元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「勝手に死なせて!」

2013-04-09 06:33:36 | 映画の感想(か行)
 95年作品。ブラジルに単身赴任していた一家の主(風間杜夫)が交通事故死。遺体となって帰ってきた。ところが葬儀の仕方を巡って妻(名取裕子)と親戚連中の意見が対立。さらに死体を横取りしようとする愛人(立河宣子)やヘンな葬儀屋などが入り乱れ、事態は紛糾する。果たして無事に葬儀は行われるのか。

 ハッキリ言って全然面白くない。監督は「ひき逃げファミリー」(93年)などの水谷俊之。あの映画もヒドかったが、それから2年経って作ったこの映画もほとんど進歩していない。伊丹十三の「お葬式」と森田芳光の「家族ゲーム」を合わせたような設定ながら、こうも低級なシロモノしか作れないとは、この監督には才能が欠けていると言わざるを得ない。



 どこがヒドいかと言うと、作者は登場人物を人間として扱っていない点である。こういうシチュエーションではどういうリアクションを起こすか、という掘り下げが全くなく、いかにも頭の中で考えただけのような薄っぺらで何も考えていないキャラクターが画面をウロウロする様子は観ていてウンザリする。

 まさかコメディだから何を描いてもいいと思っているのではないか。見た目がマンガ的で面白ければそれが即映画の面白さにつながると思っているのでは? 喜劇映画はいかにキャラクターが観客の共感を呼べるかが勝負なのだ。テレビの一発芸や4コマ漫画のネタみたいなもの(それも品がなく、まったく笑えない)を上映時間1時間半にいくら羅列しようとも、全然映画にならない。

 演技面ではほとんどコメントするところはないが、あえて言えば石橋けい扮する長女のキャラクターの不快さは特筆もの(?)。スクリーンに火をつけようと思ったほどだ。まあ、立河宣子のナイスバディぶりはよかったけどね(この人も今は引退しているけど ^^;)。

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