麻婆豆腐と火鍋

  (陳麻婆豆腐店の麻婆豆腐。食いかけの写真でゴメン)

  水曜日の夜に無事帰国しました。

  午後1時に成都双流国際空港を離陸し、4時前に北京首都国際空港第3ターミナル(←新しくてデカい)に到着、いったん飛行機を降りて、ターミナル内で超特急で出国手続きをし、4時40分に再び飛行機に乗り込みました。飛行機は5時過ぎに離陸し、約3時間のフライトを経て、日本時間午後9時半に成田空港に到着しました(中国と日本は1時間の時差があります)。

  四川省といえば麻婆豆腐の発祥地ですが、更にその本家本元といわれているのが、成都市内にある「陳麻婆豆腐店」です。旅行のガイドブックにも必ず載っているはずです。

  上の写真はその陳麻婆豆腐店の麻婆豆腐です。数人で行ったので、麻婆豆腐を含めていろんな料理を頼みましたが、いの一番に出てきたのが麻婆豆腐でした(笑)。当たり前のように円卓の真ん中にでん、と置かれました。

  日本語の「からい」に相当する中国語は、ふつうは「辣(ラー)」です。ですが、陳麻婆豆腐店の麻婆豆腐は「辣」に加えて「麻(マー)」です。「麻」は「しびれるようなからさ」のことをいいます。

  「辣」と「麻」が合体している最強の辛さですから、麻婆豆腐だけ食べるのは、おおかたの日本人には耐え難いことです。辛さを中和するものが必要なのです。ですから、すぐにお米のご飯を持ってくるように頼みました。

  そしたら、木の樽のおひつに入ったお米が運ばれてきました。中国のお米は地域によって品種が違いますが、日本のお米に特有のねっとり感がないことでは共通しています。運ばれてきたお米は、やはり日本のお米とは違って、ややぱさぱさしている上に、日本で今流行りの「雑穀米」というんですか、雑穀も混じっているようでした。でも甘みがあっておいしかったです。

  それでも、陳麻婆豆腐店の麻婆豆腐を食べる場合に心しておかねばならぬことは、「一瞬の油断が命取りになる」ということです。

  麻婆豆腐を口に運んだら、息を吸い込んだり、しゃべったりしては決してなりません。麻婆豆腐が口の中にあるときに息をすると、麻婆豆腐から立ち昇る辛い空気が呼吸器官に入り込み、必ずむせるからです。そのような場合に備えて、ご飯の他にも、お茶やビールといった飲み物を必ず横に置いておくことが必要です。

  麻婆豆腐にビールでは辛さが倍増するのではないかって?いいえ、中国のビールは一般に薄い上に、陳麻婆豆腐店の麻婆豆腐の前では3歳のガキにも等しい存在感の薄さです。まるで水です。

  陳麻婆豆腐店では、店の味を家庭でも再現できるレトルト調味料(1箱8元=120円くらい)を販売しています。私は以前にも買って、日本に帰ってから作ってみたことがあります。すっごい辛さでした。それで、今回もお土産の分も含めて何箱か購入しました。

  お土産といっても、日本にいる中国人、韓国人、ラテンアメリカ人用です。そう、唐辛子文化圏の人々に渡すのです。日本人にあげても、たぶんあまりの辛さに食べられたもんじゃないでしょう。無理に食べてくれてお腹を壊したりしたら大変です。日本人の友人たちには、無難に「パンダ型チョコレート」、「パンダ型クッキー」を空港の免税品店で買いました(生産地はアモイだったけど・・・)。

  あと辛いものといえば、「火鍋」を食べました。これは四川省が発祥地なのかどうかは知りません。火鍋は中国全土に普及していますし、今は日本の中国料理店でも食べられるのではないでしょうか?

  火鍋は「鴛鴦」といわれる、鍋の真ん中に仕切りがあって、片方が辛くないスープ、もう片方が辛いスープと分かれているのが一般的です。肉や野菜などいろんな具を両方のスープに入れて煮立て、箸や穴あきしゃもじで具をすくい取り、タレにつけて食べます。今回のタレは、たっぷりの油にみじん切りのニンニクが入っているものでした。お好みで香菜のみじん切りを加えます。

  今回食べた火鍋の具は、白菜、青菜、うずらの卵、魚、イカ、太いうどん、牛肉、羊肉、ミニ春巻きみたいなヤツ、鴨血(ヤーシュエ。鴨の血を固めたもの。プルプルしてる)、たぶん牛の胃や腸などの内臓系(←意外とおいしい)でした。後は細かくは覚えてません。火鍋を食べるときは戦場さながらに混乱するのです。鍋奉行なるものは、中国では存在しません。
  
