Nothing is too wonderful to be true, if it be consistent with the laws of nature, and in such things as these, experiment is the best test of such consistency.<o:p></o:p>
<o:p> </o:p> Michael Faraday 1791-1867<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
ファラデーは、「電磁誘導の法則」や「電気分解の法則」で知られるイギリスの化学者・物理学者。実は、私たちの実験室でも彼の発明品のお世話になっている。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
それは、ブンゼンバーナー。ドイツの化学者ブンゼンによって考案されたものと思われているが、ファラデーが発明し、ブンゼンの助手のデザーガによって改良がなされた。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
ファラデーのおかげで、白金耳が煤けずに滅菌され、自然界からの微生物の単離に役立っている。
いつか、機会があれば、ファラデー博物館を訪れてみたいものだ。
<o:p></o:p>
年末、休日の低温研。ひっそりとして静かな雰囲気。しかし、今年度卒業を目指す大学院生にとっては、大詰めの時期です。
実験やデータ解析を集中的に行っている大学院生たちよ、ちょっとだけお茶タイムにしませんか?
卒業生のKさんとTさんが、手抜き農法で作ったカボチャ。それを素材にプロのパテシエが北海道産の生クリームを使って「パンプキンケーキ」に仕上げる。きめの細かいパンプキンケーキは、しっとりとして、美味しいですよ。
今年も送っていただきた。彼らの後輩への暖かいメッセージとして、味わいながらのお茶会です。
廊下で一声発すれば、エコ?とともに研究棟中を鳴り響くほど静寂な研究所。その一角で、研究の歩みを止めていない院生もいます。その努力が報われることを祈っております。
お礼が遅れましたが、Kさん、Tさん、パンプキンケーキを送っていただき、ありがとうございました。
また、西の方へ旅立っていったNさん、いつもいつも『ビバレッジ』を送っていただき、ありがとうございます。新年会で研究室のみんなで頂きます。
こうした先輩たちに囲まれて、嬉しい限りです。
誰もやっていないことをやる限り、競争など存在しない。それに、誰もやっていないことをやることがオリジナルということだろう。オリジナリティに、それ以上の説明は要らない。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
少なくとも私の頭の中では、「競争」と「想像」は相容れない。想像力は創造力の源泉である。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
茅野春雄著『昆虫の謎を追う~あるナチュラリストの軌跡~』より<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
クリスマスの眠れない夜、昆虫生化学者のことばで、なおも覚醒する。<o:p></o:p>
生物環境部門の忘年会が開催されました。この時期は、修士論文や博士論文の追い込みと言うこともあり、忘年会をいかに開催するかは、多少の工夫と配慮が必要です。
そこで、名幹事・高林先生が考えたのは、低温研講義室であまり手間をかけず、安上がりに行うと言うもの。ちなみに会費は、教員3,000円、他は1,500円。
「さくら」さんから手作りオードブルを頼み、コストコでいろいろと購入。そして、名シェフMさんの豚汁、クリームシチュー、中華スープ。さらに、Kさんの手作りパンとGさんのデザート。
アットホームな会場作り。
豚汁にクリームシチュー。低温研の研究棟中に食欲をそそる臭いが立ちこめる。
司会は高林先生、そして、所長挨拶。
さあ、歩センセイの乾杯の音頭で、はじめましょう。
お父さん、これ、食べても良いの?
さあ、シメのクリスマスケーキの時間です。
あっという間に楽しく、和やかに過ぎた忘年会。来年も飛躍の年でありますように。
今日は冬至。寒さ厳しい札幌。
グローバルCOEプログラムの様々な事業で、大学院生のお世話をしていただいているGCOEユニットの皆さんへの感謝を込めて、昼食会。
ファカルティハウス「エンレイソウ」に総勢18名が集う。普段、オフィスで「さくら弁当」を頂く弧食派なので、こうして皆さんとのお食事は緊張いたします。
年内、まだまだお世話になることが多々ありますが、どうかよろしくお願いいたします。
ほとんど雪がなかった札幌もようやく雪景色。これで本格的な冬の到来か?
