“Side by Side by Sondheim”公式サイト

  遂にプレビュー公演が始まった“Side by Side by Sondheim”ですが、プレビュー開始と同時に公式サイトが一気に充実してきました。“Creative Team”にあるアダム・クーパーについての紹介文は、これ以上にないほど至れり尽くせりな内容になっています。

  とはいえ、専ら彼の履歴の紹介ですので、特に目新しい記事はないのですが、その中でたった一つ気になる記述がありました。目下のところ実現していない「危険な関係」の再演ですが、ワールド・ツアーの話が進んでいるようなのです。

  原文では“Adam Cooper Productions has launched its 1st production LES LIASIONS DANGERUESES. Co-conciecved and directed by Adam and Lez Brotherston it had its World Premiere in January 2005 in Tokyo followed by a London season at Sadlers Wells Theatre with a World Tour in planning.”となっているので、「危険な関係」再演の話が目下のところ進んでいるものと思われます(解釈が間違っていたらごめんなさい)。

  去年の春にクーパー君に聞いた話では、今年の春から夏にかけて「危険な関係」のUKツアーをやるかもしれない、ということでしたが、それは今のところ実現していません。

  でも、2005年夏の「危険な関係」ロンドン公演を観た限りでは、クーパー君はいささか、「危険な関係」の演出や振付の改善・修正について、頭の中だけで考えすぎて視野狭窄に陥っている、という印象を受けました。もちろん改善された部分もありましたが、逆に改悪されてしまった部分もある、というのが私の正直な感想です。

  ですから、彼が「危険な関係」の再演を急がずに、一定の時間を設けて寝かせておいて、その間に別の色々な仕事をやって視野を広げ、また「引き出し」を増やす、というのは、結果的に良いことだと思うのです。

  アダム・クーパー版「危険な関係」については賛否両論がありましたが、私個人は、あの作品はよくできていると思うので、良い具合に熟成させてぜひ再演してほしいと願っています。
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“Side by Side by Sondheim”プレビュー

  現在、ロンドン時間は4月26日午後4時過ぎです。レスター・スクエアのヴェニュー劇場では今ごろ、“Side by Side by Sondheim”のプレビュー初日をあと4時間後に控えて、リハーサルが行なわれていることでしょう。クーパー君も共同監督、そしてミュージカル・ステイジングの担当者として、劇場でリハーサルの進行を見守りつつ、キャストやスタッフたちに指示を出しているに違いありません。

  26日から30日までがプレビューで、本公演(オープニング・ナイト、批評家はこの日を境にレビューを発表し始める)が5月1日からだそうです。先月中旬にいきなり、“Side by Side by Sondheim”が30年ぶりに再演される、というニュースが駆けめぐったあと、今月に入ってからは先週の末、つまりプレビューが始まるほぼ1週間前に、再び“Side by Side by Sondheim”公演情報がエンタテイメント関係の各サイトに一斉に掲載されました。

  プレビューを前にして発表されたそれらの公演情報には、キャスト(3人の歌手、ナレーター)が発表された以外には、特に目新しい情報はありませんでした(と思う)。

  本公演となる5月1日以降、日本時間では5月2日以降になれば、実際の公演を観た批評家たちによるレビューが各サイトに掲載され始めるでしょう。ですから5月2日以降にまた検索をかけて、レビューを探してみることにしましょう。それらのレビューによってはじめて、公演の様子やクーパー君の振付や演出についての詳細を知ることができるだろうと思います。

  大がかりな公演ではないでしょうけど、場所が場所だけに(ウエスト・エンドのど真ん中)、この公演の成否はクーパー君の振付家のとしてのキャリアに大きな影響を及ぼすはずです。成功を祈るのみです。

  前の日記にも書きましたが、“Side by Side by Sondheim”には、76年ウエスト・エンド公演時のオリジナル・キャストによるCDが出ています。今回の再演の成功を祈って願かけをするために、毎日このCDを聴いています。伴奏がピアノ2台だけ、というせいもあるのでしょうが、ミュージカルはミュージカルでも、大人向けのミュージカルのような感じがします。

