内容紹介
「100歳まで頑張る」と話していた98歳の母の首に、
74歳の息子が手をかけた――。
これが自分だったら、
一線を越えずにいられただろうか?
記者が見つめた法廷の人間ドラマ29編。
朝日新聞デジタルの人気連載、ついに書籍化!
生涯の愛を誓った夫の浮気を知って。老老介護の果てに。思い通りにいかぬ育児に悩んで…。
裁判所の傍聴席で日々取材をする記者が、強く心に残った事件の裁判の模様を綴る、
朝日新聞デジタルの連載「きょうも傍聴席にいます」。
「泣けた」「他人事ではない」と毎回多くの反響が寄せられる人気連載が待望の書籍化。
連載開始の2013年5月から2015年末までに掲載された全29編を収録しました。
法廷は人生と世相の縮図。一線を越えてしまった人たちの、
生(なま)の言葉と息づかいが、深く心を揺さぶります。
読書備忘録
人間だから理性はあるはず・・・と思っていても、あらぬことを考えていることもあり、ちょっと間違えたらあちら側に行くことだってないとは限らない。
他人事ではない!という思いと、それだけのことでそんなことする?という思い。
背景を知って・・・あー・・・ね。
え?あの人が・・・
あの人なら・・・
人のことはわからない。
そして事件は起こる。
インタビューされてあーだこーだと本当によく知っているのかしら?
卒業アルバムなんか差し出したりする人もいる。
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いくつかは報道で知っていたが、どのような判決が出たかまでは知らなかった。
特に子供が絡んでいる事件は身につまされる思いだった。
「36年前の夫の裏切り許せず」
妻の立場からしたらわからなくもない。
愛していたから傷ついた。
36年もずっと思っていたんだ。いつか仕返しって・・・?
不倫の代償とはいえ、そんな男に手をかけちゃったから刑務所行きなんて・・・そんな男と思っていればよかったのに・・・
風前の灯・・・そんな時に耳元でずっとささやくって仕返しもあるのよ。誰かの小説に書いてあったなぁ~・・・
罪にはならないんじゃない?でもかわいそうで案外できないかもね。
手をかけて刑務所行くよりはずっといいから、それを楽しみにそんな男より長生きするって手もある・・・人のことはわからないけれど。
いろんな思いで読んでいた。
そして何事もなく フツー でいられることに感謝した。