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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

衆院選・函館市長動く

2017年10月15日 07時12分02秒 | えいこう語る

▼北海道8区は、民進党から離れ無所属で出馬する逢坂誠二さんに、共産党が候補を見送って応援に出たため、自民党の前田一男さんが、遅れをとっているようだ。3年前の選挙では、逢坂さんが勝ち前田さんは比例で復活している。これまでの対戦で、前田さんは逢坂さんに、2敗しているのだ。今回負ければ、前田さんの国政への夢は断たれるに違いない。

▼まち中の情勢だが、自民の応援隊の上層部にいる人物と話したら、いつもの意気込みは感じられない。さらに、自民党支持者に尋ねたら「アベ総理が長すぎる。彼が総理を降りればいい」と、話していた。こんな選挙状況なら、前田さんは逢坂さんに、はっきり差を付けられそうだ。そんな危機感を意識してか、はるみ知事や自民党のアイドルスター、進次郎さんも応援に駆け付けた。

▼今回の選挙の争点は、多すぎてよく分からない。そこで逢坂さんは「大間原発建設凍結」を掲げた。前回の選挙で、僅差で負けた前田さんが「大間原発で負けた」と、敗戦の弁を述べたからに違いない。そこで前田さんも、今回は「大間原発建設凍結」を掲げた。これは、逢坂さんの作戦勝ちだ。

▼自民の前田さんが、地元で「原発反対」を訴えても、自民上層部に対し、口が裂けても「原発反対」など言えないというのを、市民は知っているからだ。それに、先日、函館市内にある自衛隊基地に、突然パトリオットが配備されたことも、前田さんには不利のようだ。

▼1945年に空襲を受けた函館市民は、米国と共同し、北朝鮮との戦いなど、誰もが望んでいないからだ。パトリオットが配備されただけで、北朝鮮のミサイルの迎撃基地として、戦争へ巻き込まれる危機感が増してきたからだ。これは、前田さん不利に拍車をかけているのかもしれない。

▼こんな選挙情勢下で、前田さんの応援に出たのが、工藤函館市長だ。函館市は国策である大間原発に対し、建設凍結で国を提訴している。だが、最近の函館の活性化事業は、補助金がらみの仕事が多いようだ。前田さんは「予算の獲得は、自民党の私の責任」だというのが口癖だ。市長の応援は、前田さんへの恩返しなのかもしれない。

▼選挙応援で、自民党色が鮮明になった市長。もしかして、前田さんの後釜を狙っているのではないだろうか。今回の解散選挙後、党の再編成などで政局が流動的かつ不安定になりそうだ。もし、アベ総理続投となったら、次は「新憲法作ろう解散」なるものを仕掛け、戦後、総決算の戦いを挑んでくるはずだ。そうなれば、北の玄関口函館城からも、鎧兜に身を包み『市政から国政へ』の旗を持った、工藤寿樹の雄姿が浮かんで来たところで、夢から覚めたのだ。 

▼なぜ、こんな夢を見たかというと、元新潟県知事で、原発再稼働には相当慎重派だった泉田さんが、まさかの自民党から今回の選挙に出馬したからだ。知事時代の泉田さんに、函館市町会連合会が主催する原発反対の市民集会に、講演をお願いする要請文を、私が送ったことがある。返事が来ないので、秘書室に電話を入れると「スケジュールが取れません」との回答だったというのも思い出したからだ。

▼今回の解散選挙で、日本の政治家の信念のなさぶりを、はっきり見せつけさせられた。と同時に、国民主権という憲法の大原則を、自覚することの意義を実感した。さて、今日日曜の、北海道新聞に掲載された榎本武揚の言葉だ。榎本は、函館戦争で負けて命を救われてから、新政府の命令で、北海道各地の産業振興に努めた。その心中を、作家阿部公房は作品「榎本武揚」でこう語る。

▼『まったく、割に合いませんよ。時代が変って、それまでの信念を否定するのだって、やはり新しい時代の、同じ信念ではありませんか。いつだって、正しいのは、その時代の信念だけなんだ』。

▼そういえば大晦日、零時を過ぎた途端「新年あけましておめでとうございます」という。我が国には、新しい時代には、古い信念を捨て新しい信念で、国民はおめでたく生きていこうという、意味もあるのだろうか。