キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

生と死、その非凡なる平凡

2017年03月03日 | Weblog
よっぽど疲れていたんだろう、昨夜は9時半には寝ていた。
お陰で3時過ぎには起きてしまったが、朝の読書が出来た。
ここ数日西部邁を読んでいるが、「読んでもいないのにあいつは駄目だと批判されることがあり、公明正大ではない」と、そねような輩を批判する箇所があった。
資本論を読んだことがない自称マルキストや日米講和条約を読まずに安保反対を叫ぶ輩がいる日本において、こんなことはあまりにも当然の事であるが、実際に西部邁を読んでみると面白いですよ。
特にこの本は故郷や家族の事が瑞々しい感受性によって書かれていて、論理的な抒情の美しさを堪能している。
テレビで見かけるぶっきらぼうな断定的な話しをする、年老いた保守の論客は、北海道の自然に育てられた繊細な感受性を併せ持っているのかと驚いた。
「生と死、その非凡なる平凡」は、お買い得な本でした。
あまりにもいいのでゆっくりと読んでいて、今ちょうど半分ほどだが、もうこの先何をやるのでも無いし、死ぬまでには、ある程度の時間があるだろうから、好みの本に巡り会ったら遅読して愉しむ贅沢が可能になったんだなあと我が身の幸運に浸っている。

本日購入した本、エリザベス・ストラウト 小川高義訳「オリーヴ・キタリッジの生活」早川書房 2010年 2,200円、マークストランド 村上春樹訳「犬の人生」中央公論社 1998年 1,500円、「植草甚一コラージュ日記② ニューヨーク1974」平凡社 2003年 1,300円、西尾幹二「三島由紀夫の死と私」PHP 2008年 1,500円、鈴木邦男「愛国者は信用できるか」講談社現代新書 2006年 700円

アメリカ小説2冊に続いて、植草甚一のニューヨーク日記を緩衝材にして、一気に右傾化して、西尾幹二のミシマ本と最右翼の鈴木邦男というバリエーションが面白い。
「オリーヴ・キタリッジの生活」は、2009年のピュリッツァー賞受賞作であるということだが、このピュリッツァー賞というのが文学賞であるのを知らなかった。
アメリカの北のほうの港町の物語らしいのだが、連作短編なのが気に入って買った。
「犬の人生」のほうは、以前犬だったぼくが主人公で、落語に同じような話があったなあと思いながら買ったが、「とてつもなくオフビート、かぎりなく繊細」と惹句があるが、オフビートってなんだ?

植草甚一の本があれば、見境なく購入している。
その理由については依然詳しく書いたのでここでは書かないが、近ごろ随分見かけなくなってきたような気がする。
そろそろJJ信仰のオッサン連中もくたばり始めているのだろう。

西尾幹二は「国民の歴史」という分厚い、古本屋ならどこにでも二束三文で売られている本を持っているが、西部邁を調べていたらこの人との敵対関係があったと出てきて、西尾幹二を調べてみたら、ミシマについて最もまっとうな本を書いたとあったので読んでみたくなった。
鈴木邦男もミシマについてはよく書いているが、小説は「午後の曳航」「金閣寺」が良かったと思うのだが、その思想が良く分からないんだよね。
ぜひ、読んで理解してみたいものだ。

鈴木邦男の本を流し読みしていたら、やっぱり三島由紀夫が出てきた。



コメント
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