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  ウェブサイトのほうはこの数年間まったく更新していないのですが、なんか惜しいのでとりあえず残しておくことにしました。

  どうぞよろしくお願いします。

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新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』(2月22日)


  今日は福岡雄大さん(ソロル)と輪島拓也さん(大僧正)の日でした。

  福岡さんは役作りでも踊りでも、ワディム・ムンタギロフより良かったのでは?踊りについては、持ち合わせている技術や身体能力ではムンタギロフのほうが勝っているとしても、第二幕のヴァリエーション、第三幕のパ・ド・ドゥのコーダでの技のチョイスは、間違いなくムンタギロフよりも適切でした。王子的なノーブル一辺倒の踊りじゃなくて、気品と同時に猛々しさもある戦士らしい踊りです。

  第二幕のソロルのヴァリエーションの最後で、福岡さんはなんと、跳んだ瞬間に身体を外側へ仰向けにするジャンプで舞台一周。最後まで姿勢が崩れず、高度も落ちず、むしろ空中で一瞬静止しさえするハイレベルぶりでした。

  また、第三幕で、どこって言えばいいのかな?ニキヤとの最初のパ・ド・ドゥが終わって、影たちが両脇からぞろぞろ出てくるでしょ。それからソロルが現れて、ニキヤの姿を探すように舞台中央を前後に移動するところ。あの場面で、福岡さんはきちんと両足を揃えて回転しながら舞台を縦断しました。19日のムンタギロフはなぜかやらなかったのです。あの回転は音楽にすごく合っているので、これもツボにはまりました。

  福岡さんのソロルの演技もすごく良かったです。(二股かけるダメ男だけど)毅然とした態度の雄々しい(名前のとおりですな)男性で、優しくて優柔不断なだけの人物ではありませんでした。マグダヴェヤ(八幡顕光さん)に対して、高飛車で有無を言わせない厳しい態度で命令する演技、毒蛇に咬まれたニキヤを目の前にして動揺しながらも、最後にはニキヤを殺す陰謀を黙認するに至る演技などがすばらしかったです。

  輪島拓也さんの大僧正は、無表情で終始厳しい目つきで前を凝視しているんだけど、その陰にニキヤへの愛情やソロルへの憎しみ、自分の密告がニキヤの死という悲劇をもたらしてしまったことに対する苦しみが感じられて、こちらも19日の大僧正だったマイレン・トレウバエフよりも納得できる人物像でした。

  そのマイレン・トレウバエフは、ターバンとハデな金ピカのズルズル衣装が濃ゆい顔によーく似合ってましたが、どうしてもお笑いが入っちゃうんですなー。インド映画みたいにいきなり踊り出しそうでした。

  米沢唯さんは今日がニキヤ・デビューということですが、今回のデビューは成功したとはいえないと思います。

  かなり意外なことに、技術面でまだ頼りないところが目につきました(特にバランス、キープ、ジャンプなど)。もちろん、部分的に良いところは良いのです。第三幕での難しい一連の回転は見事にこなしていました。

  でも全体的な印象としては、なんだかよちよち、よたよたした感じの踊りでした。第一幕は気にならなかったのですが、第二幕からこうした印象が強くなっていきました。動きはこじんまりとしていて、小さくなってしまっていました。それと関係しているのか、踊りが音楽に追いついておらず、わたわたと焦って動いているようでした。

  どんなダンサーにも長所と同時に欠点があるものだと思います。米沢さんの長所はメンタルとテクニックの強さです。一方、米沢さんの「欠点」は、前々から思っていたけど書けなかったのですが、今回だけ正直に書きます。幼すぎる顔立ち、特に正面を見据えたときに目立つ、寄り目がちな子どもっぽいきょとんとした表情、そして貧弱な上半身の体型です。

  米沢さんのこれらの「欠点」は、本人の努力ではどうしようもないことです。だから批判するのは非常に残酷なことです。それはよく分かっています。ただ、踊りがうまくいっているときは、これらの欠点はほぼカバーされるので気になりません。ところが、今回のように踊りが不安定で小さくなってしまうと、これらの欠点が途端に突出して目についてしまうことになります。