スノーランタン通信01号によれば、21日(月)夕方、低温研で恒例に行われているスノーランタンの点灯とのこと。十分な雪があると良いですね。
先日、お歳暮が届きました。大学院生の頃、家庭教師をさせていただいた、お宅から。お子様が小学生から中学生の頃まで5年間。彼は私の下宿に通って来て、あれやこれやと一緒に楽しみましたね。天気の良い日は、駒沢公園を散歩。はたまた、研究室に行って、微生物を顕微鏡で観察。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
プチ自慢ですが、私が住んでいたのは東京都目黒区八雲で、いわゆる高級住宅地。ひと月1万2千円の高級下宿に、毎週のように通って来た彼も、人の親になり、南米へ海外赴任中。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
その高級下宿から徒歩5分程度で、和菓子屋『ちもと』があり、「八雲もち」と「栗蒸し羊かん」がオイシイ。苦労して、論文が受理されたりすると、自分自身へのご褒美として、『ちもと』へ行って、「八雲もち」と「栗蒸し羊かん」を買う。特に、「栗蒸し羊かん」は品のある甘さ加減で、包丁を入れた横断面に出現する、まるまるとした栗が何とも言えない! <o:p></o:p>
この美味しい和菓子を隣の部屋の住人である先輩(「ひ」と「し」の区別ができない江戸っ子)にも食べさせたかったのですが、お酒大好きの辛党のため、受け付けない。先輩へ、日頃の恩をお返ししたかったのですが、叶わずとても残念。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
そんな思い出深い『ちもと』の栗蒸し羊かん、八雲もち、最中などがたくさん入ったお歳暮でした。保存料を使っていないので、2日間で食べなければなりません。お裾分けで歩センセイにも差し上げました。楽しんでいただけましたでしょうか?<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
師走の、ワガシの恩。甘すぎず、辛すぎず、いい加減で。<o:p></o:p>
大学院生の頃、海外留学を真剣に考えていた頃がある。海外旅行がまだまだ高嶺の花だった頃でもある。博士課程1年の時、指導教員の滝井先生が在外研究で英国のエセックス大学へ旅立ってしまったことがある。今から考えると、指導教員不在期間中、多くのことを学ぶ良い機会(特に研究者としての自立精神)であった。幸運なことに、 <link rel="File-List" href="file://localhost/Users/MFukui/Library/Caches/TemporaryItems/msoclip/0/clip_filelist.xml" /> <style> &amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;lt;!-- /* Font Definitions */ @font-face {amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;MS 明朝&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 2 6 9 4 2 5 8 3 4; mso-font-charset:78; mso-generic-mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:1 0 16778247 0 131072 0;} @font-face {panose-1:2 4 6 4 5 5 5 2 3 4; mso-font-charset:0; mso-generic-mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:3 0 0 0 1 0;} @font-face {amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;\@MS 明朝&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 2 6 9 4 2 5 8 3 4; mso-font-charset:78; mso-generic-mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:1 0 16778247 0 131072 0;} @font-face {amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;ヒラギノ角ゴ Pro W3&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 11 3 0 0 0 0 0 0 0; mso-font-charset:78; mso-generic-mso-font-format:other; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:1 0 16778247 0 131072 0;} @font-face {amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;\@ヒラギノ角ゴ Pro W3&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;; panose-1:2 11 3 0 0 0 0 0 0 0; mso-font-charset:78; mso-generic-mso-font-format:other; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:1 0 16778247 0 131072 0;} /* Style Definitions */ p.MsoNormal, li.MsoNormal, div.MsoNormal {mso-style-parent:&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;; margin:0mm; margin-bottom:.0001pt; text-align:justify; text-justify:inter-ideograph; mso-pagination:none; font-size:12.0pt; amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;Times New Roman&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;; mso-ascii-mso-ascii-theme-font:minor-latin; mso-fareast-amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;MS 明朝&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;; mso-fareast-theme-font:minor-fareast; mso-hansi-mso-hansi-theme-font:minor-latin; mso-bidi-amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;Times New Roman&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;quot;; mso-bidi-theme-font:minor-bidi; mso-font-kerning:1.0pt;} /* Page Definitions */ @page {mso-page-border-surround-header:no; mso-page-border-surround-footer:no;} @page Section1 {size:612.0pt 792.0pt; margin:99.25pt 30.0mm 30.0mm 30.0mm; mso-header-margin:36.0pt; mso-footer-margin:36.0pt; mso-paper-source:0;} div.Section1 {page:Section1;} --&amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;gt</style>その期間中、ある現象を発見し、初めて国際誌に論文掲載されることとなった。研究者としては、自信に繋がる経験であった。<o:p></o:p>
Manabu Fukui and Susumu Takii. <o:p></o:p>Reduction of tetrazolium salts by sulfate-reducing bacteria. <o:p></o:p>FEMS Microbiology Ecology 62: 13-20. 1989.
<o:p> </o:p>
その頃、海外経験の豊富な先輩たちは強く私に勧める、「滝井先生がイギリス滞在中に研究室を訪問してみては」と。生来の内向性の性格のためか、その一歩が踏み出せなかった。思い切ってイギリスに行っていたら、その後の研究者人生も変わったかもしれない。今でもそのことを悔やんでいる。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
現在、グローバルCOEプログラム「統合フィールド環境科学の教育研究拠点の形成」では、若手人材育成プログラムとして、大学院博士課程の学生の国際学会参加や海外調査の支援を行っている。希望する学生からの申請書を厳正に審査し、派遣の決定を行っているが、博士課程在学中に1回は海外での経験ができるよう配慮している。そう言う意味では、良い時代になった。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
学生の海外派遣の際には、事務的サポートが必須である。それを、GCOEユニットで行っている。丁寧な仕事ぶりが評判である。<o:p></o:p>
さて、私自身は、いっさいの海外経験無しに研究職に就いてしまったのだが、その年、ようやく初めての海外を経験することになる。そこは、デンマークであった。コペンハーゲンに向かうスカンジナビア航空では、偶然にもM先生夫妻とご一緒だった。Mせんせい、恐るべし。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
初めての海外は、すべてが物珍しく、写真撮影の連続であった。建物、食べ物、におい、道ばたに咲く花、ゴミ箱、トイレなど、ある種の感動的な驚きを伴っていた。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
その頃、後にデンマーク人と一緒に研究するとは思ってもみなかった。<o:p></o:p>
<o:p></o:p>
デニッシュ、思い出深い。<o:p></o:p>
大学院生の頃、いくつかのバイトを掛け持ちして、生活費と学費の足しにしていた。家庭教師、私立大学の教養実習のアシスタント、女子短大保育コースの自然実習のアシスタント、理容学校の講師(香粧品科学、物理化学)、日本語教師など、教育系のバイトが多かった。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
理容学校へは3年ほど通った。週2回、午後2時間分。お昼前に学校に着くように研究室を出て、東急東横線で綱島駅(神奈川県横浜市)に向かう。綱島駅の東急ストアに入っているサンジェルマンでチョコレートデニッシュを買う。それに、京樽のおにぎりセット。これが、理容学校でのいつもの定番昼食。講師控え室で、おにぎりセットを頂いた後、チョコレートデニッシュを楽しむ。大学院生にとって、週2度のささやかな楽しみだった。<o:p></o:p>
その頃、デニッシュがデンマークのパンであることを知らなかった。四半世紀経た今、サンジェルマンには、チョコレートデニッシュがあるのだろうか?<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
デニッシュ、思い出深い。
<o:p></o:p>
小説家は、作品の中で実在の人物を登場させることがあるようだ。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
先日、もえさんとの会話で、渡辺淳一の『流氷への旅』に登場する実在人物を思い出しました。海氷研究者・紙谷のライバル(?)である『藤野』は、実在している(あるいは、実在の低温研海氷研究者の名前を使っただけなのかもしれない)。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
もしかすると、『流氷への旅』の中には、いろいろな暗号が含まれているのかもしれません。渡辺淳一は、所々文間にバズルを仕掛けているのでしょうね。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
最近、集英社文庫から『流氷への旅』の新版が発刊されました。以前は、上と下の2分冊でしたが、新版は1冊。新聞でも宣伝されているので、低温研は観光スポットの一つになるのでしょうね。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
さて、『深海のイール』に登場する、メタンハイドレート研究者であるボアマン先生も実在しています。現在は、ブレーメン大学地球科学部教授です。皆さんもブレーメンを訪れる機会がありましたら、ブレーメン大学にも立ち寄ってみてください。<o:p></o:p>
実は、豊島ミホの『底辺女子高生』に登場する、ある女子高生は、身近にいる方かもしれませんよ! 誰だろう?<o:p></o:p>
ボアマンは生徒たちを連れて、スチール製の棚に近づいた。大小の容器が並んでいる。いちばん下に、銀色のタンクが四個あった。一つを持ち上げて前に出すと、手袋をはめて蓋を開けた。白い煙が音をたてて噴きだした。生徒の何人かが思わずあとずさった。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
「これはただの窒素だ」<o:p></o:p>
ボアマンは言って容器に手を入れると、こぶし大の塊を取りだした。汚れた氷の塊のように見える。数秒後には、塊は音をたてて割れはじめた。彼は少女に近くに来るように合図をし、塊を砕いて、小片を彼女に手渡した。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
「大丈夫だ。冷たいが、素手でさわれるから」
<o:p></o:p>
「臭い」<o:p></o:p>
少女が大きな声を出すと何人かが笑った。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
「そうだよ。腐った卵の臭いがする。それがガスだ。漏れだしたのだ」<o:p></o:p>
彼はさらに塊を砕き、生徒に配った。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
「見てのとおりだ。氷の中の汚れた部分が堆積物の粒。数秒後には、その粒と水滴以外は消えてしまう。氷が解ける。つまり、メタン分子が氷という檻を破って逃げてしまうんだ。こう言うこともできる。たとえ海底にメタンが安定した状態で存在したとしても、あっと言う間になくなってしまう。それが、きみたちに見せたかったことだ」<o:p></o:p>
彼は言葉を休めた。生徒たちは音を立てて小さくなっていく塊に、一心に見入っている。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
フランク・シェッツィング著『深海のYrr(イール)』(北川和代訳)より<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
<o:p></o:p>
メキシコ湾のメタンハイドレート。卵の腐った臭いは、硫化水素で、硫酸還元細菌によるもの。<o:p></o:p>
早川書房から文庫版で出版されている上記の本(SF)は、(上)、(中)および(下)の3巻からなり、読み応えがあるものの、研究室の皆さんにお勧めです!<o:p></o:p>