寒い日が続く札幌。日常生活には暖房が欠かせません。2006年11月29日にエントリした記事を再掲したします。現在は、エアコンやFF式ストーブが主流になっているかもしれませんが、災害時には役立ちます。
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それは私が大学2年生の時の冬、後期試験の頃の事故です。その年は例年になく大雪でした。同じサークル(ユースホステル部)のAさんとBさんが試験なのに大学に来ていません。不思議に思い、Aさんのアパートへ様子をうかがいに行ってみると、Aさんはベッドの上で、Bさんはベッドの脇の炬燵でぐったりと横たわっていました。部屋の中のガスストーブはつけっ放し。救急車で2人は搬送されたものの、Aさんは一酸化炭素中毒で死亡、Bさんは意識不明の重体。その後の回復治療のおかげで、Bさんは一命を取り留めましたが、記憶障害が残りました。
ことの発端はAさんが風邪を引いたため、Bさんが見舞いに行き、そのまま寝込んでしまったことです。一晩中ガスストーブが燃え続け、部屋の換気が行われなかったので二人とも一酸化炭素中毒になってしまったのです。
試験期間中でしたが、私たち、サークル仲間は大きなショックを受けました。また、残されたBさんのその後の人生はずいぶんと辛かったでしょう。
雪国暮らしに慣れていたり、登山などのアウトドアの経験がある人は一酸化炭素中毒に対する構えがあるかと言うと、必ずしもそうではありません。
以前、教務委員長を務めていた学部では、冬にこんな事故がありました。Cさんはアウトドア系の部員でしたが、寒いということで、部屋の中にテントを張ることにしました。少しでも暖房代を節約しようとして、密閉したテントの中で七輪を焚いて暖をとろうとしたのです。その結果、不幸にして、Cさんは帰らぬ人となってしまいました。一酸化炭素中毒死です。
若い人たちの命が事故で失われることは残念でなりませんし、親御さんの気持ちを思うと言葉もありません。
一酸化炭素中毒死を防止する策として、最低限下記の3つを守って欲しい。
1. 換気を十分にすること(1時間に1回部屋の窓を開ける等)。
2. 仲間がいつもの時間に研究室あるいは教室に来なかったら、本人に連絡を取ること。連絡がつかなかったら、アパートまで様子を見に行くこと。
3. もし大学を休む場合は、誰かにその由を連絡すること。