  今回の再演の上演時間が、夜の場合は8時に始まる、ということからも、どんちゃん騒ぎで大盛り上がりなミュージカルではなく、落ち着いた雰囲気の中で歌とナレーションを楽しむ、という渋いものになるでしょう。
  
  公演情報の中では、クーパー君の紹介にかなりな字数が費やされています。必ず触れられているのが、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」でザ・スワンを踊って大成功したことと、去年「ガイズ・アンド・ドールズ」に出演したことです。

  その他には、「オン・ユア・トウズ」、「雨に唄えば」、「グランド・ホテル」、「危険な関係」の振付を担当したことが紹介されています。そして、なんといまだに、映画「ビリー・エリオット」に出演したこと、更には彼がロイヤル・バレエの元プリンシパルであることなども書かれているサイトもありました。

  監督よりも大きな扱いになっており、今回の“Side by Side by Sondheim”再演の目玉の一つは、アダム・クーパーが関わっていることであることは間違いないようです。それだけにクーパー君に対する批評家の目も厳しくなるでしょう。なんとか成功してもらいたいものです。
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ルグリ狂騒曲

  今日は「ルグリと輝ける仲間たち」(←この題名はどーにかならないか)の一般発売初日でした。

  私はNBSの先行予約抽選に応募していたのですが、AプロもBプロも見事にハズれました。普段の悪行が祟ったのでしょう。NBSから「あんたハズレ」のハガキが送られてきたときには、チケットぴあのプレリザーブも、イープラスのプレオーダーもみな終了、残るチャンスは一般発売しかなくなりました。

  んで今日、午前10:00ジャストにNBSに電話をかけました。15分ほどリダイヤルボタン作戦を続けたところ、電話がつながってオペレーターが出ました。

  「〈Aプロ&Bプロ〉セット券」というのがあって、それだと2,000円の割引になるのです。それを申し込みました。特にBプロの演目は人気があるのか、それとも公演日が週末からお盆休みにかかっているせいか、S席を申し込んだのですが、3日間の公演のうち、私の都合のいい日はすべて売り切れでした(発売開始15分でですよ)。仕方がないのでA席を頼みました。

  NBSの先行抽選が全ハズレだったときから、「ルグリと輝ける仲間たち」はチケット争奪戦になるほどの大人気公演らしい、と薄々感じていました。でも、前にミラノ・スカラ座バレエ団のチケットを買うためにNBSに電話したとき、電話があっさり繋がったので、今回も意外とすぐに繋がるのではないか、と踏んでいました。その予想が当たったわけで、NBSは電話回線の環境が充実しているように思われます。

  私がぴあやイープラスなどを使わずに、NBSに電話したのには別の理由もありました。ぴあやイープラスはチケットを購入した時点で席番が決まりますが、NBSはそうではないらしい、という点です。つまり、販売するチケットの量自体は決まっていて、席がなくなればその時点で販売は終了します。でも、必ずしも電話が早く繋がれば、良席がゲットできるとは限らないようなのです。

  NBSのオペレーターの人は「席番は『バレエの祭典』会員の方が優先されます」とはっきり言っていましたし、私が感じたことには、「バレエの祭典」会員でなくとも、電話が繋がったのが早かったか遅かったかに関係なく、申し込んだ人のすべてに公平であるようなシステム(たとえばシャッフルなど)を用いているのではないでしょうか。

  今までに何度かNBSからチケットを買いましたが、NBSは割と筋の通ったチケット販売システムを用いていると思います。投資した人には必ず相応の特典があり、投資していない人には特典はないけど、それでもなるべくみなに公平になるよう、工夫した対応をしているようです。

  バレエ公演の会場で配られる「NBS NEWS」に連載されている(?)、NBSでいちばん偉いらしい人、佐々木忠次氏のエッセイには、ときどき「こういうことを書くのはちょっとな~」と思うときがあるのですが、NBSの販売システム自体はよくできていると思います。