  火鍋の辛いほうのスープは、唐辛子がわんさか浮かんでいる割にはあまり辛くありませんでした。私は辛いほうのスープをメインに食べました。辛いのが苦手な人は、辛くないほうのスープをメインに食べたわけですが、なんだか味がない、と言って、途中から辛いほうのスープを食べ始めました。

  そこは火鍋専門店だったので、店内に入ると匂いからして辛かったです。よほどな人気店らしく、食べ終わって外に出ると、店の外には入店を待つ長い行列ができていました。

  四川料理は一般に何にでも唐辛子が入っています。私は辛いものが嫌いではないので、おいしいと思って食べていましたが、・・・体は正直です。数日経つと、「おしり」が痛くなっていたのでした。それからはあっさりしたものを食べるように心がけました。

  食べ物の話なのに、オチが下品でごめんなさい。
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ごぶさたしてます~

  長いあいだ更新がなくてすみませんでした。このところ仕事がちょっと忙しくて、書く時間も書く気持ちの余裕もありませんでした。

  ここ10日間ほど、ま~た毎晩ほとんど徹夜という日々が続いておりました。とはいえ、別にワタシが大層なお仕事をしているというワケではなく、ただ単に充分な時間的余裕をもって事に臨まなかったので、まったくの自業自得でそうなったに過ぎません(←現に先輩からもそう言われた。おっしゃるとおり)。

  明日から仕事で中国に行ってきます。2年ぶりです。といっても、北京、上海、香港といった大都市ではなく、四川省の成都市というところです。でも、成都市もなかなかの大都市なんですよ。

  四川省は食べ物がなんでも美味いので、仕事よりもおいしい四川料理にありつけることのほうが楽しみです(当たり前か)。四川省といえば麻婆豆腐が有名です。時間を見つけて、麻婆豆腐発祥の店といわれる「陳麻婆豆腐店」に行きたいです。前にも行ったことがありますが、確かに日本の麻婆豆腐とは味がまったく違って、実に美味でした。

  日本の麻婆豆腐は日本人向けにカスタマイズされているので、辛さが足りず、コクがなく、店によっては酸っぱ甘い(←言語道断)ので、私は日本の店で麻婆豆腐を食べるときにはつい身構えてしまいます。成都で久しぶりに本場の味を楽しみたいです。  

  今回は1週間弱の滞在となります。帰国したら、また色々と書きますね。

  それではまた!
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『兵士の物語』テレビ放映決定

  「アダ友情報網」で嬉しいお知らせが回ってきました(どうもありがとうございます~!!!)。『兵士の物語』がWOWOWで放映されることが決まったようです。

  放映日時は2009年12月31日(木)午前11:00から。 WOWOWの公式サイト には、「3つ選べる!マルチな日 アダム・クーパー×ウィル・ケンプ『兵士の物語』(仮題)」と書いてあります。

  「3つ選べる!」というのは、同じく「アダ友情報網」によると、1.普通のカメラ・ワーク、2.アダム・クーパーばっかり映したカメラ・ワーク、3.ウィル・ケンプばっかり映したカメラ・ワーク、の3種類を同時放映することを指しているらしいです。

  「なにそれ!?」と思えますが、要は一部のDVDにある「マルチ・アングル・カメラ機能」と同じなんじゃないでしょうか。「マルチ・アングル・カメラ機能」付きのDVDでは、それぞれ違った角度から撮影した数種類の映像を選んで観られるのです。

  テレビでそれをやるとなると、3つを同時放映するという方法しかないのでしょうね。

  「マルチな日」というビミョーなキャッチコピーはおいといて、とにかくWOWOW様々です。

  大晦日を楽しみに、この年内は楽しく過ごせそうです。年末の大掃除は12月30日までに済ますべし。

  話は変わりますが、台風18号がもうじき上陸するんですね。明日、無事に出勤できるかどうか心配です。でも、無事に出勤できても、無事に帰宅できるかのほうがもっと心配です。

  みなさまもどうかお気をつけ下さいませ。
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今日は中秋節

  今日は「中秋節」、陰暦では8月15日、月がきれいな日です。

  でも、今日の関東地方の天気予報は「雨のち曇り」、夜に月を見ることは叶わないみたいです。残念。

  日本では「中秋の名月」といいますね。

  中秋の名月には、お団子とススキを縁側に飾って月を眺める(←これね)、というイメージがありますが、私の実家ではやったことがありません。たまたまウチがそういうことをやらないだけで、他のお宅はやっているのか、あと地方によっては普通に行なわれているのか、今もって分かりません。