  上で「よちよち」、「よたよた」というひどい表現を用いてしまいました。本当にごめんなさい。でも、米沢さんのニキヤを見ていて、ずっと頭に浮かんでいたのはこれらの語でした。まるで幼い女の子が大人の女性の真似をして必死に踊っているかのようで、なんだかいけないものを見ているような、複雑な気分でした。

  米沢さんが身体能力の面でも技術面でも優れたダンサーであることは、去年の『眠れる森の美女』や『シンデレラ』で分かっていたので、今回のニキヤが全体としてつたない出来になってしまった理由は分かりません。

  どのバレエ団も同じでしょうが、新国立劇場バレエ団も「特別強化対象」のダンサーに主役を踊る機会をどんどん与えてきました。それで見事に大成したダンサーもいれば、結果を残したとはいいにくいダンサーもいます。米沢さんは大成すると私は思っているので(実際にもう結果を多く出してきたし)、また3~4年後にニキヤを踊るチャンスが米沢さんに与えられるならば、そのときに挽回してほしいと思います。

  そんなわけで、小野絢子さんがニキヤ役の第1キャストなのが納得できました。バレエ団のキャスティングって確かなのねえ。

  長田佳世さんのガムザッティは悪女ではなく、ごく普通の女性でした。ニキヤが踊っているとき、ニキヤ憎しであてつけにソロルとイチャイチャするのではなく、ソロルの気持ちをなんとか自分に向けさせようと健気に努力している感じでした。また、長田ガムザッティは、父王のラジャがニキヤ殺しの黒幕であることを最後まで知りません。だから、ニキヤが毒蛇に咬まれたときに驚いてうろたえ、「なんてむごいことを!」という痛ましげな表情さえします。

  王女様といっても冷酷な女性ではなく、むしろ王女様だからこそ、一時の怒りに駆られて「あの女(ニキヤ)を殺してやる!」と軽率に思ってしまうけれども、それを実際の行動に移すほど苛烈な性格の持ち主ではないようです。考えてみれば、ガムザッティは生まれ育ちの良いお嬢さんなのですから、これはこれでもっともな解釈です。

  個人的にいちばんツボにはまった長田さんの演技。ソロルのことをあきらめるようニキヤに迫るシーンで、首飾りを外しながら、ニヤ~ッ、とほほ笑んだ長田さんの表情が超怖かったです。「ほ~ら、きれいな首飾りでしょ?あなたにあげるわよ。あなたのような下賤な女にはこんなもので充分よねえ?」みたいな。

  長田さんの踊りもよかったです。米沢唯さんのガムザッティには、技術面では及ばないと思いますが、第二幕のヴァリエーションは終始安定した動きで踊っていました。コーダでのグラン・フェッテも、姿勢、脚の位置の変化、回り方が非常に美しかったです。

  黄金の神像(ブロンズ・アイドル)は奥村康祐さん。まだまだ不安定でした。ブロンズ・アイドルを踊るには身長が高すぎる気もしますが(道化も同様)、ボリショイ・バレエだとデニス・メドヴェージェフ、マリインスキー劇場バレエだとキム・キミンなど、別に小柄というわけでもないダンサーたちも踊ってるわけだから、身長の高さは特に関係ないのかな…。

  第一幕のジャンペ、第二幕のパ・ダクシオンに堀口純さんを発見。ジャンペの踊りは見ごたえありました。脚が威勢よく上がる上がる。

  第三幕の第1ヴァリエーションを踊った柴山紗帆さんがとてもすばらしかったです。丁寧な踊りで、踊りの動線がなめらかにつながっていて見惚れました。

  第一、二幕の群舞、第三幕の影たちの群舞はどれもよく揃っていて見事でした。影の王国のコール・ドは19日よりも凄味があったと思います。目立ってグラつくダンサーがいませんでした。神入ってたんじゃないでしょうか。

  指揮のオレクシィ・バクランは、興奮してくるとしょっちゅう起こしていたダンサー無視の暴走癖が改善されたようでよかったです。ちゃんとダンサーを見て指揮してました(たぶん)。でも、19日の公演と同様、今日の公演でも、第三幕で興に乗ってきたらしく、客席に聞こえるほど大きな鼻歌を歌っていました。上記のソロルがニキヤを探して現れる場面で「ふ~んふ~んふふ~♪ふ~ふ~ふふ~ふ~♪」

