▼18日夜、函館湯の川温泉のホテルで、高校卒業50年と古希を祝う会が行われた。半世紀も経てば、姿かたちも世間の雨風にさらされ、面影などというものはすっかり消え果ている。最後まで思い出さない顔も随分いた。It is no use crying over spilt milk(覆水盆に返らず)?Out of sight out of mind(去る者は日々に疎し)?か。
▼懇親会が始まる前、当時の英語の先生による「ことわざの日英比較」と題する授業が行われた。授業後はもちろんテストだ。英語の諺が12問出て、下の日本語の諺のどれにあたるかというものだ。全問正解は1名、女性だ。lt is never too old tolearn(年を取りすぎて学べないことはない→六十の手習い)かと思いきや、卒業してからずっと英語の勉強をしているという。Never put off till tomorrou what you can do todey(今日できることを明日に伸ばすな)という諺を、心に刻み込んでいる友人に脱帽だ。
▼印象に残ったのは、プロ野球のラミレス監督が、負けた時選手に言う言葉、Tomorrow is another day(明日という日もある)だ。私などは、こんな人生だったなと、我が身を振り返させられた、授業風景だった。
▼さて、そんな授業が待っていることを事前に知っていたのか、友人から、前日に電話がかかってきた。To be,or not to be that is the question(生きるべきか死すべきか、それが問題だ、by hamulet)この名言に、突き動かせられたのか「今回の選挙は、どうしてもアベ政治に注文したいので、授業前に函館市内の繁華街で、街頭演説をしないか」という。
▼電話の友人は、昨年手術して、術後の経過が芳しくない。「アベ総理にこのまま日本を任せていたら、死んでも死にきれない」という。それではと、もう一人、東京在住の友人を誘い、団塊オヤジ三人が「大間原発反対」と「アベ政治を許さない」で、声を上げた。そこになんと、自民党候補の選挙カーが。私は通りすぎるまで、ポスターで顔をかくす羽目になった。その候補は、私が反自民と知っているが、身近で話している政治家だからだ。
▼ラミレス監督の諺もいいが、Strike while the iron is hot(好機逸すべからず)という言葉も好きだ。今回の選挙に声を上げなければ、戦後民主主義教育を受けた私たち団塊世代は、一生悔いを残すことになるからだ。友人の「死んでも死にきれない」という言葉が、私にはシェークスピアの声に聞こえたからだ。
▼自衛隊勤務の友人もいた。「九条に自衛隊を明記するのをどう思うか」。「自衛隊は軍隊だと思っている。自国を守るためなら、死も覚悟している。ただ、今の自衛隊では任務がはっきりしていない。PKOなどでは、隊員が危険に晒されるので、軍隊とした方がよいと思っている」と、答えてくれた。イタリア旅行から帰ってきたばかりだといっていたが、街中に軍隊が自動小銃を持ち、テロの警備していたので安心だったとも付け加えた。
▼2020年東京オリンピック。街中に軍隊が治安を守るというのが当たり前の世の中が、我が国にも迫っているようだ。そんな世の中になると、憲法第21条(表現の自由)も変更され、我々のような考えや行動は、制限されるのだろう。
▼シェークスピアの名言にこんな言葉もある。You gods,will giveus some faults to make us me(神は我々を人間にするために何らかの欠点を与える)。私の多くの欠点は、人間になるための試練だというのが私の解釈だ。だが、アベ総理の解釈は「神は私に、総理の座を与えた。だから私の考えは正しく、私に反する者だけに、神は欠点を与える」というのだろうか。
▼アベ総理と私に共通の諺がある。To err is human to forgive divine(過ちは人の常、許は神の業)だ。さらに二人は、イスラム教徒に近い考えも持っているようだ。Inshallah(神{アラー}の御心のままに)・・・?!。
▼充実し、かつ楽しかった古希の会でした。