心身の不調

  今日の日記は「一人つぶやき系」です。 

  毎年の秋冬は、私にとって厄介な季節です。体の具合も心の具合も悪くなるんです。体の具合が悪くなるのはまだ耐えられるんです。医者に行って診察してもらって薬飲めばいいからね。でも、心の具合が悪くなると、これが大変なんです。
  私の場合、まず物の考え方が基本的にネガになります。マイナス思考というヤツですね。折に触れて理由のない不安、焦燥、怒り、嫌悪、無力感などが湧き起こってきたり、とかく悲観的になったりします。
  今日なんて、「野郎どもと女たち」を観ながら、なんでクーパー君がこんなヤな男(スカイ)の役で出るのよ!とか怒っていました。
  自分の感じ方や考え方がおかしい、ヘンだ、というのは自覚しているわけです。そんなら「気持ちを明るく持って」とか、「気分を楽にして」とかすればいい、と思う人もいるでしょう。そんなことは私も百も承知なのです。でも気持ちを明るく持てない。気分を楽にできない。だから苦しいのです。
  だから日常生活でも作業能率が下がります。なにより辛いのは、そのせいで容赦ない自責感に苛まされることなんですね。「私は甘えている」、「私はわがままだ」、「私は根性がない」、こうした言葉が心の中で絶えず響いているんです。
  こういう場合どうしたらいいか、マニュアルはありますよ。自分を責めなければいいのです。でも、そうと知っていても責めてしまう。私が思うに、これが人間の普通の反応ではないでしょうか。ロボットじゃないんですから、気持ちがそう簡単に切り替わるはずがありません。
  さて解決策は?ありません。嵐が過ぎゆくのを待つしかないのです。こればかりは自然に任せるしかありません。今日は調子が悪いな、今日は調子がいいな、と自覚しつつ仕方がない、とある意味「あきらめて」一日一日を過ごす。今の私にはこの程度の対応しかできないようです。
  悟りへの道は遠いですね。
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スカイ・マスターソン

  お久しぶりです~。このごろ、用事がたてこんでいるわ、体調はよくないわでなかなか書く気になれませんでした。
  クーパー君が「ガイズ・アンド・ドールズ」に出る、と分かった当初は大ショック、最近になって落ち着きましたが、それでも果たしてクーパー君に本当にスカイ役が務まるのか、と一抹の不安が残りました。特に歌。
  そんな不安をミュージカル通の知人に書き綴ったところ、スカイ役は高度な歌唱力が必要な役ではないし、踊りはクーパー君は完璧なんだから問題ないでしょ、とおっしゃって下さいました。それでやっと安心した次第です。
  
  「ガイズ・アンド・ドールズ」の公式サイトに行って公演スケジュールを見ましたが、なんと1週間に8公演(夜公演6回、昼公演2回)もあるのね。それで複数キャストなのかな?と思ったのですが、上記の知人が言うには、ミュージカルに複数キャストはまずありえないそうです(ひえ~)。だから、クーパー君はそれこそ1週間に8公演を、半年もの間こなさなくてはならないわけです。なんとか体調に気をつけて乗り切ってほしいものですね。

  クーパー君の公式サイトはめでたく3周年を迎えたとかで、メッセージが掲載されておりました。管理人さんによると、クーパー君はとても元気で、「ガイズ・・・」のリハーサルも楽しんでいる、とのことなのでよかったです(元気じゃなくてリハーサルはつまらん、などと書くわけはないのですが)。
  でもこのぶんだと、日記の更新はまたしばらくおあずけになるかもしれませんね。「ガイズ・・・」が始まったら、日記を書く時間なんてまずないでしょう。去年の春以来、クーパー君が何を感じ考えてきたのか、ファンとしては大いに知りたいところなのですが。

