元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「マネキン2」

2015-02-01 06:33:10 | 映画の感想(ま行)
 (原題:MANNEQUIN ON THE MOVE )91年作品。かわいいマネキン人形が本物の人間になって、ドシで夢見がちな青年とめでたく結ばれるというファンタスティックなストーリーが受けた前作(私は未見)から4年、装いを新たに作られたパート2である。とはいっても、ストーリーがつながっているわけではなく、実質的にはリメイクだ。

 舞台はフィラデルフィア(だと思う)。デパートに勤める若い主人公(ウィリアム・ラグスデイル)は、ヨーロッパの小国ハウプトマン・ケーニヒ王国から送られてきた一体の人形に一目惚れしてしまう。だがこの人形は、1000年前のある日、身分不相応な王子と恋に落ちたために呪いをかけられ、人形に変えられた農家の娘だった。真実の愛にめぐりあったときに初めて、彼女の呪いは解けるというが・・・・。



 はっきり言ってまったく期待していなかったのだが、意外とこれが楽しめた。内容は能天気なSF(なんだろうなあ、一応)コメディでたわいのないお手軽映画には違いなく、ストーリー展開に無理な部分もあるが、「アドベンチャー・ファミリー」(76年)や「フィラデルフィア・エクスペリメント」(84年)などのスチュアート・ラフィル監督は特撮場面やアクション・シーンのツボを抑えており、ラスト近くになってくると盛り上がるのは、やはりアメリカ製娯楽映画は信頼のブランドだと感心してしまった。

 実は、私は本作を91年の東京国際映画祭で観ている。その時は主演のマネキン(実は人間)を演じるクリスティ・スワンソンの舞台挨拶が行われた。映画の中ではかわいらしさが印象的だったが(どこかバービー人形に似ている)、上映前に挨拶に出てきた実物のスワンソン嬢は大人の魅力を漂わせた(別の言葉でケバイ、とも言う ^^;)女優だったので少しびっくりした。

 テーマ曲に第一作と同じスターシップの“愛は止まらない”が使われていたが、当時はこのバンドに代表されるような“産業ロック”の全盛期だったことを思い出す。あの頃は軽薄なムーヴメントだと思っていたが、今聴き直すとそんなに悪くない。肌触りの良いメロディラインというのは、いつの時代も訴求力が高いことを再認識した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする