元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ラッキーナンバー7」

2007-01-20 07:29:19 | 映画の感想(ら行)

 原題は“LUCKY NUMBER SLEVIN”であり、題名のどこにも“7”という数字は出てこない。こんな苦し紛れの邦題を付けるより、劇中のキーワードになる“カンザスシティ・シャッフル”あたりをタイトルにした方が数段スマートだったろう。最近の配給会社のセンスはなっとらん!(笑)

 さて、本作は「ユージュアル・サスペクツ」や「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」に通じる複雑な構成を持つゲーム感覚の犯罪映画。しかし、プロット面が要領を得ないこともあるが、鑑賞後の印象は上記二本に比べて悪い。非常に陰惨な感じを受けてしまう。何より、登場人物および展開に“軽やかさ”がないのだ。

 ジョシュ・ハートネット扮する主人公の青年を拉致する二つの犯罪組織は、元はひとつだったが幹部の仲違いから分裂し、今では通りを挟んでにらみ合っている・・・・という設定こそ面白いが、あとは血で血を争う抗争のプロセスを暗示させるようなモチーフが続き、犯罪組織を手玉に取ろうとする側の手口も残虐で愛想がない。そして事の発端になった“ある事件”の経緯が“これ以上はない”というほどに救いようがない。終盤近くにどんでん返しが続くごとに嫌な感じが増してゆくような気がする。

 ストーリーは一見スジが通っているようで、よく見ればかなり御都合主義的なところがあり(具体的に指摘するとネタバレになるのでやめとくけど ^^;)、ラストのオチも取って付けたような印象が否めない。

 出演はハートネットのほかにブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ベン・キングズレー、ルーシー・リュー、スタンリー・トゥッチ、ロバート・フォスターなどの多彩な面々が顔を揃えるが、どうもパッとしない。ギャングのボスに扮するフリーマンとキングズレーは、ハッキリ言って損な役回り。思わせぶりにスクリーン上をうろつくウィリスは相変わらずの大根だし、掟破りの“ぶりっ子演技(笑)”で観客の予想を裏切るルーシー・リューも頑張ってはいるのだが、あの御面相ではちょっと無理があったりして・・・・(ファンの人ゴメン ^^;)。

 ポール・マクギガンの演出は可もなく不可も無し。まあ“ヒマつぶしに見るには良い”といった感じの作品だろう。
コメント
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