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鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代半ばのオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2054~いせひでこ

2021-07-07 12:23:22 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、いせひでこです。
絵本作家いせひでこさんの絵が好きです。
「ルリユールおじさん」は何度開いたことでしょう。
今回は、いせさんの作品で気になっていた絵本を2冊鑑賞しました。

①「チェロの木」
内容紹介を引用します。
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木は、見たり聞いたりしてきたことを、歌ったのかもしれない、楽器になって―
森の木を育てていた祖父、楽器職人の父、そして音楽にめざめる少年。
大きな季節のめぐりの中で、つらなっていくいのちの詩。
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祖父が大切に育て、材木にするために切り出した跡が大きな切り株となって残っていました。
少年は年輪を100まで数えたところで眠ってしまいました。
気が付けば少年は祖父の仲間に運ばれて家にいました。
家では父が少年のためのチェロを作っていました。
完成したチェロを父と弾くと、木が体験してきた小鳥のさえずりや風の音が聞こえるようでした。
こうして本書のごく一部を切り取っても「連なっていく生命」を感じます。
大きな自然と、ゆったりした時の流れを感じる素敵な絵本です。
日々の暮らしの中でストレスを感じたときに読むことをお勧めします。
それにしても、ほんわかしていて温かく包み込まれるような絵柄が好き。
水彩絵の具で手早くささーと描いているようにも見えますが、それは長年の修練の賜物。
頭の中のイメージを絵に落とし込むときに、必要最低限の筆の運びが見えるのでしょう。
その上、油絵と違い一発勝負です。
水墨画に通じるものがあると思います。

②「にいさん」
内容紹介を引用します。
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芸術に生き、つよい絆でむすばれた兄と弟、いせひでこが魂をこめて描くゴッホとテオのものがたり。
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弟テオのひとり語りという形でゴッホの生涯が描かれています。
幼き日、テオは兄ビンセントに憧れ、兄は父に憧れました。
ビンセントが画商に就くとテオも画商になりました。
やがて兄は画商を辞めて父と同じ牧師の道を目指しますが断念、絵描きになります。
テオから全面的な支援を受ける兄は次々作品を生み続けます。
テオは送られてくる兄の絵を1枚も売ることができず苦悩します。
そんな中、兄が亡くなります。
テオは黄金に輝く麦の波に兄の姿を探します。
本書ではゴッホ兄弟の表情が描かれていません。
ゴッホ兄弟は、心の底からの笑顔というものを知らずに過ごしました。
その苦悩が刻まれた表情をあえて描かないことで深みのある伝記になったと思います。
油彩で描いたことからも重さや深みを感じました。
あとがきによるといせさんは1990年から世界各地を訪れてゴッホの足跡を辿ったそうです。
妹さんと共著でテオの伝記を翻訳したこともあります。
敬愛するゴッホを絵本にするにはテオ抜きでは語れません。
それなら弟の目から見たゴッホを描いちゃえ、といったところだったのでしょうか。




お気に入りその2053~たくさんのふしぎ20

2021-07-05 12:07:08 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ20です。

毎回3-4冊感想を書いています。
調べてみると今年に入って66冊、通算だと154冊。
まだまだ面白そうな巻があるので続けたいと思います。

①みらくるミルク
出版社の内容紹介を引用します。
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おどろきいっぱい! ミルクの歴史 
人間がミルクをとるために飼った最初の動物は、ヤギでした。
ウシが飼われるようになったのは、8000年ほど前。
長い時間をかけ、人間は動物のミルクを様々に加工して食べることをおぼえました。
その歴史にはおどろきがいっぱいです。
ヤギ、ヒツジ、トナカイ、ラクダにウシ。
人間がほかの動物のミルクを飲むようになり、チーズやヨーグルトなどの乳製品が身近な食べものになるまでを、温かみのある絵でつづった1冊です。
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人間がミルクをとるために飼った最初の動物はヤギだった。
ウシが飼われるようになったのは8000年も前だった。
世界で生産される農畜産物の中で一番たくさん生産されているのは牛乳!
栄養豊富なため雑菌も育ちやすく、殺菌技術や加工技術が発達した。
知っている様で知らないミルクの歴史を学びました。
子どもの頃、近所に牧場があり一升瓶を持って牛乳を買いに行ったことや、祖父の家で飼っていたヤギの乳はクセが強くて飲みづらかったけれどアイスキャンディーにすると美味しく食べられたことなどを思い出しながら読みました。