  今日はこのへんで。

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新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』(2月19日)


  新国立劇場バレエ団の『ラ・バヤデール』、直近の公演は2011年1月だったっけか?なんか久しぶりだな~、という気がしたと思った。4年ぶりか。

  第一幕が40分、第二幕が35分、第三幕が40分、休憩時間を含めて3時間弱で上演が終わる、「世界最短」の『ラ・バヤデール』です。

  最近観た『ラ・バヤデール』は、マリインスキー劇場バレエ、キエフ・バレエ、ボリショイ・バレエとオール東側でした。新国立劇場バレエ団が用いている音楽は、西側のバレエ団で用いられてるジョン・ランチベリー版を、ランチベリー自身が新国立劇場バレエ団のために特別に編曲し直したものだということです。

  東側で用いられている音楽とは編曲がだいぶ異なり、また各シーンの音楽がかなり短縮されています。最近観た『ラ・バヤデール』がみな東側のものだったため、編曲の違う音楽、シーンの短さとスピーディーすぎる進行に、最初はかなり違和感がありました。が、観ているうちに慣れました。

  今日は中学校だか高校だかの団体観劇が入っており、制服を着た女子生徒さんたちがたくさんいました。みなお行儀のよい子たちでした。でも、子どもに見せるのに、なにも今日みたいなキャストの公演を充てなくてもいいのに、もったいない、と正直思いました。

  小野絢子さんが踊るニキヤを見て、日本人バレリーナによるこれほどのニキヤを目にできるとは、と感慨深い思いになりました。ガムザッティを踊った米沢唯さんについても同様で、ガムザッティをこれほど踊れる日本人バレリーナを見られる日が来るとは、とこれまた感動。

  米沢さんのガムザッティがまたイヤ~な女でね(笑)。マリインスキー劇場バレエのエカテリーナ・コンダウーロワのガムザッティも相当ヤな女だったけど、それに匹敵するよ。ニキヤの目の前でソロルとわざとイチャつき、動揺するニキヤを見て気味良さげにほほ笑む、ニキヤが毒蛇に咬まれたのは父王のラジャの差し金だと知っているんだけど、ソロルに「どういうことだ!?」と問い詰められても、「えっ?私、知らな~い」と白々しい表情でしらばっくれる。いや~、イイねえ、ワルい女で(笑)。

  第二幕のパ・ド・ドゥのコーダ、ガムザッティの2種フェッテ連続シーン。米沢さんは片脚を高く上げてからアティチュードに移るフェッテを完璧に決めた後、続けてのグラン・フェッテでは2回転を入れて回りました。無理してる感ゼロ。また言うけど、日本人バレリーナでも出てきたよ、こういうガムザッティを踊れる人が。

  新国立劇場バレエ団が上演している牧阿佐美版『ラ・バヤデール』の面白さの一つは、音楽は西側版(ジョン・ランチベリーの編曲版)を用いているのに、ニキヤの踊りの振付は東側版(ロシア、ウクライナ)を用いているとこです。たとえばナタリア・マカロワ版のニキヤの踊りは、西側のバレリーナたちに特化した振付になっています。早い話が難度を落としてある。第二幕のニキヤのソロなんかがそうです。ところが、この牧阿佐美版のニキヤの踊りの難度はロシア系のまんまで、早い話が容赦ないです。

  小野さんももちろんロシア系の振付で踊りました。でも、困難すぎる振りは無理せず易しいものに変えていました。また、第三幕、ニキヤがヴェールを持ったまま回転する踊りの後半、あのクソ難しい片脚ターン2回のところで、小野さんは途中から脚を下ろして両足で回りましたが、これは改訂振付自体がそうなっているのかどうか不明。もう1回観に行くことにしたので、そのときに確認してみます。その前のソロルとのパ・ド・ドゥの途中でも、なんか不自然な間が空いてた気がします。これも次に確かめてみよう。

  …といっても、スヴェトラーナ・ザハロワ、ディアナ・ヴィシニョーワ、エカテリーナ・コンダウーロワ、ナタリヤ・マツァーク、オリガ・ゴリッツァ、エカテリーナ・クリサノワと比べての話です。小野さんの踊りは見事だったし、あれほど安定した技術でニキヤを踊れることに驚くべきでしょう。  

