元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

パソコンに縁遠い若年層

2016-07-11 22:07:55 | その他
 5年あまり使っていたノート型パソコンが故障し、なおかつ修理に多額の費用が必要であることが判明したため、先日思い切って買い換えた。新しいパソコンはSSD(ソリッドステートドライヴ)を搭載しているためか、起動時間が感動的なほど短い(笑)。これならば急を要する処理も何とかなりそうだ。

 さて、この間取引先の新入社員と雑談していたとき、私が“自宅のメールアドレスは・・・・”と言うと、相手は怪訝な表情をして“自宅のメールアドレスとは一体何ですか?”と聞いてきたのには面食らった。私が“当然、自宅にネット接続用として置いてあるパソコンのメールアドレスのことだよ”と言うと、“ああ、パソコンをお持ちなんですか。すごいですね”と真面目な顔で答えたのには驚くしかなかった。

 コイツは目上の者をバカにしているのかと一度は思ったが(苦笑)、周りの者に聞いてみると、近頃の若者が同じような物言いをするのは珍しくはないのだという。つまり、パソコンを持っておらず、触れる機会も少ない若年層が増えつつあるらしいのだ。

 昨年(2015年)に毎日新聞に載った記事によると、若い世代での“パソコン音痴”が増加し、IT企業ですら新入社員が使えず困っているケースもあるという。原因としてスマートフォン(スマホ)の普及や、親・学校のパソコンへの理解不足が挙げられるが、不況によって経済的に苦しい家庭が増えていることも見逃せないらしい。

 内閣府の調査をはじめ、この傾向は各種統計からも明らかで、諸外国に比べると今や日本の若者にとってパソコンは縁遠いものになっている。ただし、いくら学生時代はスマホで用は足りていたといっても、社会に出ればパソコンを使えなければ仕事はできない。

 では、各企業で若手社員に対してパソコン操作(ワープロや表計算ソフト等の使い方)に関して必要な訓練を行えばいいのではないか・・・・という単純な話にはならないのである。

 同じネット接続用途でもスマホとパソコンとでは大きく使い勝手が異なる。スマホは長い文章を推敲しながら作成することには向いていない。せいぜいSNS上で単文を羅列するぐらいの使い道しか無く、ましてや対象に多岐に渡る論考を加えながら文章を書くなどということは、埒外の事柄である。スマホしか扱ったことがないというのは、物事を筋道たてて考察する局面に接することが少ないということでもあるのだ。

 そんな“物事を深く考える機会が少なかった学生”に対して一からパソコンの操作方法を教えようとしても、出発点のレベルが“その程度”であれば、使いものになるまでにはかなりの時間と労力を要する。企業にとっては負担が増えるばかりだ。

 経済的な事情でパソコンが買えない学生が多いという事実が変えられない以上、学校側でフォローするしかないだろう。だが、それが十分だという話も聞いたことがない(もちろん一部の有名大学では状況は異なるだろうが)。昨今は若い衆を“ゆとり世代”だの何だのとビジネス現場で揶揄する向きがあるようだが、若者の“パソコン離れ”は、それ以上に深刻だと思う。

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