



夢か、うつつか、物の怪か。俳人・与謝蕪村が垣間見た妖しの世界。心にそっとあかりを灯す珠玉の連作短編。第3回小説宝石新人賞作家、待望のデビュー作(受賞作「梅と鴬」収録)。






目次
かわたろ
月兎
踊る猫
鉦叩き
雪
夜の鶴
鳶と烏
雨宿り
梨の花
梅と鶯 第三回小説宝石新人賞受賞作
踊る猫
近所のおばあさんが亡くなって、どこかに引き取られていたらしいおばあさんの猫が、雨の中空き家になったおばあさんの家の戸口に向ってちょこんと座っていた。その猫、蕪村のお膝で寝ちゃったのね。
死んだ人・・・お盆に帰って来て盆踊りを踊っている・・・見えている・・・聞いたことある。
鳶と烏
鳶や烏だっていろいろあるだろうけれど・・・愚痴も文句もなしに飄々と生きて、死んで行く。
蕪村のやわらか~い話っぷりに怪談話もほわ~んとして、その本人であれば確かに怖いけれど、お話を聞いている分には・・・怖いかもしれないな、な、人情話。
美しい言葉から美しい景色が広がり、すっごく楽しんで読めた。
次回作出ていますね。
