スコティッシュ・バレエ団日本公演中止


  以前このブログに書きました、スコティッシュ・バレエ団日本公演(→ ここ )が中止になったそうです(2015年2月9日発表)。

  中止になったのは2015年3月26、27、28日に上演予定だった『ロミオとジュリエット』(クシシュトフ・パストール版)の全日程です。公演中止の詳細については、キョードー東京公式ウェブサイトBunkamura公式ウェブサイト をご覧下さい。

  すでにチケットを購入された方は、購入先によって払い戻しの方法が異なりますので、それぞれの購入先にお問い合わせ下さい。常識的なチケット・エージェンシーだったら、そこの公式ウェブサイトにお知らせが載っていると思いますし、良心的なチケット・エージェンシーだったら、メールなり郵便なりで向こうから連絡してくると思います。

  公演中止の理由については、キョードー東京とBunkamuraの公式ウェブサイトに同一の文が掲載されています(11日に ローソン・チケット公式サイト にも同じ文が掲載されました)。 「都合により中止させていただくことになりました。これは諸事情を鑑み、主催者およびバレエ団との協議により決定致しました。」

  この「諸事情を鑑み」という、意味の曖昧な決まり文句的表現によって、公演中止の理由は堂々と詳しく説明できない類のことだと推察されます。といっても、憶測だけど、たぶん大した理由じゃないと思いますよ。主催者同士の内輪揉めとか、そんなところじゃないですか?

  スコティッシュ・バレエ団は現在、地元組はスコットランドでピーター・ダレル版『くるみ割り人形』(デザインはなんとレズ・ブラザーストン)の公演ツアーを行なっています。海外ツアー組は1月31日、2月1日に中華人民共和国の山東省済南市で、2月5日から7日までは北京市で『ロミオとジュリエット』を上演しました。北京は分かりますが、なんで済南?山東省の省都だけど、田舎くさいとこだぜ(個人的見解)。

  同バレエ団の公式ウェブサイト内には、『ロミオとジュリエット』アジア・ツアーの特集ページがありますが、今のところは中国の済南市と北京市での公演が記載されているだけです。日本公演の予定や公演中止についての告知などは見当たりません。

  しかし一方、公式フェイスブックのほうには、1月26日に"After a fantastic week in Inverness with The Nutcracker, the Company are now busy preparing for an international tour of Romeo & Juliet to China and Japan!"という記事がアップされています。つまり1月26日の時点では、まだ日本公演の話は生きてたってことなので、直後の1月末から2月初めに事態が急展開したことがうかがわれます。

  チケットがもう発売済みで、公演を翌月に控えた時点での公演中止決定ってのは、バレエ公演ではかなり珍しい印象です。

  私が直に経験したのは、一つには2011年4月に開催予定だった小林紀子バレエ・シアターの公演です。理由は震災の影響でした。イギリスから船で運搬途中だった、レンタルした舞台装置と衣装一式の到着が、港湾設備の復旧の遅れと混雑のために公演日に間に合わないとのことでした。このときはお詫びと事情とを記した封書がバレエ団から届きました。

  あとは2011年7月に上演された「バレエの神髄」で、東京公演3回のうち2回が中止になったことです。これも東日本大震災の影響による燃料・資材不足によって、2公演が行なわれるはずだった会場の改修工事終了が公演日に間に合わなかったことが理由でした。主催者は中止を回避するためぎりぎりまで駆けずり回って、代わりの会場を探したけれども見つからず、やむなく中止を決定したそうです。

  「バレエの神髄」2公演が中止になった経緯の前半分は、やはり主催者から郵便でお詫びと事情説明の封書が送られてきて知りました。後半分は事情を知る方からうかがいました。

  逆に言えば、このくらい切迫した理由がないと、すでにチケットを売り出して公演が迫ったタイミングでの突然の公演中止などありえない、もしくは してはならない ということだと思います。

  
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