元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「僕の彼女のボーイフレンド」

2007-07-10 06:46:48 | 映画の感想(は行)

 (英題:Cheaters)第21回福岡アジア映画祭出品作品。自称プレイボーイの会社員が、なかなか煮え切らないガールフレンドの女子大生に対して苛ついているエピソードをきっかけに、実は彼女は二股かけていて、彼も結婚していて・・・・といった、四角関係どころか六角関係にまで発展する複雑な恋愛模様を描くパク・ソンボム監督作。

 観終わって呆れた。あまりにもレベルの低い映画である。序盤の、会社員と女子大生のアヴァンチュールの場面からして、今どき香港映画でも恥ずかしくてやらないようなクサい芝居とわざとらしい展開に閉口。演出のリズムも思いっきり悪い。さらに登場人物が増えるにしたがって、このクサさは幾何級数的に増大してゆく。

 中盤より、彼らが別のパートナーと付き合っていることを、前の画面を別の角度から描くことによって繰り返して描くが、これが映画技法的に面白いかと言われれば“まあ、面白くなることもあるだろうね”と答えるしかない(脱力)。しかし、これが見事なほど面白くないのだから(爆)、製作陣は何をやっているのかと文句の一つも言いたくなった。

 これは作劇上の工夫でも何でもなく、単なる“過剰説明”だ。暗示や伏線をまったく無視したバカ丁寧な“種明かし”を漫然とやっているから、四角関係でいいところを六角関係のような奇を衒っただけのネタも考え無しに挿入して恥とも思わないのだろう。

 キャストも最悪で、もはや各俳優の名前も挙げる気にならないが、どいつもこいつも魅力のカケラもない。特に女性陣は、全員が“あまり仕事の来ないAV女優”みたいな品の無さだ。いつから韓国映画界はかくも若手女優の質が落ちたのかと、暗澹とした気分になってきた。

 その代わりと言っては何だが、ベッドシーンだけはやたら多い。一般公開ならばR15とR18との境目ぐらいの扇情度だ。映画祭のホームページにはレイティングの記載がなかったが、少し考えて欲しいと思う。

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