  ちなみに、今日「ルグリと輝ける仲間たち」のチケットを予約したとき、オペレーターの人は早くもへろへろに疲れきった声をしていました。私の電話が繋がるまでの15分間、鳴り止まない電話と激闘していたであろうことを窺わせました。どうもお疲れ様でした。

  「ルグリと輝ける仲間たち」公演が行なわれるちょっと前くらいに、アレッサンドラ・フェリの日本でのさよなら公演があるらしいのですが、ルグリのほうが申し込めたので、フェリのほうはあきらめます。

  というか、さよなら公演がガラだという点が、最後の機会とはいえ、生フェリを観に行く気になれない理由です。全幕だったらよかったのですが。あと、チケット代が高いのも理由です。S席が22,000円もします(ルグリのほうはS席16,000円)。

  ところで、「ルグリと輝ける仲間たち」もガラ公演なのに、なぜそんなに人気があるのでしょう。チケットぴあもイープラスも即日完売のようですね。私の場合は、パリ・オペラ座バレエ団のいろんなダンサーが参加するので、この機会にパリ・オペラ座バレエ団のダンサーたちを観ておこう、というのが目的です。 
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“Side by Side by Sondheim”公式サイト

  クーパー君の公式サイトがリンクを貼っていました。このブログでも、左下のブックマークにリンクを貼っておきます。なかなかおしゃれなサイトですよ。最近できたみたいで、まだ作りかけのコンテンツもあります。でも公式サイトを作るとは、期間限定の小規模公演にしては凝っていますね。出演者やスタッフの紹介ページにはクーパー君の写真が載っています。これはたぶん、彼のゴージャス・ワイフ、サラが撮った写真だわね。てか、「アダム・クーパー共同監督・振付」ってのが、この公演の売りの一つらしいですな。まあ、素直に喜んでおきましょー。
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今になって分かること

  休みのうちに連続で書いてしまおう。私の次の舞台鑑賞は、松山バレエ団の「ロミオとジュリエット」(5月4日)です。もう良席は無理かな、とダメもとでバレエ団に電話したら、サイド席ですが割と前方の席を手配してくれました。目の悪い私には福音です。

  私はロミオとジュリエットには、高度なテクニックなど期待していません。どんなにドラマティックに踊って演じてくれるかが、私にとっては最も大事なのです。森下洋子は音楽性にあふれた踊りと演技力では日本一のバレリーナだと思います。ですから、彼女がどんなジュリエットを踊り演じてくれるのか、楽しみで楽しみでならないのです。

  5月連休の松山バレエ団「ロミオとジュリエット」から6月初旬のミラノ・スカラ座バレエ団「ドン・キホーテ」までの1ヶ月間、舞台鑑賞の予定は今のところ入っていません。その間、このサイトの運営をどうしようか、と悩んでいるのですが・・・。

  「経歴」の続きを書いたり、アダム・クーパーが出演している「映像版鑑賞記」を書いたりすることもできるのですが、そんな時間があったら、やらなければならないことは他にあるわけで、どちらを選ぶかが困りものです。時間を上手にやりくりして、バランスよく両方をこなせればどんなにいいか、と思うのですが、私は一度にたくさんのことをやるのがすごい苦手です。まあ、時間を見つけてちまちまと「経歴」なり「映像版鑑賞記」(ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」をお借りしたので)なりを書いていければ、と思っています。

  私は仕事関係のメーリング・リストにいくつか入っています。その中の一つに、いつも読んでは「???」と困惑してしまうメールを回してくる人がいます。メーリング・リストは情報の交換と共有が主な目的なわけですから、お知らせはもちろん、質問なども回ってきます。

  その人はいつも質問ばかりしてくるのですが、その質問というのが、こちらが答えようもないものばかりなのです。難しくて答えられないのではなく、答えようがない、としか形容のしようがありません。