  女性コール・ドは乱れが少し目につきました。第三幕の影の王国、最前列や中央にいるダンサーさんたちは決してグラついてはいけません。信頼されてこその最前列と中央なんだから。

  ソロル役はワディム・ムンタギロフでした。ひょっとしたら今回がソロル・デビューでは?王子役よりは生き生きしてて、ムンタギロフはこういう役のほうが合っているのかもしれないと思いました。役作りのほうは、ソロルというよりはアルブレヒト(『ジゼル』)みたいな感じでしたが。これはムンタギロフが英国で活動していて、英国バレエを踊っていることの影響もあると思います。なんかこう、踊りも演技もソロルっていう人物になりきれていない、そんな印象でした。戦士にしては優しすぎるの。

  ムンタギロフはロシアのダンサーの踊るソロルを見て研究したそうですが、第一幕冒頭でソロルがジャンプしながら登場する出だしは、現在のグリゴローヴィチ版の模倣かいな。

  大僧正がマイレン・トレウバエフでした。こちらもちょっとまだ板についていない感じ。笑かそうと思ってたわけはないのですが、演技が大仰すぎる印象でした。大僧正は演じようによってはすごく深みのある人物になり、物語に奥行きをもたらすことができるので、少し物足りなかったです。

  ラジャ役の貝川鐵夫さんは顔にペンで皺を引きまくってましたが、渋いナイスミドルな長身イケメン王でした。貝川さんというと、どうしても貝川さんの当たり役、アシュトン版『シンデレラ』のウェリントンを思い出して笑ってしまいます。

  第二幕のパ・ダクシオンと第三幕で第2ヴァリエーションを踊った堀口純さん、プティパをここまでダイナミックに踊る人も珍しい(皮肉じゃないよ)。うまく説明できないけど魅力的なんだよなー。なんでだろう?堀口さんが出てくるとワクワクするようになっているわたくし。堀口さんの踊るガムザッティとか、オデット/オディールとかを観てみたいな~、と思いました。

  新国立劇場バレエ団の『ラ・バヤデール』の特徴は、上演時間が世界最短であろうということですが、もう一つ、舞台装置と照明が世界で最も美しいことです。これは断言します。世界のバレエ団が使用しているどのセットと比べても、別格の美しさを持っているでしょう。特に第三幕は筆舌に尽くしがたい美しさ。

  装置・衣装・照明をデザインしたのは、アリステア・リヴィングストンというイギリスのデザイナー。プロダクションの一切は新国立劇場バレエ団のために制作されたものです。2回目を観に行くことにした理由は、あの美しい装置と照明をもう一度見たいからというのもあります。

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スコティッシュ・バレエ団日本公演中止


  以前このブログに書きました、スコティッシュ・バレエ団日本公演(→ ここ )が中止になったそうです(2015年2月9日発表)。

  中止になったのは2015年3月26、27、28日に上演予定だった『ロミオとジュリエット』(クシシュトフ・パストール版)の全日程です。公演中止の詳細については、キョードー東京公式ウェブサイトBunkamura公式ウェブサイト をご覧下さい。

  すでにチケットを購入された方は、購入先によって払い戻しの方法が異なりますので、それぞれの購入先にお問い合わせ下さい。常識的なチケット・エージェンシーだったら、そこの公式ウェブサイトにお知らせが載っていると思いますし、良心的なチケット・エージェンシーだったら、メールなり郵便なりで向こうから連絡してくると思います。

  公演中止の理由については、キョードー東京とBunkamuraの公式ウェブサイトに同一の文が掲載されています(11日に ローソン・チケット公式サイト にも同じ文が掲載されました)。 「都合により中止させていただくことになりました。これは諸事情を鑑み、主催者およびバレエ団との協議により決定致しました。」

  この「諸事情を鑑み」という、意味の曖昧な決まり文句的表現によって、公演中止の理由は堂々と詳しく説明できない類のことだと推察されます。といっても、憶測だけど、たぶん大した理由じゃないと思いますよ。主催者同士の内輪揉めとか、そんなところじゃないですか?

