キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

関内の芳林堂

2017年03月07日 | Weblog
朝、出掛けに、ぽつんぽつんと僅かに薄くなった頭部の頂に感じるものがあったが、昼になると小降りではあるが本降りとなった。
駒へ行くつもりで事務所を出たが、春雨とは名ばかりの氷雨であったので、少し遠いが中屋まで行き、たぬき蕎麦を食べた。
この店のたぬき蕎麦は、盛がたっぷりしていて、青菜(今日は小松菜であった)鳴門巻、刻み葱にたっぷりのたぬきが入っている。
もう20年以上通っている店だが、夏の大盛り、冬のたぬきと食べるものが決まっていて、馴れもあるのだろうが、寒いときに食べるこのたぬきは絶品である。

食後は何時も桜並木を関内駅へ向かって歩くのだが、久し振りに天麩羅もいいなと思って、中屋へ来る途中横眼で眺めた天定はランチを早仕舞いしていた。
寒い時にはどうしても温かい汁物に気持ちが動く。

セルテ4fの芳林堂は、近頃新刊の入りが遅く、しょっちゅう通っている者には不満が多いが、文庫や新書はテーマを組んで売っている様でもあり、スピードを競う戦いからは一歩引いているように無受けられる。
しかしそうなると、発売から時間がたった本が並ぶことになり、書店を観る事が癖になっているものには、古書店に軍配が上がってしまう。

ここへ来るのももう一ヶ月を切っているが、このフロアの本屋は何度も経営が変わった。
前はどこが入っていたか忘れたが、若い頃はキディランドが入っていて、種村季弘だとか澁澤龍彦の新刊書を買ったものだ。
本屋がここでやってゆくのはかなり大変なことなのだと思うが、関内にある程度の規模の本屋が無くなってしまうのはあまりに悲しい。
伊勢佐木町側には、有隣堂があるが、こちら側での本屋の存在を死守してもらいたい。

というわけで、牧野伊佐夫「かぼちゃを塩で煮る」幻冬舎を購入する。
初めての著者だが、立ち読みをしてみると、食い物の本だが偉そうなところがなく、ささやかなものを大切にしている感じがいい。

どんなかたか調べてみると、1964年福岡県北九州市生まれ、多摩美術大学卒、画家。
「暮しの手帖」表紙・挿絵
松浦寿輝「散歩のあいまにこんなことを考えていた」2006年 装丁
高橋みどり「くいしんぼう」筑摩書房 2006年 装丁 「酒の肴」メディアファクトリー 2007年 装丁
群ようこ「かもめ食堂」装丁
などをやられている。
帰りの電車で50ページほど読んだが、簡単に家庭で出来る料理がさりげなく書かれていて好ましい。

家に帰っておでんを食べるが、酒を呑むのを控えた。
友人からもう最後だなあとメールがたくさん来ていた、気にしてもらえるうちが花だなあ。

今日は幕張のフーデックスに出かける。
海外の友人知人に挨拶をして回るが、来年は別の形で訪れることになるだろう。
だがその形はまだ決まっていない。
コメント
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