  具体的な例を挙げるのは控えますが、クーパー君のことに託してたとえてみましょう。たとえば「アダム・クーパーの出ている映像版には、どんなものがありますか?」といった質問なら答えられますよね。でも、「ファンの常識として、アダム・クーパーについてはどの程度まで知っているべきなのでしょうか?」と聞かれたら、みなさん答えに困るでしょう?その人は、後者のような質問ばかりしてくるのです。

  私はその人のメールに書いてある質問を読むたびに、いつも「なんなのこの人?」だったのですが、あるときふと、その人は質問の答えを求めているわけではなく、質問という形を借りて、メーリング・リストに参加している人々とコミュニケーションをしたいのだ、ということに気づきました。

  同じメーリング・リストに参加していて、私が親しくしている人たちにそれとなく聞いてみたら、彼らもその人のメールについては同じ感想を持っていました。私はその人のメールに返信したことがないのですが(答えようがないですから)、彼らも返信したことはない、ということでした。ですから、その人のメールは全員に黙殺されている可能性が高いだろうと思います。

  それでもその人は、答えの来ないであろう質問を、今でも途切れることなくメーリング・リストに回し続けているのです。その人にとっては、自分の質問をみなに読んでもらうこと自体が慰めになっているのでしょう。

  メーリング・リストの参加者のほとんどは関東に住んでいます。その人は地方に住んでいます。そういう事情もあってか、その人はそうすることによって、自分とみんなは離れていてもつながっている、同じ仲間だ、という一体感を持っている、というよりは持ちたいのだ、ということに、私はようやく思い至りました。

  私はその人のメールが回ってくるたびにうんざりし(開く前からどんな内容なのか察しがつくので)、その人に苛立ちを覚えているのです。その苛立ちというのは、「なんでそんなに『仲間』にしがみつくの!?」というものでした。でも、苛立ちを覚えるということは、私の中にもその人と同じように「『仲間』にしがみついている」ところがあるということです。

  私は意地を張って「仲間」にこだわらない風を装っていますが、その人は「仲間」にこだわっている自分を、みなに正直にさらけだせているのです。私はその人にやきもちを焼いていて、それでなおさら苛立つのでしょう。

  「仲間意識」や「身内主義」は、私とは縁遠いものです。私はこれらの感覚を持ちたいと思っていますが、なぜか縁がありません。こうした感覚は、特に地域、学校、職場などで抱きやすいものでしょう。が、私は住んでいるところでも、学校でも、職場でも、「仲間意識」や「身内主義」のような感覚を抱くことができた経験がありません。どうもなじめないのです。

  なじめないとなると、襲ってくるのは疎外感です。自分はよそ者だ、という感覚です。これは辛いものです。特に強固な仲間意識で団結した集団の中にいると、疎外感はいっそう強くなります。なじめない自分が悪いのだ、いや、排他的な彼らが悪いのだ、そんな二つの感情の間を行ったり来たりします。

  今は、「仲間意識」のような感覚を持つことはあきらめようと努力しています。まだ悟りきってはいませんが、自分とは縁のないことなのだ、と未練を断ち切ることが必要なのは分かっています。

  そうなると、クーパー君はロイヤル・バレエ時代、さぞ辛かったろうと想像されるのです。彼はロイヤル・バレエ・スクールには上級(アッパー)から入りました。おそらく、ロイヤル・バレエ・スクールには、初級(ロウワー)から入ってこそ、本当のロイヤル・バレエ・スクールの生徒である、という「仲間意識」が濃厚に漂っていたと思います。

  そうした雰囲気は、当時のロイヤル・バレエにもあったでしょう。ロイヤル・バレエ・スクールの出身でなくとも、イレク・ムハメドフのように、赫々たるスター・ダンサーとしてすんなりと受け入れられた人や、シルヴィ・ギエムのように、輝かしいスターであるばかりか、もともとセコい「仲間意識」など必要としない強い人は、そんなことは気にもしなかったでしょう。