  スコティッシュ・バレエ団は現在、地元組はスコットランドでピーター・ダレル版『くるみ割り人形』(デザインはなんとレズ・ブラザーストン)の公演ツアーを行なっています。海外ツアー組は1月31日、2月1日に中華人民共和国の山東省済南市で、2月5日から7日までは北京市で『ロミオとジュリエット』を上演しました。北京は分かりますが、なんで済南?山東省の省都だけど、田舎くさいとこだぜ(個人的見解)。

  同バレエ団の公式ウェブサイト内には、『ロミオとジュリエット』アジア・ツアーの特集ページがありますが、今のところは中国の済南市と北京市での公演が記載されているだけです。日本公演の予定や公演中止についての告知などは見当たりません。

  しかし一方、公式フェイスブックのほうには、1月26日に"After a fantastic week in Inverness with The Nutcracker, the Company are now busy preparing for an international tour of Romeo & Juliet to China and Japan!"という記事がアップされています。つまり1月26日の時点では、まだ日本公演の話は生きてたってことなので、直後の1月末から2月初めに事態が急展開したことがうかがわれます。

  チケットがもう発売済みで、公演を翌月に控えた時点での公演中止決定ってのは、バレエ公演ではかなり珍しい印象です。

  私が直に経験したのは、一つには2011年4月に開催予定だった小林紀子バレエ・シアターの公演です。理由は震災の影響でした。イギリスから船で運搬途中だった、レンタルした舞台装置と衣装一式の到着が、港湾設備の復旧の遅れと混雑のために公演日に間に合わないとのことでした。このときはお詫びと事情とを記した封書がバレエ団から届きました。

  あとは2011年7月に上演された「バレエの神髄」で、東京公演3回のうち2回が中止になったことです。これも東日本大震災の影響による燃料・資材不足によって、2公演が行なわれるはずだった会場の改修工事終了が公演日に間に合わなかったことが理由でした。主催者は中止を回避するためぎりぎりまで駆けずり回って、代わりの会場を探したけれども見つからず、やむなく中止を決定したそうです。

  「バレエの神髄」2公演が中止になった経緯の前半分は、やはり主催者から郵便でお詫びと事情説明の封書が送られてきて知りました。後半分は事情を知る方からうかがいました。

  逆に言えば、このくらい切迫した理由がないと、すでにチケットを売り出して公演が迫ったタイミングでの突然の公演中止などありえない、もしくは してはならない ということだと思います。

  
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ウェブサイト移転のお知らせ


  今まで利用していたOCNの無料ホームページ・サービス"Page ON"が、この2015年2月28日をもってサービスを終了するため、ウェブサイトを移転しました。移転はもう済んでいます。


  1.2015年2月28日までは、ウェブサイトが二重に存在することになります。以下の2つです。

   "http://www9.ocn.ne.jp/~pellican/"(旧住所)で始まるすべてのページ
   "http://clubpelican.server-shared.com/"(新住所)で始まるすべてのページ
   

  2.2015年3月1日以降は、

   "http://clubpelican.server-shared.com/"(新住所)で始まるすべてのページ

のみ閲覧可能です。

  3.新住所のトップページは こちら です。ここからコンテンツ紹介のページに入ることができます。このブログの左上にある「ホームへ戻る」からもコンテンツ紹介のページに入れます。

  4.ウェブサイト内の全ページはすでに移転が終了しています。サイト内リンクもすべて新住所になっているはずです。ですが、まだ全部は確かめていないので、サイト内リンクが無効の箇所がありましたら、このブログのコメント欄やメール(メール・アドレスはコンテンツ紹介ページ左下にあります)などでご一報いただけますと幸いです。

  5.新住所のコンテンツ紹介ページではカウンタが表示されません。これは、カウンタは旧住所であるOCNのサービスを利用しているので、新住所ではOCNのカウンタが反映されないためです。異常ではないのでご安心ください。移転先で新しいカウンタのサービスを探したいと思いますが、いっそ付けなくてもいいかな、とも思っております。(結局新しいカウンタ付けましたw)

  6.このブログの住所は2015年3月1日以降も変わりません。このブログはgooのサービスを利用しており、もちろんOCNの"Page ON"終了の影響は受けません。

  7.このブログ内の記事に貼った旧住所へのリンクは、2015年3月1日から無効となります。これは修正しきれないので、どうかご容赦下さい。ウェブサイトのあの記事がどこにあったか分からない、という方は、どうぞこのブログのコメント欄やメールでお気軽にお問い合わせ下さいませ。