②ドイツの黒い森
出版社の内容紹介を引用します。
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ヨーロッパのほぼまん中、ドイツの南西部に広がる黒森。
昼でも暗いこの森の中にも、昔から人びとが住みつき、村や町をつくってきました。
深い森の中で、炭を作り、筏で川をくだり、生活に必要なものをすべて森から得ていた人びとの暮らしにおどろかされます。
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「生活に必要なものをすべて森から得ている人びとの暮らし」を丁寧に取材しています。
レストランの女主人は自ら鉄砲を携えて猟に出ます。
大きな双眼鏡はその時期に獲ってはいけない獲物かどうかを見極めるために必要なのだそう。
シカ、ウサギ、鳥などを美味しく食べさせる、まさに元祖ジビエ料理です。
きこりたちは森が健康でいられるように気を使い、伐るべき木を伐り、筏の形に組み、川下に運びます。
森と共生する人々の暮らしぶりがよくわかります。
何より元気な子どもたちがたくさんいて、半分が地元を出るけれど、その半分が地元に戻り文化を継承していることを知り、とても頼もしく思いました。
本書発行から20年以上経ちました。
今も同じだったらいいな。

③聴導犬ものがたり ジェミーとペッグ
出版社の内容紹介を引用します。
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「聴導犬」とは、耳の不自由な人の耳の代わりになってくれる犬のことです。
日本にはまだ少ししかいないのですが、イギリスでは500頭もの聴導犬が、耳の不自由な人といっしょに生活しています。
ジェミーといっしょに暮らす聴導犬ペッグの活躍する姿を紹介しながら、人と犬との関係を考えていきます。
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本書で知ったこと。
・イギリスの聴導犬は指導員が保護犬の中から適正をみて選んでいるそう。
 選ばれた犬は一般の方に預けられ、たくさんの愛情をもらって1年ほど育てられる。
 その後、再度適性をチェックし、難聴者との相性を確認の上、訓練に入る。
 そしていよいよ聴導犬の活躍がはじまる。
・難聴者は外見上判らないため落とし物をしたときに、拾ってくれた人が何度も声をかけてくれても
 気づかず、無視されていると思って背中を強くたたかれたことがあるそう。
・足元で我が子が大やけどを負い、泣き叫んでいても気づかないという難聴者の
・本書では聴導犬が働いているシーンに犬のセリフが入れてある。
 それが実に適切なセリフに思えるし、けなげでとてもかわいらしい。
 知る人ぞ知る、動物の言葉がわかるハイジが通訳してくれているみたいだ。


お気に入りその2052~司馬遼太郎

2021-07-02 12:28:41 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、司馬遼太郎です。

かなり久しぶりに司馬遼太郎を読みました。
近所の郵便局から借りたものです。
郵便局には先代局長が寄付していった書籍がたくさんあり、待ち時間が長い時は面白そうなのを見つけては借りてきます。
今回はその一冊。
「故郷忘れじがたく候」というタイトルの文庫本で中編が数編収録されています。

