日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開催し、春場所で3度目の優勝を飾った関脇照ノ富士の大関昇進を全会一致で承認しました。
大関の座を手放し、一時は序二段に陥落の“地獄”を経験しながら、再び戻ってきた史上最大の復活劇です。
序二段まで落ちて大関に復帰するのは史上初。
伝達式で「謹んでお受けいたします」とシンプルな口上を述べ、「本日は誠にありがとうございました」と続けた
2015年夏場所で
初優勝し、23歳で大関に昇進して横綱昇進も期待されました。
しかし、その後は両膝のけがや内臓疾患に苦しみ、約2年半で陥落して番付は落ち続けました。
連続休場を続け、番付は西序二段48枚目まで陥落し、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)に何度も「やめさせて下さい」と伝えました。
師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)は「やればできる」と首を縦に振りませんでした。
師匠や周りの支えもあり、19年春場所で復帰の土俵に立ちました。
以降勝ち越しを続け、再入幕を果たした昨年7月場所では、幕尻から奇跡の復活Vを飾りました。
春場所優勝し、師匠の伊勢ケ浜審判部長から優勝旗を受け取る照ノ富士
土俵下での優勝インタビューでは「応援がなかったら、(大関に)戻ることができていなかった。これからもよろしくお願いします」とファンへ感謝の言葉を述べました。
復活劇と謙虚な態度に国技館は大きな拍手に包まれました。
「辞めなくて良かったか」と問われると、10秒の間を置いて「そうですね。良かったです」と言葉を振り絞りました。
最高の笑顔で応える照ノ富士
モンゴル出身ですが日本的心を持っていて、応援したくなります。
日本国籍取得に向けて準備を進めているようです。