ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

104、ニューヨークの灯台

2008年02月12日 | Weblog
1974年から1985年頃まではよく旅行に行きました。
特に独身時代の70年代は3ヶ月に1度くらいは旅に出ました。(まさに、寅さんです。)
私が良く利用したのはバスと電車で、車ではあまり遠出はしませんでした。
バスや電車は日本の周遊券のようなパスがあって1週間とか2週間乗り放題でした。
「グレイハウンド」や「コンチネンタル」のバス会社、「アームトラック」の鉄道会社が発行していて、1週間200ドル、2週間300ドル位だったと思います。

「今度は何処へ行こうか」と地図を見ながら計画を立てるのは楽しいものです。
アメリカは広大ですがバス路線はかなり細かく組まれていて、田舎の小さな町にも行くことができます。
不思議なもので、行く前はうきうきと楽しく計画を立てますが、1週間もするとニューヨークが恋しくなってきます。
あの雑踏が懐かしくなります。
そして、旅行を終えニューヨークに向かうバスの窓からマンハッタンのビル群が見えると「ああ、帰ってきたんだ」とほっとしたものです。
まさに“ふるさと”に帰って来たように感じました。(寅さんにとっての柴又のようです)

そのビル群の中でも真っ先に見えるのがマンハッタンの南端に建っていたワールド・トレード・センターでした。
マンハッタンはアメリカ大陸の東の端に浮かぶ島です。
大陸からマンハッタンに向かうバスはニュージャージー・ターンパイクを北上しリンカーン・トンネルを潜って42ndと8thAveの「ポートオーソリティー・バスターミナル」に着きます。
ニュージャージー・ターンパイクを北上するバスからは必然的にトレードセンターが最初に目に入ります。
それは、まさに灯台のようにそびえていました。
そのトレードセンターが今は無くなってしまい、マンハッタンの風景も変わってしまいました。

いつも私を迎えてくれたトレードセンターで、その後自分が働くことになるとは当時は思っても見ませんでした。
(トレードセンターでは1986年から帰国する1993年まで働きました。)
  *ニュージャージー・ターンパイクは州間高速道路I-95の一部でニュージャージー州での呼び名です。