2011年5月のブログ記事一覧-福井　学の低温研便り

流行には乗らない

2011-05-31 22:13:29 | 低温研のことごと

夕方、羽田空港到着。この季節にしては肌寒く、風も強い。立川へ向かう車中、灰色の重たい空を眺めながら思い出す、昨日低温科学研究所内に流れた茅野春雄先生の訃報のことを。

「自転車のおじさん」こと大隅良典先生（2006年、細胞の自食作用の研究で学士院賞）も大学生時代に茅野先生から教えを受けている。当時を下記のように回想している。

　当時の教養学部の生物学には、筋肉研究の丸山工作先生や生化学の茅野春雄先生（北海道大学名誉教授）、植物生理学の八巻敏雄先生がおられ、新しい学科で新しいことをやろうという雰囲気があふれていました。

大隅先生には、「新しい学問分野への挑戦」がとても魅力的に思えたとのこと。そして、「研究者にとって一番大切な環境は、落ち着いて研究が続けられること。研究者はじっくりとサイエンスを取り組もう、それにはお金がなくてもできるという開き直りや、一度や二度の失敗を恐れない覚悟が必要」であると力説されておられる。

思い起こせば、茅野先生と最後にお会いしたのは、昨年の１１月１日。オーロラタウンの地下道にて、香内さんとともに茅野先生をお見送りした。流行には乗らないと言う信念のもとに「昆虫の生きている仕組み」を生化学的に探求し続けてきた茅野先生は、こんなことを語っておられる。

　昔、都立大にいたころ、団勝麿先生に言われたことがあります。「茅野君、君は論文や本を読むのがあまり好きではないようだね。しかし、それは悪いことではないよ。読みすぎると凡人はそれに囚われてしまう。いろいろ知識を頭に入れて、さてと言って始めた仕事にいい仕事なんかないよ」

　自分が不思議だと感じたことを自分の手でやる。流行は追わない。 40年間を振り返りながら、もう少し勉強をしておけばよかったなあ、という苦い想いと共に、先生の言葉を思い出しています。

茅野先生にはかなわない。私のような凡人は、やはり、人一倍努力し続けるしかない。

さてと、立川へ行くか。でも、立川より呑川がいいな。

茅野春雄先生の思い出

2011-05-30 11:51:36 | 低温研のことごと

信州下諏訪に和菓子店がある。そこの塩羊羹を茅野春雄先生から送っていただいたことがある。その頃、懸案事項が多々あったのであるが、ある日の夕方、香内さんと塩羊羹を頂いた。一口ほおばると、不思議と穏やかな気持ちになれたとともに、前向きになれた。茅野先生の心遣いが心にしみた日であった。

昨年１１月１日のこと。久しぶりに来札された茅野先生とともにワインを頂いた。落合さん、香内さんと、牡蠣料理を堪能しながら、ずいぶんと話が弾む。茅野先生のナチュラリストとしての軌跡を直にお伺いする良い機会となった。まさに、「師あり、遠方より来る」だ。

先週金曜日、低温研のライラックの花が開きはじめた。パステルカラーの淡い紫の花とともに、その慎み深い香りは、茅野先生に届いただろうか？

茅野先生のご著書『昆虫の謎を追う～あるナチュラリストの軌跡～』には、こんな言葉で結ばれている。

最後に一言、「いま、何よりの楽しみは？」と問われれば、「友あり、遠方より来る」と、躊躇なく答えたい。この地は、そう答えるのにもっともふさわしい。

雨降り前の

2011-05-28 13:10:57 | 四季折々

晴れのち曇り、そして雨の予報。

もうすぐ見頃

2011-05-27 13:01:17 | 四季折々

日曜日あたりでしょうか、見頃は。しかし、札幌の週末の天気は雨かもしれませんね。うーむ。

開花

2011-05-26 12:22:31 | 四季折々

ようやく、と言った感。お待ちしておりました。

まだか？

2011-05-25 09:23:00 | 四季折々

咲き誇る日が待ち遠しい。

低温研ライラック祭り2011

2011-05-24 12:38:34 | 低温研のことごと

リラ冷えとは、良く言ったもの。朝晩の冷え込み、通勤時にコートを羽織る人たちもいる。

今年も、昨日から低温研ライラック祭りが開催されている（注意１）。

（注意１）あくまでも個人的なイベントです。 <style>  </style> ちなみに昨年の低温研ライラック祭りは、こちら。

志

2011-05-23 15:00:21 | 日記・エッセイ・コラム

名優・児玉清の印象的な出演作の一つ。それは、土曜ドラマ『こんにちは、母さん』だろう。

できれば、再放送してほしい。

基本のマスター再考

2011-05-19 09:41:36 | 大学院時代をどう過ごすか

研究室ではニューフェイスが活躍中。新たな分野に挑む若き微生物生態学徒にお勧めの一冊です。

まあ、焦らずに、着実にやっていきましょう！

昨日も、てっぺんごえ

2011-05-18 12:45:17 | 研究室紹介

連日お疲れさまです。本当に、お身体にはご留意下さい。

今日の札幌、お昼頃から曇りはじめました。低温研のモクレンが開花。雄しべと雌しべが螺旋状についていますね。

低温研に戻ると、ハテナが舞っている。

てっぺんごえ

2011-05-17 12:32:54 | 研究室紹介

石川さゆりの「天城越え」には、寒天橋が登場する。伊豆で穫れたテングサを加工地である信州（諏訪）に運んだことから名付けられたそうだ。

寒天（Agar）は、新奇微生物の単離には欠かせない。毎夜遅くまで研究に勤しんでいる院生の皆さん。夜中の１２時を過ぎることを、彼らは「てっぺんごえ」と呼んでいる。あまり無理をしないように！　健康には最大限の留意を。

「てっぺんごえ」の次の日。お昼時、低温研周辺の植物に眼を向けてみては？　北国の春だね。

薫風の候

2011-05-13 11:07:35 | 研究室紹介

長くて濃い時間を一緒に過ごしている院生や研究員のみなさん。研究室では悲喜交々を共有。そう言う意味でも、メンバーが巣立った後の研究室は、ある種の空虚感が漂うもの。

一昨日、３月末に巣立っていったAさんから研究室宛にお菓子が届く。その一つを頂いていると、ふと、福山雅治の「心color～a song for the wonderful year～」を思い出す。いつか、土佐の海岸で海に向かって、熱い思いを叫んでみようかしら。

ダイジョウブ

2011-05-10 01:36:14 | 大学院時代をどう過ごすか

みかんぼうせんせいの赤い車に乗っていると、カーステレオから小田和正のCDアルバム「自己ベスト」が流れてきた。年を重ねた小田の歌声は深みを増している。このアルバムの曲の中では、「My Home Town」が個人的には好きだ。

「自己ベスト」発表から５年後。「自己ベスト・２」に納められている「ダイジョウブ」が、ダントツに光っていると個人的には思う。

　?自信をなくさないで　少し　もどるだけ

　　君をなくさないで　きっと　ダイジョウブ?

そして、さらに、小田の歌声は高らかに、

　?人生は　こうして　続いてゆくんだろう

　　間違っても　何度　つまづいても

　　でも　小さな　その物語に

　　答えは　ひとつじゃないんだ

　　その笑顔は　どんな悲しみにも

　　決して　負けたりはしないから

　　君の　大切な人にも　風に乗って　きっと　届いてる?

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北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野 大学院：環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

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大学院：環境科学院　生物圏科学専攻　分子生物学コース