  でも、クーパー君の立場は中途半端です。生粋のロイヤル・バレエ・スクール育ちではない「よそ者」だけど、しかし彼の唯一の居場所はロイヤル・バレエしかなかったのです。しかも、彼は学校時代から、「バレエには向いていない」と言われ続け、バレエ団でも高い評価を受けていたわけではありませんでした。「ロイヤル・バレエで自分の居場所を保持し続けるためには、どんな代役の要求にもすべて応じざるを得なかった」という彼の言葉には、彼の当時の微妙な立場が窺われます。

  マシュー・ボーンがクーパー君に「白鳥の湖」のザ・スワン役を打診したとき、クーパー君はこのチャンスをしっかりとつかみました。そして、ロイヤル・バレエ以外に自分の居場所を持つことに成功しました。ボーンはその後もクーパー君を囲い込みたかったようですが、クーパー君はそれを拒否しました。彼はそのままボーンのカンパニーに居続ければ、いずれはロイヤル・バレエにいたときの二の舞になる、つまりわるい言い方をすれば、「飼い殺し」になることが分かっていたのでしょう。

  クーパー君は最終的に「仲間意識」や「身内主義」を自分から突き放しました。あきらめたのか悟ったのか、ともかくも私のような凡人にはうらやましい限りです。私も早く彼のような境地に達することができればいいのですけれどね(嘆)。  
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生きてます

  ここのところ音沙汰なしでどうもすみません。すごく忙しくなってしまって、心の余裕がなくなっていました。それに、クーパー君の公式サイトも更新がないしね。でも“Side by Side by Sondheim”の上演開始まであと2週間を切りましたから、そろそろ宣伝用のニュースやインタビュー記事なども出てくるかもしれません。
  見つけたらご紹介することもあるかも(心の余裕があればの話ですが・・・)。

  クーパー君が自分の好きな振付業で忙しいのはけっこうなことですが、彼は2005年の2月以来、日本に来ておりません。今年も来てくれる気配は今のところなし。このままだと、日本のアダム・クーパー・ファンが絶滅するのではないか、と私は危惧しております。

  アダム・クーパーが日本から遠ざかっているばかりか、今は振付業に夢中になっていて、本拠地イギリスですら舞台に立つ予定が当分の間はない。そうなるとファンというのは望みが低くなるもので、日本に来なくてもいい、せめてイギリスで舞台に立ってくれ、大金をかけても観に行くから、とすがるような気分になります。せめて秋冬には舞台に立ってほしいものですわ。

  というか、去年の10月以来、彼は舞台には立っていないはずです。早くて今年の秋冬に舞台に立つとしても、ちょうど1年のブランクがあります。日々のエクササイズやレッスンは欠かしていないと思いますが、舞台に立つということも恒常的にこなす必要があると思います。あまりに長すぎるブランクをおいてしまうと、いずれ舞台に復帰したときに、すんなりと十全なパフォーマンスを披露できるのかどうか、心配ではあります。

  まあクーパー君は器用な人ですから、久しぶりに舞台に立ったとしても、それなりにこなしてみせるのではないか、とは思いますが・・・。とはいえ、少しでもヘタレなパフォーマンスだったら、少なくともファンの目はごまかせないわよ(笑)。      
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明日は統一地方選挙

  まあ、なんて真面目なタイトルでしょう!日本国民の特に女性における政治意識の高さは、日本の女性に実質的な政治権力が持たされていないことの現れである、と私が勝手に人生の師としている故ピエール・ブルデューが指摘しておりました。

  でも、国民自身が政治を決定できる可能性のある唯一の手段は、選挙で投票することしかないのです。みなさん、明日の選挙はぜひとも出かけましょう。私の場合は東京都知事選挙です。もう「ハコモノ行政」によって、特定の政党とゼネコン各社が税金を山分けするという、田舎じみた古くさい慣習はやめてほしいんです。これが誰に投票するかの私個人の基準です。