  正直言うと、私はクーパー君がこのままミュージカルの道を邁進するのだとすれば、とても残念に思うわけです。彼の本領はやっぱりバレエでこそ発揮されると確信しているから。バレエは自分から遠くなりつつある、とクーパー君は最近のインタビューで口にしたけど、私はそうであってほしくない。
  ミュージカルに出演するのもいいけど、「危険な関係」みたいに、バレエの要素の色濃い作品も踊り続けていってほしい。もう何回も言ったかもしれないけど、クーパー君は黙って踊っているときがいちばん雄弁だと思う。せっかくの天分を大いに生かしてほしいのです。
  今はクーパー君が「ガイズ・・・」に出ることを応援します。でも次は、またダンス・ドラマの世界に戻ってほしいな。
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1週間が過ぎ

  日本全国数千万人(←もちろん冗談)のアダム・クーパーファンを驚愕と興奮のどつぼ、いやるつぼに陥れた下のニュースから1週間、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

  私は金曜日から日曜日まで風邪のせいで寝込んでおりました。金・土はほとんど記憶がありません。日曜日にようやくもそもそと起きてテレビをつけたら、ややっ!?なんと!私の大キライなオリンピックが始まっているではありませんか!
  ああ、画面一面に広がる雪景色、中継スタジオの白と水色を基調にした色配置、ますます寒冷ストレスが加わって風邪がぶり返しそうです。
  というわけでテレビ(特にニュース・ワイドショー)は見ないようにしています。代わりにといっては何ですが、ユアンファンさんから教えてもらった映画「野郎どもと女たち」をちびちびと観ています。そう、「ガイズ・アンド・ドールズ」の映画版ですね。私が買ったのはDVDで、日本語・英語字幕が付いています。

  けっこう長い作品(およそ2時間30分)ですが、話がリズムよく進んで飽きません。若き日のマーロン・ブランド(スカイ役)、フランク・シナトラ(ネイサン役)が出てきて、「マーロン・ブランドって若いころからこのしゃべり方なのね」とか、「シナトラって歌声は今も昔も同じだな」とか、およそクーパー君とは関係ないことばかりに思いを馳せています。
  でね、どーしてもマーロン・ブランドとクーパー君の姿が重ならないのよ。役柄は合っているとは思う。でもずっしりした重みのある存在感のブランドと、クーパー君がどーしてもリンクしない。ヘタすればクーパー君、単なる安っぽいキザな色男のスカイになってしまうんではないかと心配になります。ホントにこの役をやるのか、クーパー君。
  
  ブロードウェイ・キャスト版CD「ガイズ・アンド・ドールズ」も聴いてみました。スカイの歌を聴くたびに、「うっ、この低音部はクーパー君だいじょうぶかな」とかつい思ってしまう。キャスティングされた以上、このへんの問題はクリアされてるとは思うけどね。
  そうそう、このCDのいいところはね、ミュージカルのCDには珍しく歌詞対訳が付いているところです。「雨に唄えば」の例からいって、映画版と舞台版の音楽が違う、ということも考えられるから、これはありがたい。

  風邪で休んでたんだか遊んでたんだか分からなくなりましたが、私はかくして「アダム・ショック」に処しておりました。それにしても困ったな、オリンピック。いつまでやるんだろ。・・・そーいえば、開会式で、ロベルト・ボッレが妙なかぶりものを着て踊った、って本当ですか!?(あの超美男子が~!!!) 
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とんでもないことに

  長いあいだ黙秘権を行使してきた(笑)クーパー君、とうとうこれからの活動予定を公式サイトで発表してくれました。
  あれを見てぶっとんだのは、たぶん私だけではないと思います。ピカデリー劇場でロングランを続けている「ガイズ・アンド・ドールズ」の、しかもスカイ役をやるだって?
  出演するほうも出演するほうですが、起用するほうも起用するほうです。クーパー君もプロデューサーもナニを考えているのか、と言いたくなります。「オン・ユア・トウズ」や「雨に唄えば」とはスケールが違います。ウエストエンドの名だたる看板ミュージカルの一つの主役ですよ!?
  クーパー君におめでとう、と言いたいのはやまやまだけど、正直なところ、これは極度にリスクの高い仕事だと私は思います。なんだかとても心配になります。
  でも、出演期間は3月6日から8月20日までと長期間にわたっています。ですから、これは1ヶ月とかやってハイさよなら、という単なる客寄せパンダ的キャスティングではなく、本気のキャスティングです。クーパー君も覚悟を決めて真剣に取り組むつもりなのでしょう。
  この仕事はこの上なく大きな賭けになると思いますが、成功するよう祈ります。そして、心から応援しています。
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ジゼル