  お団子は飾ったあと家族で食するのでしょうが(おそらく)、真っ白なので味がついていないような感じがします。どんな味がするんでしょうね。

  中国人は「中秋節」には大騒ぎです。「春節(旧正月)」をみても分かるように、現代中国人は昔からの伝統的な祝日を今でも非常に大事にしており、「中秋節」の前後は大いに盛り上がります。日本のクリスマスと同じくらいの熱気です。

  盛り上がるといっても、私の印象では、「月餅」の贈答とそれにともなう「月餅商戦」でにぎわう、という感じです。

  中国の月餅は餡のバリエーションが豊富で、つぶした小豆入り、ドライ・フルーツ入り、ナッツ入り、果ては牛肉入りなどがあり、色々な味を楽しむことができます。

  大きさも、一口サイズから、ケーキのように切り分けて食べる大きめのサイズ(といっても直径6~7センチくらい)まで様々です。

  私は月餅が苦手ではありませんが、あの殺人的な激甘さにはちょっと辟易します。たったひとかけら(半径3センチ、弧2センチ)を食べ終わるのに、大碗1~2杯のお茶を必要とするほどです。激甘大好きな欧米人も唸る甘さだと思います。

  ぎっしりと中につめこまれた餡の中には大量の砂糖が投入されている上に、更にドライ・フルーツ、ナッツ、牛肉など高カロリーなものをまぜこむのですから、甘さもカロリーも最高を極めています。

  健康ブームがグローバルな広がりをみせる昨今、中国人の間でも高カロリーな月餅を食することの健康への悪影響が懸念されるようになり、新聞の健康欄に「月餅を食べ過ぎてはいけない」という啓蒙記事が掲載され、また「低カロリー」と銘打った月餅も売り出されるようになりました。

  更に、西洋のケーキ風な月餅(外側をチョコレートでコーティングしてあったり、餡がクリームだったり)も出てきていて、たとえば中国のスターバックスにはこの時期、こういった西洋風月餅が置いてあります。

  私も食べてみましたが、確かに甘さ控えめで食べやすかったです。しかし、見た目も味も完全にケーキと化しており、いわれなければ月餅だとは分かりません。日本で流行っている、和菓子だか洋菓子だか分からん和洋折衷のお菓子と同じ感じですね。

  今年は中華人民共和国建国60周年に当たります。日本のテレビのニュースでも報じられていたように、建国記念日(国慶節)の10月1日には、天安門広場で大規模な軍事パレードが行なわれました。

  国家主席の胡錦涛は黒い人民服(中山服)を着て閲兵しました。毛沢東や小平の人民服姿はしっくりきますが、胡錦涛の人民服姿には違和感を覚えました。中国の指導者たちは、軍人を除けば、今はすっかりダーク・スーツ姿が定番になっているからです。

  私の周囲の中国人たちも、人民服は別に中国の伝統衣装ではなく、孫文や毛沢東などによる近現代の革命を象徴する衣装であり、そんな人民服は今の時代に合わないのではないか、と言ってました。

  軍事パレードに参加した兵士たちは、男性兵士も女性兵士もみな若く、背が高くてイケメン/美女でした。

  一般兵士たちの中から容姿に恵まれた者を選ぶのだろうと私は思っていたのですが、職場の中国人たちによると、彼らは「儀仗兵」ではないか、ということでした。つまり、軍が関わる儀式や行事に参加することを任としている兵士たちです。

  だから、入隊した時点で容貌、容姿、体型に恵まれているのを選抜して「儀仗隊」の所属とし、もっぱら表情の作り方、姿勢、所作、武器の持ち方(使い方ではなく)、行進の仕方などを訓練するらしいです。

  儀仗兵自体はどの国の軍隊にもいるし、別に珍しくはないです。が、軍事パレードに動員できるほど超大量の儀仗兵が解放軍にはいるのか、さすが中国15億人の大国家、と思いました。

  考えてみれば、解放軍は地方の軍区単位で、専属の歌舞団や雑技団を持っているのだから、全国の儀仗兵をかき集めれば、軍事パレードくらいは悠々間に合うはずですよね。

  久しぶりに「中国だな~」と思わされた数日間でした。

  追記:今は夕方ですが、空は晴れています。ひょっとしたらお月様が拝めるかも。

    但願人長久、 ただ願うのは、人の縁(えにし)は永遠に、
    千里共嬋娟。 遠く離れていても、白く輝くあの月をともに眺められますように。 
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