年の瀬

  あっという間に2005年も終わろうとしています。

  私にとって、今年は「危険な関係」に感動した一年でした。批評家には散々けなされましたが、私は喜んで星5つを進呈したいと思います。クーパー君があれほど深い作品を創り上げるとは、本当に思いもしなかったんで。

  あとは、いろんなバレエ公演を観ました。不思議なもので、観れば観るほど新しい発見があり、そこからまた興味が広がっていくのです。これも結局はクーパー君のおかげというか、彼が狙っていたことですね。バレエに興味のない観客を劇場に来させるという。まんまとはまりました(笑)。

  今年はいろんなジャンルの作品で監督、振付、出演と忙しかったクーパー君ですが、来年はまたどんな活躍ぶりを見せてくれるのでしょう。それがとても楽しみです。早く発表してね(←激烈熱望)。

  そして、この一年、ここのサイトを見て下さったみなさんに、心からのお礼を申し上げます。決して充実した内容とはいえないのに、寄って下さって本当にどうもありがとうございました。

  よいお年を。
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いろいろ

  舞踊批評家のIsmene Brownが「テレグラフ」で、2005年のダンス・シーンについて総括しています(12月24日付け)。「危険な関係」にも触れていますが、残念ながらダメダメ作品に分類されています。以下は引用です。

  「サドラーズ・ウェルズ劇場が作品の製作へと進出したのは喜ぶべき知らせだ。しかし、それはひどい幕開けとなった。出だしの花形ダンス作品の演目は、完璧にすばらしいもののように聞こえた。だが悲しいことに、George Piper Dancesの"Naked"、日本が製作したアダム・クーパーの『危険な関係』、クリスマス公演のマシュー・ボーン『エドワード・シザーハンズ』は揃って、より質朴で厳格な作品を創造させるという、サドラーズ・ウェルズ劇場の批評的役割を損なうものであったかもしれない。」

  「危険な関係」にはわざわざ"Japanese-produced"という頭書きが付けられています。ここに筆者の反日感情が込められていると思うのは私だけでしょうか。

  ちなみに、「今年最悪の観劇体験」は、Peter Schaufussという人の"Diana, The Princess"だそうです。ダイアナ妃役の他に、ちゃんとチャールズ皇太子役とカミラ夫人役も出てきたみたいです。

  話は変わって、上の話にも出たマシュー・ボーンの「シザーハンズ」日本公演が決まりました。上演は2006年8月16日から9月3日まで、会場はゆうぽうと簡易保険ホールです。チケットはS席12000円、A席8500円、B席5500円で、一般発売は3月18日から。
  先行発売もあるので、興味のある方はホリプロチケットセンター(03-3490-4949)までお問い合わせ下さい。

  それから個人的に興味を惹かれたこと。来年の夏に"The Acrobatics SWAN LAKE"なるものが、Bunkamuraオーチャードホールで上演されます。中国のカンパニーによる上演ですが、私は以前に中国の新聞でこの作品の存在を知り、ずっと興味を持っておりました。
  だって、「雑技『白鳥の湖』」と書いてあったからです。普通なら噴き出しておしまいなのですが、ポーズを取ったオデット姫や白鳥たちが妙に美しかったのです。まさか日本で観られるとは思いもよりませんでした。

  私が持っているチラシには、王子の頭のてっぺんにポワントで立って、白鳥アティチュードをしているオデット姫の写真が載っています。よくみるとマヌケな図なんですが、オデット姫のポーズは美しいです。これはぜひ観に行きたいです。
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口笛を吹く者

  「経歴」の番外編を掲載しました。クリスマスでもクラブ・ペリカンは休みまへん!いつも営業中です(不定期休業だけど)。
  
  それにしても、クリスマスというのは不思議な行事ですね。これほど人の心を楽しませ、あるいはどん底に突き落とすお祭りもないでしょう。クリスマスとは一種の試験紙なのです。自分は「幸せ」な人間か否か、という。

  私はアンチ・クリスマス派です。お祭りとは人を楽しませるためにあるのであって、苦しめるためにあるのではない。クリスマスには世の人々みなが神経質になるようです。とにかく絵に描いたようなアイテムで、「まとも」に過ごさなくてはなりません。

  クリスマス・ツリー、ホール・ケーキ、チキン、プレゼント、友人・家族・恋人との団欒、楽しく暖かい雰囲気、これらすべてが揃っていなくては、即座に「寂しい」、「わびしい」、「かわいそう」、「不幸せ」の烙印を押されるのです。

  同じことを去年の日記でも書いたかもしれません。たぶん書いたでしょう。また書きます。神様がいるならば、きっとクリスマスの「幸せ」とは無縁な人々のそばにいて、静かに、そして優しく彼らの肩を抱いているに違いありません。

  いったいチャウは何を書いているんだ、と思われるかもしれませんが、これは「チャウ一人つぶやき系」のカテゴリーに属するものです。私も人間なんで、しみじみと物思いに耽るときもあるんですよ。
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リトル・ダンサー

  映画「リトル・ダンサー」のコレクターズ・エディション版を買いました。特典ディスクの中に未公開シーンや追加シーンが収録されているというので、ひょっとしたらクーパー君の未公開映像もないかと思ったわけです。

  残念ながらクーパー君の未公開映像はありませんでした。でも特典の「ミュージック・セレクション」の中で、映画のラスト・シーンをバックに監督のスティーヴン・ダルドリーがコメントを入れています。以下にその部分を引用します。「リトル・ダンサー」をご覧になったことのあるみなさんは、ラスト・シーンを思い浮かべながら読んで下さい。
  
  「外観はロイヤル・ヘイマーケット劇場、中はノッティンガムの劇場だ。ちょうど撮影当夜はマシュー・ボーンの『白鳥の湖』を上演していた。マシューはとても好意的で、ダンサーと振り付けに協力してくれた。」

  「成長したビリーを演じてるのは、あのアダム・クーパーだ。ラストにはマシュー・ボーンの『白鳥の湖』を使いたかった。全員、男性ダンサーで構成された、まったく新しい解釈の『白鳥の湖』だ。アダム・クーパーの白塗りのメイクも映画に都合がいい。大人になったビリーだと思ってもらいたかったので、素顔は見せたくなかった。メイクのおかげでビリーだと感情移入できる。」

  「舞台裏の緊張感のすべてを余すことなく映画に収めた。そしてアダム・クーパーの跳躍。NGが出た。アダムのせいでなく技術的な問題だ。『白鳥の湖』から『ライド・ア・ホワイト・スワン』へ、これもリー・ホールのアイデアだ。再びアダム・クーパーの姿が映る。美しい連続ピルエット。どうしてもラストにジェイミーを入れたかった。アダム・クーパーの姿と重なるように。」

  本物の「白鳥の湖」公演に便乗して映画を撮影したとは知りませんでした。低予算映画だったというのは本当のことだったんですね。

  未公開シーンと監督のコメントはどれも面白かったです。カットされた映像は、暴力的なシーン、やや性的なシーン、倫理的に問題なシーン、時間的な都合でカットせざるを得なかったシーンのようです。

  ビリーの兄ちゃんのトニー未公開シーンは、監督のダルドリーもコメントしていたように面白いものばかりでした。なんかトニーとビリーが二人して石炭泥棒をやらかした後、トニーが真っ黒になったビリーの顔をぬぐって洗ってやっている。
  ビリーが「お母さんが恋しくない?」とトニーに尋ねると、あの乱暴者のトニーが、ビリーの体をぬぐいながら静かな顔で「恋しいよ」と答える。

  あとは、ダルドリーが暴露したエピソード。ビリーはロイヤル・バレエ・ロウアー・スクールを受験します。ロイヤル・バレエ・スクール側は当初、学校名が映画中で使われることをあまり歓迎していなかったそうです。
  ところが、映画がミュージカル化されると決まった途端に、手のひら返したように態度が軟化したそうです。なぜかというと、ミュージカルのおかげで、ロイヤル・バレエ・スクールへの入学生が増えるかもしれないから(笑)。

  この他にも、撮影の裏話とか、映画のストーリーの背景とかがたくさん紹介されています。クーパー君の未公開映像がなかったのは残念ですが、この映画が好きな方は買っても損はないと思いますよ。  
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うらやましい

  クーパー君の公式サイトによれば、イギリスではこの年末年始、ダーシー・バッセルのドキュメント、映画「ビリー・エリオット」、ボーン版「白鳥の湖」が放映されるそうです。これらにはすべてクーパー君が出演しています。・・・ほほほっ、うらやましくもなーんともなくてよ。ぜーんぶ持っているんだから!

  でも今日、ロイヤル・オペラ・ハウスからメールが来ました。読んでびっくり、こ、これはうらやましい・・・。ウィリアム・タケット振付の「ピノキオ」が年明けにテレビ放映されるそうなのです。
  「ピノキオ」は現在、ロイヤル・オペラ・ハウスのリンバリー・スタジオで公演中で、マシュー・ハートやウィル・ケンプが出演しています。

  うらやましいのは、別に「ピノキオ」が観たいからではないんです。公演中の最新作がテレビ放映される、ということがうらやましいのです。今度放映されるクーパー君の映像なんて、みーんな昔のものじゃない。

  マシュー・ハートやウィル・ケンプのファンは、いま現在の彼らのパフォーマンスをテレビで観られるんですよ。なんてうらやましい!嫉妬の炎が燃えさかります。

  いくらお正月にぴったりな、家族で楽しめる娯楽作だから、とはいえ、「ピノキオ」は早々と放映するくせに、なんで「兵士の物語」は放映しないんじゃい、という不満も高まります。(放送倫理に引っかかるのかもしれませんが。)

  ああ、踊るクーパー君最新映像(できれば生)が観たい!  
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オン・ユア・トウズ

  「経歴」31をなんとか書き終えました。自分で読み返して思ったのは、なんだか「オン・ユア・トウズ」の成功が気に入らないみたいだな~、ということです。
  もちろんそんなことは決してなく、私は今でも「王女ゼノビア」を思い出すと吹き出してしまうし、タイトル・ナンバーの「オン・ユア・トウズ」も、最後の「十番街の殺人」もまた観たいなあ、と思っています。

  でもやっぱり、クーパー君の「オン・ユア・トウズ」の振付はあんまりいい出来ではなかった、という意見に変わりはありません。それなのに褒めまくられたばかりか、賞(「ナショナル・ダンス・アワーズ」)まで取ってしまったのが、なおさら不思議というか、イギリスの批評家たちよ、それでいいのか、と疑問に思うわけです。

  私に言わせると、"Singin' in the Rain"の振付のほうが、「オン・ユア・トウズ」よりもはるかによかったのです。自然で流れるような美しい振付で、群舞の出方も配置もよかった。クーパー君一人が目立とうとしていない、配慮の行き届いた振付でした。

  いちばん大事なことには、"Singin' in the Rain"は、アダム・クーパーの振付家としての意志がはっきり示された振付だったんです。ジャンルの垣根をなくしたい、という。

  だから、賞を取るなら"Singin' in the Rain"で取ってほしかったな、と思うのです(ノミネートはされましたが)。それでまたもや、イギリスの批評家たちよ、てめえらの目はふしあなか、と思ってしまいました。

  拍車をかけたのが、「危険な関係」への批評家たちによる集中砲火です。あの異常な敵意は一体なんなのでしょうね。イギリスの批評家の思考パターンは理解不能です。
  好意的にとれば、ようやくクーパー君も批評家になめられずに、まともに相手にしてもらえる地位になった、ということなのでしょう。振付家はけなされてなんぼですから。

  彼の次回の出演作は何なのでしょうね。早くそれが知りたくてなりません。それが分かりさえすれば、今の「生殺し状態」から脱け出せるのになあ、とため息をついてしまう毎日です。

  もう何回も書いたと思いますが、私は、クーパー君は黙って踊っているときが最も雄弁で魅力的だと思うのです。正直なところ、クーパー君には、ミュージカル出演とか振付とか欲を出さないで、踊れるうちは踊ってほしい、というのが本音です。  
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魔女の一撃

  今日の昼休みに近くの整形外科医院へ行き、腰を診察してもらいました。腰痛が起きた状況を話すと、医者は笑って「魔女の一撃!」と言いました。
  私が「魔女の一撃!?」と聞き返すと、医者は「我々の間の俗語でそう呼んでいるの」と答えました。腰痛を「魔女の一撃」とは、これまた面白い言葉です。

  医者は私の両脚をヘンな方向に伸ばしたり折ったりして診察し、また腰部をX線撮影してもらいました。更に腰に電気を当てる(患部が暖かくなる)治療をしました。

  その後、でき上がったX線写真を見ながら、医者からなぜか色々と説教されました。私の背骨は縦にも横にも曲がっているそうです。姿勢がよくないせいだと言われました。
  でも今回は背骨がおかしいのではなく、くしゃみが原因で筋肉が炎症を起こしたのだろうということでした。

  私は「なんでくしゃみで腰が炎症を起こすんですか?」と尋ねました。そしたら医者は説明してくれましたが、難しすぎて忘れました。なんか「きかい性炎症」、もしくは「きかん性炎症」とか言ってた気がします。
  また、痛みはこれから手足のほうにも来るかもしれない、とも言っていました。人体って不思議ですね。

  医者は「10日間寝てなさい」、「重いものは持つな」、「パソコンはやるな」と実行不可能なことばかり言いました。でもそれが無理な注文なのは、オフィス街に医院を構える医者がいちばんよく知っているようでした。
  腰痛が慢性になるとマズいので、ベルトと薬とこまめな休息でしっかり治すことになりました。腰痛時の正しい動き方と回復後にやる体操のイラスト付きガイドも頂戴しました。
  
  今日の午前中はかなり辛かったですが、炎症を抑える薬と鎮痛剤を飲んだおかげか、現在(夜)はかなり楽になっています。ベルトもしっかり巻いてます。背筋もピンと伸びるし、腹巻代わりに暖もとれるし、一石二鳥ですね。

  寒さが厳しくなって、一年の疲れが溜まっているこの時期、みなさん体を壊しやすいと思います。私は体に異変を感じたら、様子見なんかしないで即効医者に行くことにしています。
  体を壊さないよう充分な休息をとれるくらいなら苦労はしません。それができないからみんな体を壊すんですよね。だったらせめてすぐに医者に行く。これが私の妥協点です。
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ぎっくり腰

  今日(13日)の朝も寒かったです。歯を磨いていたとき、大きなくしゃみをしました。そしたら、くしゃみをしたまさにその瞬間、思いっきり鈍器で殴られたような衝撃が腰の内部に走り、ひどい激痛で立っていられなくなりました。

  洗面台につかまって辛うじて立ちながら、こ、これはいったい何事!?と痛みがおさまるのを待ちました。しかし、体を動かそうとしても痛みで動かせません。腰のあたりにまるで力が入らないのです。

  特に上半身を前に折る、という動作がてんでできません。中腰もダメです。上半身を伸ばすのもあかん。立ち上がったり、座り込んだりも辛いです。

  ズバリこれは「ぎっくり腰」でしょう。

  今日はどうしても休めなかったので、根性で仕事に行きました。ロボットみたいにギクシャクと歩く姿は、さぞヘンだったろうと思います。夜に親(膝の治療で整形外科経験あり)に電話すると、とりあえず痛いところを湿布で冷やすように、と言われました。

  病院に行きたいのですが、今は休めないので行けません。しばらく湿布でごまかすしかなさそうです。

  クーパー君の「経歴」を仕上げようと思っていましたが、ぎっくり腰のせいで今日は無理です。でも今週末までにはなんとかしようと思います。

  それから、東京バレエ団の「ジゼル」の抽選結果がNBSから送られて来ました。今度は「まあいいかな」という席に当たったので、購入しようと思います。
  一応イープラスやぴあでも検索してみましたが、NBSのほうがいい席のようです。人気公演のようですね。出演者については、私は何も知らないのですが。

  ぎっくり腰にはなりましたが、「ジゼル」はいい席が当たったし、クーパー君にクリスマス&新年おめでとうカードも送ったし、まあよしとしましょう。でも腰が痛いよう。
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アダム・クーパーの「お金があったらこう使う」

  あびさんがコメントで教えて下さった、12月8日の「ガーディアン」に掲載されたコラム、"What I'd Do if I had the money"アダム・クーパー編の内容です。あびさんがまたお知らせ下さいました。

(クーパー君の回答)
「僕にとって舞台はもっとも受け入れやすい現実逃避手段で、パフォーマーとして愛すべき対象だ。(It's my first love as a performer)。だから、もしお金があったら、まずすべてを新作の製作につぎ込むだろう。録画とかもしたいし。

 今やっている仕事はビリー・ワイルダー映画が原作のPromises, Promisesなのだけれど、ダンスドラマのレパートリーカンパニーを準備したり、新作を作るというのは本当にすばらしいことなんだ。

