

たとえ世界中が敵にまわっても、僕だけは味方だ。
公衆浴場で赤ん坊を預かるのが仕事の小母さん、
死んだ息子と劇場で再会した母親、
敬愛する作家の本を方々に置いて歩く受付嬢、
ひ孫とスパイ大作戦を立てる曽祖父——。
不器用で愛おしい人々の、ひたむきな歩みが深く胸をうつ。
あなただけの〈友〉が必ず見つかる。静謐で美しい傑作短編集!
先回りローバ
亡き王女のための刺繡
かわいそうなこと
一つの歌を分け合う
乳歯
仮名の作家
盲腸線の秘密
口笛の上手な白雪姫








一つの歌を分け合う
ひとり息子を亡くした伯母はレ・ミゼラブルに出演してるのは息子だと・・・F氏の歌声に潜む”あの子”
劇場ではだれもが泣いているから・・・切ない。
口笛の上手な白雪姫
小母さんは公衆浴場の一部だった。
赤ん坊を連れた客から預かり、母親がゆっくり一人で入浴できるよう世話をする。一度預かった赤ん坊の事は忘れず要領よく世話をする。無料で・・・
小母さんの口笛を聴けるのは生まれたばかりの赤ん坊だけ・・・
良いお話!と読んでいると・・・幻想的な不思議が広がる。
公衆浴場にはよく壁に絵が描かれていたり、タイルが貼ってあったりするけれど、小母さんのいるところももちろんあった。
それは森・・・市民プールで行方不明になった女の子はその森に・・・
静かな語り口で独特の世界が広がっていた。どれもよかった。好き!
読み終わって・・・
終わっちゃった。次はいつ読めるのかしら?なんて思うのです。
★★★★★
