
寒冷圏生態系は地球環境変動に対して鋭敏なセンサーである。
恒例の凍結湖沼調査を実施。快晴であるものの、風強く、体感温度がぐっと下がっていく。
アイスドリルで凍結した湖水に穴をあける。低温研技術部作成のチゼルでトリミングして、調査しやすい穴に整える。
水質センサーを湖水に下し、物理化学的因子を測定。
その後、丁寧に湖水を採取。遺伝子解析用、微生物培養用、化学分析用等に湖水を分取。
この湖は、もしかしたら???
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そして、そのことを確かめるべく、すぐに湖水の濾過作業。試料採取後の実験が続く。
(注意)文化庁より特別な許可を得て、湖沼調査を行っています。また、関係各所への事前連絡及び許可のもと調査を実施しています。