  今日はスターダンサーズ・バレエ団の「ジゼル」(ピーター・ライト版)を観に行ってきました。ジゼルはバーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパル、佐久間奈緒で、アルブレヒトはロバート・テューズリーでした。

  もちろんダンサーはみなすばらしかったですが、それ以前に作品として優れているバレエだ、と感じました。音楽はドラマティックかつ繊細で美しく、物語の構成はしっかりしており、演出は効果的で、踊りは独特(特にウィリー)であり、これらの要素が連動したすばらしい作品です。面白くてあっという間に終わった感じがします。

  ピーター・ライトが改訂したのはどの部分なのかよく分かりません。たぶん踊りにはそう大胆な改訂は加えていないだろうと思います。それよりは、登場人物の性格や行動に合理性を持たせてストーリーを自然に進行させる、そういう部分がかなり厳密に構成されていたように感じました。

  たとえば第一幕、ヒラリオンがアルブレヒトの正体を見破るとき、アルブレヒトの剣の紋章と、狩りにやって来た貴族たちの角笛にある紋章を見比べて、同じ貴族だと悟ります。また、発狂したジゼルがアルブレヒトの剣を自分のわき腹に深々と突き刺し、流れ出る血を手でぬぐう仕草で、ジゼルが死んだのは剣の傷のせいだと分かるし、瀕死のジゼルが最後に抱きついたのはアルブレヒトで、ジゼルが死の間際までアルブレヒトを愛していたと分かります。
  それが、第二幕、なんでジゼルの墓が森の中にひっそりと建てられているのか(自殺だから)、なんでジゼルはアルブレヒトを助けたのかにつながってくるわけです。

  ちなみになぜジゼルはヒラリオンを助けなかったのか。ヒラリオンはジゼルに言い寄るとき、彼女の手首をかなり乱暴に引っ張ったりして嫌がられます。狂乱したジゼルはヒラリオンを見て、手首を乱暴に引っ張られた動作を繰り返します。つまり、ジゼルはヒラリオンにはイヤな思い出しかなかったから、ウィリーに襲われたヒラリオンを見捨てた、というふうに受け取れます。

  衣装やメイクも凝っていました。ウィリーたちは目尻、目の下、頬に茶色のシャドウを入れていました。登場するときは、白い紗のヴェールをかぶっています。こうして死者のイメージを表現していたのです。
  また、白いチュチュには淡い緑色が刷かれ、木の葉の紋様が縫い付けられていました。ウィリーの女王、ミルタのチュチュの木の葉は枯れたような色でした。ジゼルだけは真っ白なチュチュで、木の葉の紋様も白でした。新人のウィリーは白いらしいです。

  ウィリーの登場の仕方もちょっと変わっていて、ゆらゆら、ではなく、ぴゅぴゅー、という感じで現れては消えていったシーンがありました。マシュー・ボーンの「ハイランド・フリング」のシルフたちの動きは、たぶんこれを参考にしたんだろうと思います。

  佐久間奈緒のジゼルは内気だけどひたむきな少女、という感じでした。「ジゼル狂乱」は凄まじい迫力に溢れていました。ちょっとホラーというか貞子入っていました。ヒラリオン役の新村純一君も粗暴一直線でよかったです。ロバート・テューズリーはもう少し演技力を磨いたほうがいいと思います。ミルタ役の厚木彩は女王の貫禄不足でした。

  とてもすばらしかったのが群舞でした。特に第二幕冒頭のウィリーたちの群舞は目を見張るような美しさで、また無感情でどことなく不気味な雰囲気が漂っていました。

  カーテン・コールには、ピーター・ライトも姿を現わしました。びっくりしました。まさか御大が登場するとは!わざわざこの公演のために来日したのでしょうか。

  とにかく、今日の公演には大大大満足でした。またいいものを見せてもらいました。  
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