スコティッシュ・バレエ団日本公演


 ※この公演は中止になりました(2015年2月9日発表)。詳しくは ここ をご覧下さい。

  『雨に唄えば』の会場でもらった公演チラシの中に入っていました。23年ぶりの日本公演だそうです。

  公演チラシは片面印刷で、詳しいことはまだ決まっていないようです。

  とりあえず公演期日は2015年3月26日(木)、27日(金)、28日(土)、演目は『ロミオとジュリエット』(振付:クシシュトフ・パストール、音楽:セルゲイ・プロコフィエフ)、会場はオーチャード・ホールです。

  チケット発売は2014年12月6日(土)10:00より。

  チラシによると、クシシュトフ・パストール振付の『ロミオとジュリエット』は「現代に舞台を移して」のストーリーだそうです。チラシの写真に写っているジュリエットはトゥ・シューズを穿いています。現代が舞台ですが、ジュリエットがオフ・ポワントで踊るのではないようです。

  公演の詳細は、ローソン・チケット公式サイトにアクセスして、ローソンWEB会員(登録無料)に登録しておくと、決定次第メールで知らせてくれるそうです。

  チケット料金はS席12,000円、A席10,000円、B席8,000円、C席6,000円。音楽は「録音テープを使用」とのことです。

  振付者のクシシュトフ・パストール(Krzysztof Pastor)は、ポーランド出身の振付家。現在はポーランド国立バレエ団の芸術監督を務めているようです。パストール版『ロミオとジュリエット』は2008年にスコティッシュ・バレエ団によって初演されました。

  スコティッシュ・バレエの現在のレパートリーは多岐にわたっています。かつては、スコティッシュ・バレエといえばピーター・ダレル(Peter Darrell、1929~87)の作品が有名でしたが、ダレルの死後はレパートリーが迷走状態になり、それが現在も続いている模様です。

  スコティッシュ・バレエの設立者、首席振付家、芸術監督であったピーター・ダレルが87年に死去した後、芸術監督はガリーナ・サムソヴァ(Galina Samsova)が90年から97年まで、その後はロバート・ノース(Robert North)が99年から2002年まで、2002年から12年まではアシュリー・ペイジ(Ashley Page)が務めました。ペイジは、今年の夏の「ロイヤル・エレガンスの夕べ」で上演された「ルーム・オブ・クックス」を作った人です。

  ピーター・ダレルの作品は演劇性が濃く、振付も独自色がかなり強いそうなのですが、ダレルの後を継いだサムソヴァが他の振付家たちの作品をレパートリーにどんどん加え、その次のノースは更にコンテンポラリー作品をレパートリーに加え、その後のペイジは自分の振付作品を積極的に上演してきた、という経緯があるそうです。

  ちなみに今『雨に唄えば』日本公演に出演中のアダム・クーパーは、ピーター・ダレル振付『ホフマン物語』のタイトルロール、ロバート・ノース振付『ロミオとジュリエット』のロミオ役で、スコティッシュ・バレエに客演したことがあります。クーパーの奥さんのサラ・ウィルドーも、フレデリック・アシュトン振付『二羽の鳩』の少女役で客演しています。

  スコティッシュ・バレエは、芸術監督が変わるたびにレパートリーもコロッと変わる、ということをくり返しているみたいです。スコティッシュ・バレエは組織内の人間関係がかなり難しい、とイギリスの新聞は書いていました(10年も芸術監督を務めたアシュリー・ペイジも、最後はバレエ団の経営陣とケンカして辞めたそう)。でも、組織内の人間関係なんてどこも難しいものでしょう。スコティッシュ・バレエの迷走の根本的な原因は何なのか、結局よく分かりません。

  スコティッシュ・バレエの現在の芸術監督はクリストファー・ハンプソン(Christopher Hampson)で、1973年生まれの41歳とまだ若い人です。2012年に就任しました。ロイヤル・バレエ学校を卒業した後はイングリッシュ・ナショナル・バレエに入団し、ダンサーとして踊るかたわら、振付家としても活動していました。

  ハンプソンがスコティッシュ・バレエ芸術監督の仕事で注目を浴びたのは、マシュー・ボーンの『ハイランド・フリング』をバレエ団のレパートリーに加えたことです。

  私個人は、『ロミオとジュリエット』よりは、『ハイランド・フリング』を日本で再演(10年近く前にボーンのニュー・アドヴェンチャーズが日本初演した)してほしいんですが…。あれは良い作品だったので。

  また、『ハイランド・フリング』は、ボーンの『スワンレイク』以上にバレエの要素が強い作品で、バレエ団が上演するほうが向いていると思えるので、スコティッシュ・バレエ団で観たいです。来年の公演ではもう無理でも、その次の日本公演ではぜひお願いしたいところです。

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