  ところで、私の母親は先月末をもって10数年ものあいだ勤めた仕事を辞めました。母親の仕事は知的障害者のグループ・ホーム(3~4人が一つの住宅をシェアして生活する)の管理人でした。おさんどんばかりではなく、住宅の管理、金銭の管理、居住者の健康管理などもしなければならず、また時には居住者同士のトラブル(言うまでもないですが、知的障害者の世界にも人間関係というものがあります)を仲裁したりと、実に大変な仕事だったと思います。

  母親は元来世話好きな人ですし、また自分の息子も知的障害者であるということもあって、この仕事には向いていたのでしょう。郷里の街に数あるグループ・ホームの中でも、最も居住者の扱いが難しいというグループ・ホームの管理人を10年以上も勤め上げました。本当によくやったと思います。私などには到底真似できません。

  母親は一年ごとの契約職員という形で働いていました。でも厚生年金には加入していました。母親がしみじみとした感慨をもって退職しようとしたら、思いもかけないことが起こりました。退職日は3月30日(金)とされていました。出勤日は月曜日から土曜日まででしたから、母親は当然31日(土)が退職日になると思っていたので不思議に感じたそうです。

  ですから31日は出勤しなくてもよかったのですが、居住者の食事が気になったので、おさんどんだけをしに自主的に出勤しました。

  なぜ3月30日をもって退職ということになったのか、母親は年金の相談をしに社会保険事務所に出かけて、そこではじめて理由が分かったそうです。

  3月31日が退職日だと、母親の3月分の厚生年金保険料は、事業者(福祉法人・秋田県保健福祉事業団)がその半分を負担しなくてはいけません。しかし3月30日を退職日にすると、3月31日は母親は在職していなかった、ということになります。そうなると、保険料は月計算ですから、3月分の厚生年金保険料はすべて母親が自己負担しなければならなくなるのです。

  要するに、事業者は僅か1か月分の厚生年金保険料の負担金を浮かせるために、退職予定者に狙いをしぼってこんなことをしたわけです。母親は「騒いだところで仕方がない」と言っていますが、私はそれはあんまりな仕打ちだ、と思いました。

  それから感じたのは、同じような手口で保険料の負担金を浮かせている事業者は、他にもたくさんいるだろう、ということです。セコいというかあさましいというか、恩を仇で返すとはまさにこのことでしょう。これから退職する予定のみなさんは気をつけて下さいね。退職するなら必ず末日にしましょう。

  私は5月にちょっと大がかりなプレゼンテーションの予定がありまして、今はその準備でおおわらわなのですが、それから逃避するためもあって、どうやって母親の敵を討つか徒然に考えてみました。真っ先に考えつくのは、退職者に自己負担させて浮かせた厚生年金保険料の扱いです。

  税務署にきちんとそのとおりに申告していれば問題はありませんが、もし万が一、退職者には30日付けで退職、と通告しておいて、税務署には31日付けで退職、したがって3月分の厚生年金保険料を負担した、と申告しているならば、これはちょっと面白いです。その場合、浮かせた保険料はどこへいっているのでしょう。

  もし忘れていなかったら、来年の申告時期に、秋田の税務署にちょっと一言「お知らせ」してやろうと思っています。

  バレエの話題もちょっとだけ。NHK教育の「芸術劇場」は金曜日の夜に移動したんですね。これから気をつけなくちゃ(←新聞とってないから)。昨夜はアントニオ・ガデス舞踊団の「カルメン」と、パリ・オペラ座バレエ団の「若者と死」を放映していました。

  フラメンコはすごい迫力があって、思わず見とれてしまいました。目が釘付けになった、というほうが正しいかも。「若者と死」にはニコラ・ル・リッシュが出ていました。あら、けっこう良いダンサーじゃん、と思い直しました(すみません生意気に)。でもパリ・オペラ座の女性ダンサーって、どうしてみんな肩幅が広くて、逆三角形のたくましい体つきをしているのでしょうか。