  ウェブサイトのほうはもう5年も更新していないので、いっそのこと消えるままに任せていいのかも、と思いました。今、10年前の自分が書いたウェブサイトの記事を読むと、すっごい恥ずかしいんですよ(笑)!書いてることが未熟で幼稚だから。でも、やはりまだ消すには惜しい、という未練な気持ちがあります。それで残しておくことにしました。未熟で幼稚でも、自分は自分ですもんね。否定して消すのはかわいそうかな、と。

  移転先のほうでウェブサイト作成ツールを無料で提供してくれているので、書式も少しずつ直していこうと思います。このブログもですが、大多数のブラウザで正常表示されなくなってしまいましたから。

  箇条書きで仰々しく書き連ねたものの、結局URLが変わるだけなのですが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします~

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モスクワ音楽劇場バレエ日本公演


  モスクワ音楽劇場バレエが今年の5月20日から24日まで日本公演を行います(詳細→ キョードー東京公式サイト )。演目はブルメイステル版『エスメラルダ』(5月20、21日)と同じくブルメイステル版『白鳥の湖』(5月23、24日)。

  そのチケットの一般発売日が先週の土曜日(1月24日)だったんです。モスクワ音楽劇場バレエの日本での知名度はそんなに高くないだろうから、チケット取りはさほど苦労せんだろうと思ってました。

  でも、ロシアのバレエ団による『白鳥の湖』は、チケットが確実に売れる鉄板演目です。となれば、『白鳥の湖』だけは早めに取っておかなくてはなりません。それで発売初日に主催元のキョードー東京の公式サイトでチケットを購入しようとしました。この日は土曜日でしたが、仕事で電話をする時間が取れなかったので、ネットで購入する(ほら、ネットならこそこそっとできるからw)しかありませんでした。

  主催元のキョードー東京なら良席を最も多く持ってると思いました。確かに発売開始直後のため、席には余裕があるようでした。ところが、購入前に席番が表示されません。不安になって購入手続きを停止し、試しにチケットぴあのほうを見てみました。

  ぴあは購入前に席番が表示されました。ところが、表示されたのは1列目35番。あのなー、いくら演劇的要素の強いブルメイステル版でも、『白鳥の湖』を1列目の超はじっこで観てどーする。これでは買うなと言ってるようなものです。もちろんキャンセル。

  仕方なくキョードー東京のサイトに戻り、S席を購入しました。でも後で気づいて、しまった!と思いました。会場は東京文化会館大ホールだったのです(購入前に確認しておくべきだった。大バカ)。私が買ったのはS席でした。おそらく1階席でしょう。東京文化会館大ホールの1階席。そう、悪評高いあの2、3、4列目が即座に脳裏をよぎりました。

  直近で東京文化会館に行ったのは、去年冬のボリショイ・バレエ日本公演でした。東京文化会館は改修工事のため長く閉館していて、あれが改修後初めての公演だったそうです。どこをどう直したのか、素人目にはほとんど分かりません。見えるところでは天井板が一新されたようでした。確かに、大地震が起こったときに最も怖いのは天井板の落下ですから。

  でも、1~5列目の傾斜に変化はないようでした。相変わらず1列目から4列目に向かって低く傾斜しているように見えます。

  軽率に買ってしまったけど、もし2、3、4列目の席だったらどうしよう、と一気に不安のどん底へ落ちました。ネットで購入の場合、3日後でないと発券できないそうです。発券までの3日間、もし2、3、4列目に当たったら、いったんキョードー東京に相談してみて、どうしても座席変更ができないのなら、そのチケットは捨てて買い直そうとまで思いつめました。

  そして3日後。セブンイレブンで発券して座席番号がようやく確認できたときの心の声。おお、神よ… 2、3、4列目より後ろの列でした。サイド席だけど中央寄り。わるくはない。しかし、発売直後に意気込んで買ったにしては割に合わん席だな、という感じ。先行で良いのをすでに出したのか、後からじりじりと良いのを出していくのか、一般には最初から良いのは出さないのか。

