【第4パラグラフ】
4.1 In terms of the emission of carbon dioxide, generating one kilowatt-hour of electricity under the prevailing system emits 425 grams of CO2, while 2,320 grams of CO2 are emitted by burning one liter of gasoline.
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・S-V構造: 英語は主語をあまり省略しない言語ですから、ほとんどの英文に<主語(S)-動詞(V)>構造が見られます。これをみつける、つまり「何が何するのか…」「何がどうであるのか…」といふ問題意識をもつて英文を讀み進むと英文の構造をとらへやすいかと思ひます。この文は、副詞句が前に置かれ、しかも主語が長いために、讀みにくいところがあります。emits が動詞であることを見拔けるかどうかがポイントになります。
[語句]
4.1 |
|
in terms of ~ |
~については (with regard to ~) / ~の言葉で |
[意味] 4.1 二酸化炭素の排出の點では、現行の裝置のもとに1キロワット時の發電をすると425グラムの二酸化炭素が排出されるが、1リットルのガソリンを燃燒させると2320グラムの二酸化炭素が排出される。
4.2 In other words, a battery car will emit 425 grams of CO2 by running 10 km, compared with 1,497 grams for a gasoline engine vehicle.
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・being を compared with … の前に補ふと過去分詞の句が後置されてゐる構造が見えてきます。まづ主文が置かれ、それは「with~と比較される(數値である)」ことを情報として追加してゐるわけです。
[語句]
4.2 |
|
in other words |
言ひ換へれば |
[意味] 4.2 言ひ換へれば、電氣自動車は10キロメートル走ることにより425グラムの二酸化炭素が排出するが、それと比べるとガソリン車は(10キロメートルを走ることにより)1497グラムの二酸化炭素を排出する。
4.3 It follows, therefore, that should a gasoline engine vehicle be replaced by an electric car, the CO2 emission will be reduced by 72 percent.
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・preparatory it:先頭の it はpreparatory it と呼ばれてゐます(introductory it とか anticipatory it と呼ばれることもあります)。このうち主語となるものが formal subject (形式主語)、目的語となるものが formal object (形式目的語)と呼ばれます。英語にはよく見られる文體だと言へませう。
ここは形式主語で、that節が主語です(眞主語)。that節のほか、不定詞の句、動名詞の句やthat 以外の接續詞や疑問詞の場合もあります。
形式目的語は、<SVOC(第5文型)>において O(目的語)が長い時に O の位置に置かれます。これについてはいづれまた説明する折があらうかと思ひます。
・倒置による條件節[既出]: should a gasoline engine vehicle be replaced by an electric car は倒置による條件節です。前に名詞がありませんから that が關係代名詞ではないとわかります。通例 should の後には動詞の原形が續くはずなのに名詞(a gasoline engine vehicle)がおかれてゐますので「倒置」だと判明します。これについては、2011年8月10日投稿の記事(『假定法の讀み方(17)』)をご覽ください。
[語句]
4.3 |
|
by |
(差異を示して)~だけ / ~の差で |
[意味] 4.3 それゆゑに、もしガソリン車が電氣自動車にとつてかはられたとすると、二酸化炭素の排出量は72パーセントほど削減されるといふことになる。
【この項(6)につづく】