  牧阿佐美バレヱ団の「ロメオとジュリエット」の感想を書いたら、また「ロミオとジュリエット」が観たくなってしまいました。そしたら、松山バレエ団がこのゴールデン・ウィーク(4月29日、府中の森芸術劇場どりーむホール;5月3日・4日、オーチャードホール)から5月中旬(5月19日、神奈川県民ホール)にかけて、「ロミオとジュリエット」を上演するのですね。

  振付と演出は清水哲太郎、主演も清水哲太郎と森下洋子です。作品に対するちょっとイタすぎるのめり込みはともかく(詳しくは「雑記」の松山バレエ団「ジゼル」を参照)、清水哲太郎なら振付と演出は信頼できると思うし、森下洋子はジュリエットにまさにぴったりだと思うし、観にいくことにしました。      
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ちょっとうれしいこと

  クーパー君の公式サイトに、“Side by Side by Sondheim”のキャストというか歌い手の名前が出ました。Alasdair Harvey、Josie Walker、Abbie Osmonの3人の名前が載っており、3人の歌い手が登場するというのは本当だったんですね。

  私は“Side by Side by Sondheim”のCDをさっそく購入しました。Amazonで買ったのですが、なんと夜に注文したのにその翌日には届きやがりました。Amazonのサイトで購入したときには、確かブロードウェイ公演オリジナルキャストによる録音、と書いてあった気がするんですけど(記憶不鮮明)、届いたのは1976年ウエストエンド公演オリジナルキャスト版でした。買うならやっぱりこっちっすね。望外の喜びでした。

  演奏がピアノ2台というのも本当です。それから曲数についても、数えたら本当に31曲ありました。もちろん1枚のCDに収まるはずもなく、2枚組で合計92分あります。公演ではこれにナレーションが入るはずですから、たぶん2時間前後の舞台になるのではないでしょうか。

  ピアノのみの伴奏によるミュージカル・ナンバーを聴くのはなかなか面白いものですよ。まるでクラシックの歌曲みたいに聞こえます。

  それにしても、“Side by Side by Sondheim”は踊りの入る余地がない演目のように思えるけど、クーパー君はいったいどんな振付を施すのでしょうね?

  話は変わって、職場の近くにイングリッシュ・パブが開店しました。外装と内装はイギリスのパブそのもので、ちゃんとスポーツ中継も流してます(サッカーじゃなくて野球だったけど)。

  日本にある「イングリッシュ・パブ」、「アイリッシュ・パブ」の例に倣って、メニューはやはり多国籍料理化していますが(ピザや枝豆があったりする)、フィッシュ・アンド・チップス、ロースト・ビーフ、パイといったパブの定番料理はちゃんとあります。また、ビールやウイスキーの種類も豊富で、飲み物のほうは割と本格的です。

  それでも店員さんの話によると、まだオープンしたばかりなので料理も飲み物も種類が足りず、これから徐々に増やしていくのだそうです。

  店内は外人客が多く、彼らは「なんちゃってパブ」にはあまり近寄りませんから、彼らの目から見てもこの店は合格点、ということなのでしょう。そうそう、値段もロンドン仕様です。ビール1パイント900円。

  ビールを飲みつつ、ロンドンでの「パブ飯生活」を思い出していました。付け合わせが揚げたジャガイモとゆでたジャガイモだったり、皿からこぼれ落ちんばかりの大量のグリーン・ピースと、大きさはご飯のしゃもじほどで厚さは3センチのマッシュ・ポテトだったりと、イギリス人はイモと豆と肉と麦しか食わんのか、と呆れたのも懐かしい思い出です。

  私はビールの中ではエールが好きで、普通のビールとどう違うのかは知りませんが、常温で炭酸が少なめで苦味がないところが気に入っています。ビールというよりは麦茶みたいな感覚で飲んでしまいます。

  今日、そのパブに寄って、あるエール(名前忘れた)1パイントを頼んだら、女の店員さんに「大丈夫ですか!?」と言われました。1パイントは大ジョッキくらいの量なんじゃないかなあ。もちろんぜんぶ飲んじゃいました

