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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

『プロジェクト・IF』

2012年10月06日 11時07分13秒 | えいこう語る
「あなたの生まれはどこですか」と問われたら「メイド・イン・椴法華」と答える。
1948年に北海道椴法華村に生まれた私は、俗にいうUターン組だが、20XX年には、必ずこの生まれた地から冥土へと旅立つので「冥土・IN・椴法華」という意味も含んでそう答えている。
一度、外の生活を経験しているので、目線は3D効果を発揮しているつもりだ。
この村を平地と山と海からの目線で、地域を見ている。村の面積は24万平方km、以前は北海道一小さな自治体だった。
8年前函館市に吸収合併され、人口が30万人と膨れ上がり、市民と呼ばれるようになった途端「アイデンティティー・クライシス」。
簡単にいえば「自律神経失調症」で、自分の立ち位置を忘れてしまったのだ。
この症状は私たち住民より、役場職員のほうが症状が重いのかもしれないが、本人たちは以外にもその症状に気づいていないようだ。
活火山の恵山、豊富な温泉、魚影豊な前浜。
「小さな村から大きな夢を」を地域活性化のテーマにして来たが、人口減少と高齢化は新幹線並だ。
自分の地域を守るのを人任せにし、何も考えなくなるコミュニティーを「痴呆爺体」と表したのは30年程前だが、ひしと実感が迫るこの頃だ。
市町村合併には特例債という特権が付与されているが、単に借金が増えるくらいのものだ。あまり使わないようにとの考えのようだったが、後、百億円ほど貸してくれるので、その枠を使おうというのが函館市の考えのようだ。
※東映映画の始まりのような海。単調な構図にカモメがアクセントを添えてくれる。


それはどうでもいいとして、人口が1,000足らずになった我が村は、いよいよ最後のまちづくり計画の作成に、去年からプロジェクトが始動している。
私もそのメンバーの一人だ。XX年に手の届くところまで来た私には、生まれた地への最後のご奉公だと考えている。
普段真面目に討論するメンバーが集まり、初めての慰労会などというものを開いた。
地元生まれだが、函館市内で会社経営をするKさんが口火を切った。
「もし、この村の人口が500人だったらどうするか」という問いかけだ。
つまり「背水の陣」をしくことで、知恵を搾り出せるという発想だ。
この一言をきっかけに、様々なアイディアが続出し盛り上がった。
事務局担当者は、コップを持つことが出来ないほどメモを取っていた。
「阿武隈共和国独立宣言」という小説が出たらしい。
福島原発事故で「帰還困難区域」に指定された、福島県相馬郡阿武隈村(架空の村)の老人たち(65歳以上)が、日本政府に抗議し、独立を宣言する。
汚染された地域で、自分たちが滅びていく姿を見せるという決心だ。
共和国国歌は「夢であいましょう」だ。憲法は「天皇に関する条項」のみをはずし、後は日本国憲法原文そのままだ。
「脱原発」もせず「国防軍」としたいなどと、憲法改正をもくろむ悪魔の使いのような政治家に対し、真っ向の勝負だ。
かくて東日本大震災から2年後の2013年3月11日、彼らは有楽町の外国特派員会で記者会見を開く予定だという。
「阿武隈共和国」
「もし、こんな地域があったなら」どんなに楽しく生き生きして、人々の共感を呼べることか。
私のまちづくりの基本的考えは「プロジェクト・IF」だ。
「もし、こんなすごく楽しい椴法華村だったら」世界中から人が訪れる村になるという考えだ。
アイディアは前浜のように無限大だ。後は実行あるのみだが。