  結果オーライだけど、一応キョードー東京に電話して聞いてみました(電話は有料)。まず1階席2、3、4列目はS席だそうです。ネットでチケットを購入する場合、席番は購入と同時に決まるのではなく、購入後にあらためて席が割り振られるのだそうで、購入前に席番を知りたいのであれば、電話で購入するのがよいというお話でした。

  座席選択ができない、席番が事前に分からない、電話は有料、キョードー東京は日本の古き良きチケット・エージェンシーの姿を堅持しているようです。でもオペレーターさんのお話では、公演によって席番を事前に表示する場合としない場合があるのだということで、モスクワ音楽劇場バレエは後者の場合に当てはまるんだそうです。

  モスクワ音楽劇場バレエの今までの日本公演は、公演日程や会場に無理がある場合が多い印象です。私が以前に観たのは、2007年のド年末、東京国際フォーラムC(Aだったかな?)ででした。演目は『くるみ割り人形』とブルメイステル版『白鳥の湖』だったと思います。

  しかし、もう正月の帰省ラッシュが始まっていたような時期だったので、せっかくの良質な作品と舞台だったにも関わらず、客の入りがいささか寂しかったのを覚えています。私も帰省しなくちゃいけなかったから、ブルメイステル版『白鳥の湖』を1回しか観られませんでした。すごく見ごたえがあったので残念でした。

  その後にも日本公演があったと思うのですが、…2010年4月中旬らしい。新年度が始まったばかりで疲れ果てている時期で、このときは観劇そのものをあきらめました。

  今回は、公演時期と会場は良いと思います。『エスメラルダ』が上演されるのは5月20日(水)の昼夜2回と21日(木)の昼1回。昼公演は観に行けないし、夜公演も、仕事帰りに2時間50分もの舞台を観るのはきつい。ブルメイステルの作品はドラマ面でも非常に濃密なだけに、気軽に観られる類のものではありません。よって、今回も『エスメラルダ』は観に行くことができないと思います(でもまだ努力してみます)。

  週末の土日に上演される『白鳥の湖』も上演時間は3時間30分(実際には4時間近くになると思います)で、とにかく長い。しかも無駄に長いんじゃなくて、ブルメイステル版はまずドラマとしての構成と演出が良く、振付も良い。加えて、ダンサーたちの演技と踊りも良いでしょうから、とにかく特濃な舞台になると予想されます。テキトーに観て流すことができないので、観客のほうも疲労困憊すること必至です。もちろん思わず集中して見入ってしまうほど見ごたえがあるってことです。

  (ミラノ・スカラ座バレエ団によるブルメイステル版『白鳥の湖』DVDが出ていますが、主演のスヴェトラーナ・ザハロワとロベルト・ボッレを除けば、ミラノ・スカラ座バレエ団の演技と踊りはあんまし良くないです。モスクワ音楽劇場バレエのほうが総合力では断然高し。パリ・オペラ座バレエ団のブルメイステル版のDVDは観たことないので分からん。)

  今度の日本公演の演奏はモスクワ音楽劇場管弦楽団。これも楽しみの一つ。バレエ団の現在の芸術監督はイーゴリ・ゼレンスキーで、マリインスキー劇場バレエの元プリンシパルです。ゼレンスキーの前任者がセルゲイ・フィーリン(現ボリショイ・バレエ芸術監督)なんでしょう?

  モスクワ音楽劇場バレエは良いバレエ団で、良いレパートリーを持っているのですが、このバレエ団にしかない特徴であり魅力であるブルメイステルの作品群の上演が、何かとせわしい日本には向かないところがあると思います。どうしようもないことですが…。

  チケットが確実に売れる『白鳥の湖』を平日に、マイナー作品である『エスメラルダ』を週末に配置すればいいのにと思いましたが、考えたら、『白鳥の湖』よりは上演時間の短い『エスメラルダ』のほうが、平日公演には適しているわけです。それに、楽日の演目はやはり『白鳥の湖』がふさわしいでしょうから。

  最後にもう一度。東京文化会館大ホール1階席の2、3、4列目は絶対に買ってはいけません。改修工事後も1~4列目の傾斜は変わってません。また5列目でも、すぐ前の4列目に座った観客の方がちょっと大柄だったり座高が高かったりすると視界が遮られます。6列目以降が無難だと思います。

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