元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「コフィー&カリーム」

2020-04-18 06:47:45 | 映画の感想(か行)
 (原題:COFFEE & KAREEM)2020年4月よりNetflixで配信。かなり荒っぽくて品の無いアクション・コメディなのだが、けっこう楽しんで見ることが出来た。作り手が“これで良いじゃないか”と開き直っている様子が明白で、つまりは“決して多くは望まない”という次元で大々的に展開している点が頼もしい。

 デトロイト市警のジェームズ・コフィー巡査長はシングルマザーのヴァネッサと交際中だ。しかし、彼女の12歳になる息子カリームはコフィーのことが気にくわない。いつか脅して母親と別れさせようと画策している。一方、人気ラッパーのオーランドは、つい出来心で麻薬取引に手を染めてしまうが、市警のワッツ刑事のガサ入れによりあえなく逮捕。だが、移送途中で脱走する。



 その頃カリームはコフィーを脅迫するためにゴロツキを雇おうと、裏町にあるジムに出掛けるが、そこでオーランドの仲間が警官を殺害している場面を目撃。そこから逃げ出したカリームだが、うっかりスマホを落としてしまう。そのスマホから身元がギャングにバレてしまい、カリームは居合わせたコフィーやヴァネッサともども命を狙われるハメになる。

 とにかく、セリフの汚さに圧倒されてしまう(笑)。下ネタに関する放送禁止用語が、おそらく10秒に一回は飛び出してくるのだから呆れる。カリームに扮する子役のような年少者が出演して良いのかと心配になるほどだ。ただし、これが意外と笑いのツボに入るのだから我ながら情けない。

 マイケル・ドースの演出は泥臭く、ギャグも使い古されたものばかりだが、繰り出されるタイミングが侮れないのでウケる。話は単純に見えて中盤からは二転三転、ラスト近くには真の敵の首魁が現れる。作りは垢抜けないが、脚本は健闘していると言えよう。とはいえ、喜劇にしては血糊が多い。人がバンバン死んでいくし、終盤にはスプラッタ場面もある。そのあたりを“冗談”として受け流せるかどうかで、見る者の評価が分かれてくると思う。

 コフィー役のエド・ヘルムズとカリームを演じるテレンス・リトル・ハーデンハイのコンビは絶妙で、親子ほど年が離れていながら立派な“相棒”である。ヴァネッサに扮するタラジ・P・ヘンソンも好調だ(特に、ギャング2人を一人でやっつけるシーンには拍手を送りたくなった)。ヒップホップ中心の楽曲の使い方も悪くない。
コメント
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