(14) The spoken language presents a DYNAMIC view. It defines its universe primarily as process, encoding it not as a structure but as constructing - or demolishing. In the spoken language, phenomena do not exist; they happen. They are seen as coming into being, changing, moving in and out of focus, and as interacting in a continuous onward flow. The cost of this perspective is that we may have less awareness of how things actually are, at a real or imaginary point in time; and a lessened sense of how they stay that way.
【設問】
10.下線部(14)はどのようなことを言っているのか、本文に即して日本語で説明しなさい。
6.1 The spoken language presents a DYNAMIC view.
[意味把握チェック] 6.1 話し言葉は動的な觀方を提示する。
6.2 It defines its universe primarily as process, encoding it not as a structure but as constructing - or demolishing.
[意味把握チェック] 6.2 話し言葉は、話し言葉で切り取つた世界を主として過程として明示し、それを(できあがつた)構築物としてではなく、構築中-もしくは破壞中のものとして記號化する。
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・〈not ~ but …〉: 「~ではなくて…」
□參考例文
44.6.2 The most important thing in life is not the triumph but the struggle.
人生で最も大切なことは、勝利ではなく、それを求める苦鬪である。
6.3 In the spoken language, phenomena do not exist; they happen.
[意味把握チェック] 6.3 話し言葉に於いては、諸現象は在るのではない。それらは起こるのである。
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・5.3で述べた書き言葉のケースに對應する説明です。例へば、ある種の概念として記述・固定されたものを想定するとわかりやすいかもしれません。
6.4 They are seen as coming into being, changing, moving in and out of focus, and as interacting in a continuous onward flow.
[意味把握チェック] 6.4 諸現象は、生じ、變化し、はつきりしたりはつきりしなくなつたりするものと觀られ、そして絶え間なく進む流れのなかで相互に作用しあふものと觀られる。
[語句]
6.4 come into being 生ずる
6.4 in focus ピントが合つて/はつきりして
6.4 out of focus ピントが外れて/はつきりしないで
6.5 The cost of this perspective is that we may have less awareness of how things actually are, at a real or imaginary point in time; and a lessened sense of how they stay that way.
[意味把握チェック] 6.5 この觀方の代償は、實際の進行時點で或は架空の進行時點で、物事の實際の姿に氣づきにくいかもしれない、そして物事がそのやうに/そのままにとどま(つてゐ)る事情を感知しにくいかもしれない、といふことである。
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・less(little の比較級)は「程度・度合が一層小さくなる」ことを意味し、日本語で表現しにくい語です。書き言葉の場合と比較して述べてゐるのでせうから、「書き言葉に比して」とか「比較的」などといふ語句を附け加へる手もあります。
・5.5ではコンマで補語を竝べ、6.5ではセミコロンを使つてゐます。どういふ理由があるのか、筆者に尋ねてみたい氣がします。
【設問】
10.下線部(14)はどのようなことを言っているのか、本文に即して日本語で説明しなさい。
【設問の考へ方】
※下線部(10)と同樣に、パラグラフ先頭に掲げた記載について、同じパラグラフで説明を展開してゐます。など、6.2、6.3、6.4などの内容を要約すると解答が得られます。字數の目安が示されてゐませんし、解答欄の大きさもわかりませんので、下線部(10)と同樣に、不要とは思ひますが、(カッコ)を加へて解答例とします。
【解答例】
・話し言葉は動的な觀方を提示する。それは、切り取つた世界を過程として明示し、それを(構築または破壞といつた)變化の途次にあるものとして記號化し、諸現象は、生じ、變化し、相互に作用するものとする觀方であ(り、物事の實際の姿に氣づきにくく、現在の姿にとどまつてゐる事情が感知しにくくなる可能性があ)る。