キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

気儘な湘南暮し ー散歩に読書、映画、酒、そして時々釣り-

春、白魚躍り

2007年03月23日 | Weblog
名古屋から横浜へ帰ってまいりました。穏やかな春の日で快適な旅でしたが、春霞で富士を見ることが出来ませんでした。浜名湖は春の日差しを浴びてきらきらと輝いて美しい水面を見せてくれました。皆さん春の訪れと共に旅立たれる機会が多くなっているようで、新幹線はビジネスマンに混じって家族連れやお年寄りのグループが多く見受けられました。皆さんの楽しそうなお顔を拝見していると、世の中景気が回復しているのを実感いたします。

昨夜は名古屋のお取引先の方に設定していただいた和食のお店で魚をいただきました。もう長く名古屋へ通っているのですが、名古屋の街中で中々良い店に巡りあう事が出来ず、美味い魚にありつくことが出来なかったのですが、昨夜は満足いたしました。今の時期しかいただけない白魚躍りを今年初めていただきました。グラスの中で活発に踊っている奴を箸で摘み上げ、全身をゆすりながらの最後の抵抗を受けながらも口に含み、噛み切ると、えもいわれぬ歯応えとかそけき味わいが直接脳を刺激します。白魚の踊りはまさに脳で楽しむ味覚です。

もう10年も前になるでしょうか、パーカーに”若きブルゴーニュの星”と讃えられたジャン・フィリップ・マルシャンと横浜で白魚の踊りをいただいた事があります。彼にいい加減な白魚喰いの作法を伝授いたし、「この料理は胃の中で泳ぐところを楽しむことに醍醐味があり、決して口内で魚を傷つけてはならない。この水と一緒に一気に10匹ばかり飲み込み、食道での暴れを楽しみ、胃の腑で魚が暗い洞窟に押し込められて騒ぐところを再度楽しむのが作法である」と。

それから数年後、彼の村ジュブレ・シャンベルタンを訪れたおり「こいつが俺に活きた魚を食わした張本人で、俺が言った事が本当の事だと聞いてみてくれ」と村人に会うたびにふれて回っておりました。よっぽどショッキングな料理だったらしく当分の間村中で会う人毎に踊り食いの様子を吹聴していたようです。ちなみにジャン・フィリップの親友であるシャブリのオリヴィエ・トリコンはこの話を聞きつけ、来日した折白魚の踊りを喰わせろと会う度に言っておりましたが、季節が合わず中々実現しませんでした。5年ほど前の春、博多でその機会が訪れ嬉しそうに食べておりました。

その後私がシャブリ村を訪れた時にジュブレ・シャンベルタン村で起こった事が再現されたのはご想像の通りです。
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