キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

シャブリの価格

2014年10月17日 | Weblog
近頃ブルゴーニュが高くなりすぎて、ワイン業者としてあるまじきことながら一体今シャブリがどのくらいで取引されているのか見当も付かなかった。
オリビエが教えてくれたところによると、スタンダードな品質のシャブリが750mlで6.2ユーロから6.5ユーロで取引されていてるとのこと。
ちなみにこれを日本へ輸入して来て酒税関税などを払うと、1,200円位のコストになる。今流行のスーパーマーケットのダイレクト輸入で、販売すると1,700円といったところが妥当な小売り価格となる。

酒類の原価計算方法については、1990年代、酒のディスカウンターが華やかなりし頃、各週刊誌がこと細かく書き暴いたので全てがあからさまになり、それ以降酒類業界は最も儲からない業界の一つと数えられている。
古典的なルート、輸入商、問屋、小売店を辿ると2,500円ほどになってしまうので消費者にとってはまことに喜ばしいことなのだが。
しかし、この価格差800円が、輸入商と問屋で働く人たちへ分配されてたわけで、それが失われてしまう。
それは同時にそこで働いていた人たち=消費者を失うということでもある。

ユニクロにしろ、スターバックスにしろ古典的なルートを止めにして、生産者から小売店が直接仕入れて、輸入商や問屋のマージンを削ることにより安価を実現して成功している。
しかし、これによって作り出した就業機会と失った就業機会はどちらがどれ程多いのだろう。
また、このやり方であれば近頃盛んに言われる多様性を失うことにもなるだろう。

シャブリの生産量が劇的に増える可能性は少ない。
だとすれば今後シャブリの生産者は、より一層品質向上に勤めるべきだろう。
以前シャブリがあまりにも高くなって、VDPやチリのシャブリに消費者の目が移ってしまったことがある。
しかしながら、シャブリの品質は他のもので換えがたいことが分かり、需要が戻ってきた。
また、シャブリの魅力にうっとりすとする新しい顧客が新しい市場で生まれたはずで、同程度の品質のワインができる新たな産地が出現するまで価格は上がり続けるだろう。

価格訴求でやってゆくと、品質維持といっても何処かで品質を落とさなければ利益を生んで営業してゆくことは出来ない。
だとすると価格を考慮しなければ、同じ品質のものが、誰でも何処でも出来る事になる。今後ワインで生きてゆくには、シャブリのように他に類を見ない品質のワインを取り扱うことが肝心なんだけどね。

コメント
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