  仕事帰りの楽しみができて、とっても嬉しいです。     
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ミラノ・スカラ座バレエ団

  ずいぶんと前の話ですが、3月21日(土)はミラノ・スカラ座バレエ団日本公演(6月)のチケット一般発売日でした。上演作品はルドルフ・ヌレエフ版「ドン・キホーテ」のみ、そして主役のバジルとキトリを踊るのはほとんどがゲストであり、ミラノ・スカラ座バレエ団のプリンシパルが主役を踊るのは昼公演の1回だけ、という妙な来日公演です。

  「ドン・キホーテ」は長いこと、私の「食わず嫌い」な作品でした。でも去年にボリショイ・バレエ団の「ドン・キホーテ」(アレクセイ・ファジェーチェフ改訂振付版)を観て圧倒され、ストーリーは楽しいし、踊りも見どころ満載だし、けっこう良い作品かもしれない、と思うようになりました。

  今回のミラノ・スカラ座バレエ団日本公演には、英国ロイヤル・バレエのプリンシパル、タマラ・ロホと、アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル、ホセ・カレーニョがゲストの一組として出演します(あとの一組は東京バレエ団の上野水香とマリインスキー・バレエのレオニード・サラファーノフ)。

  私はロホとカレーニョが出演する回と、ミラノ・スカラ座バレエ団のプリンシパル、マルタ・ロマーニャとミック・ゼーニが出演する回を観に行くことにしました。ロホとカレーニョが出る回のチケットは事前に購入してあって、ロマーニャとゼーニが出る回のチケットを一般発売で予約しました。

  チケットの一般発売初日、主催元であるNBSに電話しました。電話は10分くらいですぐにつながりました。でも請求書が今もって届いていないので、今日の夕方に問い合わせてみました。そしたら、請求書の発送はまだ行なっておらず、4月10日までに発送する予定だ、とのことでした。

  ヌレエフの振付というのは、どうも私はあまり好きになれないだろうと思うのです。無駄に煩瑣でうるさい振付、という印象があります。でも「ドン・キホーテ」は踊りそのものを見せることが主目的の作品なので、ヌレエフ版のほうが意外に面白いかもしれません。

  あとはゲストが主演する回と団員の主演する回を見比べるのも楽しみです。私は以前、専ら主役がよければ群舞などどーでもいい、と思っていましたが、今は群舞も主役と同じくらいに重要なのだと思います。それを分からせてくれたのは、第一に新国立劇場バレエ団、次にボリショイ・バレエ団とマリインスキー・バレエ、そしてKバレエ・カンパニーでした。

  また、ゲストが出演する舞台は、必ずしもいいものになるとは限らない、とも思うようになりました。まず、今回のミラノ・スカラ座バレエ団日本公演のように、ゲスト同士が別々のカンパニーに所属している場合です。タイミングの合わないパートナーシップほど見苦しいものはありません。それを分からせてくれたのは、マニュエル・ルグリが客演したシュトゥットガルト・バレエ団の「オネーギン」です(タチヤーナ役は同バレエ団の団員でしたが)。

  そして、主役がゲストである場合、そのバレエ団の団員で構成される群舞と息の合った舞台を披露できるかどうかも甚だ怪しいです。たとえゲストがそのバレエ団の主役級ダンサーより優れているとしても、普段いつもそのバレエ団の団員たちと一緒に踊っているわけではないのです。個人技ではゲストに劣るとしても、主役も団員であるほうが、全体として良い舞台になる可能性が大きいと思います。

  でも私とて人間、ゲスト幻想から脱することができずに、ロホとカレーニョが出る回のチケットを買ってしまいました。同時にミラノ・スカラ座バレエ団のプリンシパルに対する興味から、彼らの出る回のチケットも予約してしまいました。また散財してしまった・・・と一応は反省していますが、でも本音はといえば、すっごい楽しみです。
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