キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

積読の効用はあるのか

2007年03月24日 | Weblog
湘南はここ数日暖かな天気が続いておりますが、今夕から雨になるそうです。気温は下がらず春雨といったところでしょうか。書斎からの眺めでは、金木犀の赤っぽい新芽が出始めているのと、月桂樹の黄色い花が美しく見えます。姫紗羅は芽吹きだしたところです。このツバキ課ナツツバキ属の夏に咲く白い花は特に好みなのでこれからの生長が楽しみです。母が椿が好きで相当多くの品種が庭にありますが、考えてみれば夏椿は私が偏愛しており、遺伝が働いているのかもしれません。最近この椿に由来して号を「遁椿館」と記しております。

さて今週も書に痴れている私はまたもや積読用の書籍をだいぶ購入してしまいました。男というものはコレクターで物を集めることによってストレスを発散させているという説がありますが、私の場合は本を集めることによってストレスを蓄積しているような気がしてなりません。ちなみに最近志水辰夫さんに凝っているので、「男坂」と「明日蜉蝣の旅」を、四月には大和路を徘徊したい希望を持っておりますので、矢張り仏像の観方を心得ておくべきと瓜生中さんの「知っておきたい仏像の見方」、吉田健一の「新編 酒に呑まれた頭」、磯部勝さんの「描かれた食卓 名画を食べるように読む」この二冊は食に携わる者として書店で見てしまった以上買わずに素通りは出来ません。芝木好子「隅田川暮色」を探しているのですがなかなか入手できないので同じ著者の「女の肖像」、そして最後は新聞の広告欄で見て、こいつは何が何でも買わなきゃいけないと思い探し回った末、スポーツコナーに堆く積み上げられておりました、柳沢健著「1976年のアントニオ猪木」、この本はきっと村松友視さんもすぐさま購入して読んでいると思います。それほどプロレス者にとって1976年は意味深い年であったのです。ウイリアム・ルスカ、モハメド・アリ、パク・ソンナン、アクラム・ペールワンとの戦い後全てこの年に行われたのです。プロレスという演劇空間の意味をすっかり変えてしまった出来事でした。もうあれから30年以上経ってしまったのですね。昨年羽田空港で見かけた猪木さんの背中がやけに小さく貧相に見えたのもむべなるかなです。

さてこの積み上げられた本が、好天気な春に誘われて野山あるいは海、あるいは街への徘徊の誘惑をおし止める重しになってくれれば、少なくともその物理的存在としての価値が発揮されるわけですが、この天気夕方には雨と聞いた以上”老人よ書を捨てて街へ出よう”というフレーズが脳の中をりフレインしております。
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