内相紹介を引用します。
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十六世紀末、朝鮮の役で薩摩軍により日本へ拉致された数十人の朝鮮の民があった。
以来四百年、やみがたい望郷の念を抱きながら異国薩摩の地に生き続けた子孫たちの痛哭の詩「故郷忘じがたく候」他、 明治初年に少数で奥州に遠征した官軍の悲惨な結末を描く「斬殺」、細川ガラシャの薄幸の生涯「胡桃に酒」を収録。
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表題作は、鹿児島県の朝鮮人が帰化した集落を著者が訪れるところから始まります。
彼らは秀吉の朝鮮出兵の際に連れてこられた陶工集団で、代々“白薩摩”と呼ばれる白い陶器を作ってきました。
朝鮮にいた頃のように磁器に向いた土がないため、それに準じた土で白い陶器を作ったそうです。
白い焼き物=美しい=高級品ということと、島津の殿様が量産を禁じ、藩のためにだけ作らせたため、希少価値を生み藩の財政を潤わせましたが、明治以降は藩の後ろ盾を失い現在に至ります。
現在の長が韓国を訪問した時の歓迎ぶりや、著者が推測する朝鮮から薩摩藩まで渡航した事情やルートなどを、とても興味深く読みました。
著者がまるで韓国のようだと感じた集落の風景を見てみたいものです。

次の作品は「斬殺」と何とも物騒なタイトル。
会津藩討伐を仙台藩と共に成し遂げるように、との命を受けた官軍の名もなき武将の話。
人材不足から大抜擢された長州の武将は、なかなか腰を上げようとしない仙台藩の藩主を面罵します。
藩内・藩外の複雑な事情を調べようとせずにひたすら藩主を脅す武将に藩士たちの怒りが向かい、暗殺されてしまいます。
予想通りの幕切れです。
ただわずか100人の官軍とはいえ天皇の命を受けた公家を3人も伴っています。
逆賊となった仙台藩と官軍がその後どうなったかが描かれていなくて残念でした。

最後の「胡桃に酒」は、細川ガラシャが主人公。
細川ガラシャの生涯について興味深い描き方をした作品でした。
これまでキリシタンの細川ガラシャは徐々に禁教化されて追い詰められ、優しい夫である藩主もかばい切れなくなり、配下の者に手伝わせて自害したと聞いていました。
ところが本書では細川藩主の凶暴性とガラシャに対する異常なまでの執着心によるところが大きかったと書いています。
著者はたくさんの文献を調べて書くので、事実無根の創作とは考えられません。
ガラシャ(たま)に関わった者たちを理不尽に切り捨てたというのはきっと事実なのでしょう。
いくら妻が絶世の美女だからといって夫がそこまで狂うでしょうか?
それも結婚後20年経っても変わらないというのは、凶暴さと執着心が持って生まれた異常性格から生じたのではないでしょうか?
そんな男に嫁いでしまった上、実父があの光秀。
最後の拠り所にしたキリスト教が禁教になり、世をはかなんだのではないかという推理。
これが事実ならあまりに可哀そうな生涯です。
衝撃的な作品といえます。

なかなか面白い一冊でした。





お気に入りその2051~カバーアルバム

2021-07-01 12:30:51 | 鬼平
今回のお気に入りは、カバーアルバムです。

カバーアルバムが好きでいろいろ聴いています。
最初の頃のお気に入りは佐藤竹善の「CORNERSTONES」シリーズ。
そして来生たかおのセルフカバー「Visitor」と竹内まりやのセルフカバー「REQUEST」。
これらは何度聴いたかわかりません。
改めていつ頃のアルバムかを調べると1990年代!
30年も前からカバーアルバムを聴いていたのですね。
そうそう美空ひばりの「ひばりジャズを歌う~ナット・キングコールをしのんで」も忘れられません。
お気に入りのラジオパーソナリティ日高晤郎さんが「ひばりは天才」と繰り返すものだから試しに聴いたところ、ナルホド納得!
こちらも繰り返し聴きました。

そして現在。
JUJU、Ms.OOJA、島津亜矢がお気に入りでやっぱり繰り返し聴いています。
30年経っても好みや行動って変わらないものです。
もうひとつ変わらないのは新しいカバーアルバムを物色すること。
お気に入りが増えることってうれしいですから。
今回チェックしたのは奇妙礼太郎の「東京ブギウギ」とクミコの「友よ!」、そしてCrystal Kayの「I SING」の3枚。
どれも独自の世界観が魅力的なカバーアルバムでした。

