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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「WATARIDORI」

2011-04-11 06:33:53 | 映画の感想(英数)
 (原題:Le Peuple Migrateur )2001年作品。100種類を超える渡り鳥の生態を丹念に追った記録映画だ。監修を務めたジャック・ペランはかつて「ミクロコスモス」で昆虫の世界を描いてみせたが、渡り鳥をネタにした今回の作品は、前回よりも格段に製作の困難を伴ったであろうことは想像に難くない。2002年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート作品でもある。



 それを克服したスタッフの努力にただただ感服するのみである。正直言って、この作品に対して“展開がどうの”とか“テーマはこうだ”とか言及するのは野暮であると思った。ここには環境保全を主張するようなワザとらしいナレーションも、鳥の生態を必要以上に紹介するような教条主義的コンセプトもない。観客は単純に映像の素晴らしさを堪能すればよく、そのためには散見されるヤラセなど無視してOKだ。

 ブリュノ・クーレによる音楽も実に心地良い。またニック・ケイヴの楽曲と共にロバート・ワイアットのナンバーが採用されていたことには驚いた。言うまでもなく往年の先鋭的なジャズ・ロックバンド「ソフト・マシーン」のドラマーであり、今も活動を続けている英国ロック界の異能だ。こんなところで名前が出てくるとは思っていなかった。
コメント
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