 今年の夏に僕自身のプロダクションを立ち上げたとき、最初の作品として『危険な関係』を製作したわけだけど、これは本当に幸運なことに、最高のダンス・アクター達と仕事することができたんだ。もし彼らといつも仕事をすることができたら、より優れたエキサイティングな作品ができるんだけど。

 あと、(ここで唐突に最初の質問に戻る)劇場とリハーサル用のスペースと設備のそろった大きな建物を買いたいよね。そこを拠点にさまざまなショウを海外にも持っていけるように。」
 
(あびさん寸評)
「言っていくうちに想像力に火がついた感じですね(笑)。 
 あと、ロイヤル時代に散々貧乏な台所事情を見てきたので、製作に伴う予算の重大性を身にしみて感じているのかもしれません。

 奇しくもこの前に"Curse Of the Sleeping Beauty"という記事で、ロイヤルの新プロダクションについて述べている記事があったのですが、その際、モニカ・メイスンが『オペラは毎年新作を作っているのに、バレエは古いカツラや衣装をリサイクルしてしのいでいるのが現状で、それだけに今度の新版に失敗は許されない』というようなことを述べていました。

 どうも最近、自分の中で『バレエ=貧乏』という図式ができつつあります。」

  あびさん、どうもありがとうございました!!!腕時計がほしい、とは言わなかったのね、クーパー君(笑)。あと、彼が振り付けた"Promises,Promises"は、この冬の目玉演目として新聞で紹介されていたそうです。
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ちょっと嬉しかった話

  今日は用事があって一日じゅう出かけていました。ある集まりがあったのです。やって来た人々の中には、実に数年ぶりに再会した人もいました。

  会場のある建物のエレベーターに乗り込むと、さっそく見知った顔と出くわしました。その人に会うのは5、6年ぶりでした。
  でもその人はとても気さくな性格で、一応の挨拶を済ませるとさっそく、まるで3日前に会ったような気安い調子で、「最近どう?」と話しかけてきました。

  その人はおしゃべりな人でもあるので、もっぱら私が質問に答える側でした。私には大きな悩みがありますが、その人は私のそれまでの短い答えだけで、瞬時にそれを悟ったようでした。

  私はつい「もうダメでしょう」と弱音を吐きました。その人は首を振りながら「いやあ、そんなこたぁない」とぶっきらぼうに言いました。

  ここまでなら単なる励ましですが、その人はぶっきらぼうな表情のまま、続けて言いました。「でも、よく分かる。あなたの立場で焦ってしまうのは理解できる」とうなづきながら言いました。私「そうですか?」 その人「うん。」

  エレベーターが6階に着くまでの短い会話でした。別に懇切丁寧な言葉で熱心に慰められたわけでもありません。詳細で具体的なアドバイスをもらったわけでもありません。でも、私が悩んでいるのが「よく分かる。理解できる」と言ってもらえて、私はとてもホッとしたというか、救われたような気がしました。

  その人とはそう親しい間柄ではありません。でも、普段からダイレクトな物言いをする人だけに、普通の人なら心で思っていても口には出さないようなことを、素直に私に言ったのでしょう。その人にとっては些細なことでしょうが、私には大きな慰めになったのでした。  
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バレエとミュージカル

  クーパー君の「経歴」の続きを書いています。今は2002年の「オン・ユア・トウズ」初演部分なのですが、資料を読んでいて不思議に思ったことがあります。

  イギリスではバレエとミュージカルのファンははっきりと分かれていて、普段は往来がないのでしょうか。「オン・ユア・トウズ」を「ミュージカル」だと思ってやって来た観客は、かなり戸惑ったらしいのです。

  「オン・ユア・トウズ」をご覧になった方はご存知でしょうが、「オン・ユア・トウズ」には、無言で踊り続けるダンス(バレエ)のシーンが大きなもので二つありました(「王女ゼノビア」と「十番街の殺人」)。

  これはミュージカルではかなり異色なのか、「バレエ素人は困るし冗長に感じるかもしれない」と書かれていたのです。

  私はミュージカルにはうといですが、ミュージカルとは、そんなに形式が限定されているものなのでしょうか。たとえば歌とセリフに比重が置かれている、というように?黙って踊るシーンは皆無なのでしょうか。
  そういえば、夏にロンドンで「メアリー・ポピンズ」を観たときには、すべて歌いながら踊っていたような覚えがあります。ミュージカルでは絶対に歌いながら踊らないといけないのか、非常に疑問です。

  「オン・ユア・トウズ」が特殊なミュージカルなのだとすると、他の「普通の」ミュージカルとはどんな感じなのか、探求しにいこうかと思う今日この頃です(でも「かぶりもの」はイヤなので「キャッツ」と「ライオン・キング」以外)。
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なんだこりゃー!!!

  この前のシュトゥットガルト・バレエ団の公演だったか、ギエムの公演だったか、とにかく公演当日の会場で、来年のボリショイ・バレエ団日本公演のチケット予約申し込みを受け付けていた。これは「2演目セット券」で各々1,000円引きになる。

  そこで申し込んでみたわけ。で、今日、抽選結果通知のハガキが来た。どーやら「当選」したらしい。だが座席番号を見てびっくり、主催者のところで申し込んだのに、なーんでこんなに後ろなの!すみっこなの!セイセイセイセイ!(HG)

  アタマにきてイープラスで検索してみた。そしたら、出るわ出るわ、主催者のところよりはるかに良いお席が!ますますアタマにきてイープラスで買ってやった。

  その後、主催者であるNBSに即刻電話連絡。「良くない席なのでやめます」と言ってキャンセルした。ついでに「会場でNBSさんに申し込んだのに、イープラスよりよくない席になるなんて、これはいったいどういうことですか」と尋ねてみた。
  だが、「販売するチケットが全く違いますので・・・」ともごもご言うだけで、とにかく早く電話を切りたがっている様子だった。

  というわけで、ギエムの「ボレロ」感想のところで書いた、「NBSが主催する公演のチケットは会場で買うのがいい」という言葉は全面撤回します。私は大いに失望しました。NBSよお前もか。なにも、実際に公演を観に来た客に、あんな席を買わせようとしなくてもいいじゃないですか。あんまりだわ~。
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ここはチャウの「不定期日記」です。

  いきなりですが「不定期日記」だけブログにしました。前々から考えてはいたのですが、昨日の土曜日にふときざして一気に作業しちゃいました。
  書くのもアップロードするのも、これでだいぶん楽になります。また、みなさんもよかったらコメントなどつけてやって下さい。
  下にある近所の井戸端会議みたいな内容の日記2条は練習用に書いたものです。自分の記事に自分でコメントをつけているのがかなりアホですが、記念に残しておきます。苦心惨憺の跡が見受けられます。
  クーパー君はまだシェフィールドで"Promises,Promises"の舞台に立ち会っているのでしょう。まだプレビューみたいですからね。今週末あたりが本公演でしょうから、本公演初日からまだしばらくはシェフィールドにいるのでしょうね。
  ところで、クーパー君の公式サイトにあった「クリスマスに向けた郵便物の投函期限のお知らせ」はいったい何ですか?親切なのか図々しいのかよく分からないお知らせです。
  日本からは12日までに投函しないといけないそうです。・・・って、プレゼント寄こせってか?クーパー君、あなたね、私があなたのために、今年いったいいくら使ったと思ってるんですか。私はカレンダーまで買ったんですよ。この上プレゼントまで送らないといけないんですか。いーかげんにして下さい。でもカードは送ろっと。えーと、12日までね(カレンダーに書く)。
  話はまた変わって、シルヴィ・ギエムの「ボレロ」は日本を爆走してますね。期せずして感想をいくつか頂いたのです。またも期せずしてみなさん同じことを書いておられるのが興味深いです。お許しがでたらサイトに掲載させて頂きます。
  ギエムには悪いんですが、私は彼女の「ボレロ」を観てはじめて、彼女は偉大なダンサーだと思いました。
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年末年始

年末年始は一年の中で最もつまらない時期です。いつものテレビ番組はみな特番になってしまい、雑誌も増刊号になってしまいます。となると、みな足を向けるのはレンタル・ビデオ店です。でもいつも先を越されて、面白いのはすでにレンタル中です。
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今日はとても寒くて雪が降るかと思いました。とうとう本格的な冬です。冬といえば、街はもうクリスマス一色です。どこにもクリスマス・ツリーが置いてあったり、クリスマスの飾りを窓に貼っていたり、クリスマス・リースをドアにかけてあります。
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