「東京ブギウギ」の内容紹介を引用します。
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ライヴが人気のスイング楽団による、洋邦取り混ぜた古今の名曲をカヴァーした一枚。
忌野清志郎の流れを汲む彼の飄々とした歌声が「赤いスイートピー」や「ダンスホール」とは好マッチ。
一方で、「Moon River」や「Fly Me To The Moon」は、英語の発音が消化不良。
編曲が面白いだけに惜しまれる。

1.Love Me Tender(2分50秒)
2.東京ブギウギ (3分25秒)
3.オー・シャンゼリゼ (5分22秒)
4.上を向いて歩こう (3分33秒)
5.THE TENNESSEE WALTZ(2分59秒)
6.Beyond the sea(4分6秒)
7.Georgia On My Mind(6分13秒)
8.Moon River(2分22秒)
9.I Will(1分46秒)
10.Fly Me To The Moon(3分46秒)
11.赤いスイートピー (4分29秒)
12.枯葉 (3分40秒)
13.愛の讃歌 (4分11秒)
14.ダンスホール (4分45秒)
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アルバムを聴いた後に内容紹介を読んで納得。
「忌野清志郎の流れを汲む彼の飄々とした歌声」ってのは言い得て妙。
ちょっぴり似ていることを「流れを汲む」と表現するとはかっこいいですね!
ただ内容紹介と違い「赤いスイートピー」より「Moon River」の方を高評価しました。
英語の発音なんて私にはわかりませんので、フィーリングが合ったからという単純な理由。
彼は他にカバーアルバムを出していないようですが、次を期待しちゃいます。


「友よ!」の内容紹介を引用します。
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クミコ、待望の邦楽カヴァーアルバム第2弾!
彼女が、全ての同世代に向けて歌う「青春の夢のかけら」とも言えるような選曲。
あの頃を思い出させ、疲れた心を再び甦らせる…そんな渾身の1枚が完成!

1.ブラボー!(4分39秒)
2.東京 (4分34秒)
3.熱き心に (4分46秒)
4.制服 (6分4秒)
5.大阪で生まれた女 (5分13秒)
6.旅立ち (3分37秒)
7.あの唄はもう唄わないのですか (4分53秒)
8.裏切りの街角 (3分52秒)
9.私はもう女です (6分1秒)
10.君に捧げるほろ苦いブルース (5分20秒)
11.いつのまに… (4分47秒)
12.友よ (1分33秒)
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内容紹介を読んで第2弾であることを知りました。
それなら第1弾もぜひ聴こう、という気があまり起きません。
クミコさんの歌はどうも重すぎます。
ドラマを感じさせてくれるのは良いのですが、私には合いません。
ドライブのお伴や料理のBGMとして聴きたいのです。
なかなかお気に入りって増えないものです。


「I SING」の内容紹介を引用します。
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キャリア初のカヴァー・アルバム。
レミオロメン「3月9日」や斉藤和義「歌うたいのバラッド」などの先行曲のほか、平成から令和にかけてのヒット曲をファンからのアンケートを元に選曲。
彼女ならではの圧倒的歌唱力が映えるリッチな仕上がりとなっている。

1.楓 (5分23秒)
2.ただ…逢いたくて (5分37秒)
3.3月9日 (4分23秒)
4.I LOVE...(5分2秒)
5.なんでもないや (movie ver.)(5分37秒)
6.すき (3分56秒)
7.天体観測 (4分49秒)
8.瞳をとじて (5分42秒)
9.歌うたいのバラッド (5分20秒)
10.サウダージ (4分41秒)
11.One more time,One more chance(5分39秒)
12.白い恋人達 (4分41秒)
13.I LOVE... (Uptempo Ver.)(4分36秒)
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これはいい!
ドライブのお伴にぴったりです。
彼女の魅力的な声質やリズム感でぜひ歌って欲しいという曲をファンに選曲してもらったのが良かったと思います。
時には口ずさみながら気持ちよく聴くことができます。
恥ずかしながら曲の半分ほどは知りませんでしたが、今はすっかり気に入り、ドライブBGMの定番です。


そういえば先日FMで紹介されていた上白石萌音のカバーアルバム、なかなか良かったです。
7月に届くはず。
全曲聴くのが待ち遠しいです。