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バビル3世ブログ(将棋、書籍他) 

最近では、将棋ネタが多く特に詰将棋ネタが多いですね。
まあいろいろ書きたいんですけどね。

吉村達也さん 逝去 (王様殺人事件)

2012-05-15 08:21:15 | 将棋

昨日 ヤフーのニュースで作家の吉村達也さん逝去というのを知りました。

吉村さんといえばまず 伊藤果さんとの共著 王様殺人事件を思い出します。

この本は、単行本と文庫本も出ていますが、なかなかの傑作です。 このころは、バビル3世でamazonレビューを書いていませんでしたが 今書くとすれば★5つです。

この本には、伊藤さんの傑作が多数載せられていますが 2部の対談のほうで吉村さんの傑作2作が載せられています。 答えは、書いていませんでしたのでいま検証してみます。自力で解かれる方は、局面は簡単ですので、挑戦してみてください。2問目は結構たいへんです。

この作品は、11手詰みですが7手目が気がつきにくい手です。

▲2九金△同王のあと3八に角を打つのか銀を打つのか迷うところです。まず浮かぶのは角を打って△1八王に▲1九銀△同王▲3九竜の筋で詰みというのが見てますので、角打ちを考えますが△2八王と逃げられると筋は▲1九銀なのですが△同竜で空き王手も大ゴマ2枚だけでは捕まらないように見えます。

そこで3手目▲3八銀を考えますが詰みそうで詰まない。 そして再び3手目▲3八角にもどり考え ▲4九角と引く空き王手で捕まっていることに気がつきました。この手は見えにくいです。

最初から ▲2九金△同王▲3八角△2八王▲1九銀△同竜▲4九角△1七王▲3七竜△1八王▲2七竜 ・・・・まで11手詰み

なかなかいい作品でした。

 

2つ目の作品。

これまた簡素。 対談のなかで 創作のとき銀合いしかないのがわかったのでひらめいたとありました。なんのこっちゃと思いました。

昔 一度挑戦したことがあったのですがまあすっかり忘れるのが今日この頃ですから。

9九の王にそのままアタックしてもなかなかうまくいきません。

そこで▲9八金と打って△同王に▲5八竜と王手すると真相がわかります。銀打ち以外では、▲9六竜と回られると△9七歩に▲9九金△同王▲9七竜で詰んでしまいます。(銀なら△同銀成ととれる)。

そこでその銀を食いちぎって▲7七銀でぴったり詰んでいます。

正解手順: ▲9八金△同王▲5八竜△8八銀▲同竜△同王▲7七銀△9九王▲9八金△同王▲6八竜△8七王▲8八竜△9六王▲8六竜・・・まで15手詰み

素晴らしい手順ですね。こんな簡素な形からぴったりの詰め。こういうのはなかなか発見できるものではありません。

吉村さんがこの問題がひらめいたのは次の花沢作品を見たときだそうです。 ひらめいてもなかなか創れるもんではないですけど。

ちなみにこの花沢作品も傑作です。▲9九金△同王▲7七馬△8八金▲同馬△同王▲7八金△9七王▲8七金打!△9八王▲8八金引△9九王▲8九金△同王▲7九馬△9八王▲8八馬・・・・17手詰め  途中▲8七にかぶせ打つ▲8七金打が鋭い手です。 

 

吉村さんのご冥福をお祈りいたします。

 

 


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ゆうゆう)
2012-05-17 20:50:40
吉村さんの11手詰の方は、20年近く前に見たことがあります。
確か近代将棋に掲載されていたと思います。
7手目の4九角は、一瞬詰んでいないような気がしました。

15手詰の方は、簡素図式の傑作だと思います。
私は、9八金よりも8九金や5九竜の方を先に読みましたが、うまく逃れています。
7手目の7七銀も、一瞬詰んでいないような気がしました。

このような簡素な初形から、よく見事な手順が生まれるものだと感心します。
このような作品の存在を発見する方々には、尊敬の念を抱きます。
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RE (バビル3世)
2012-05-17 21:03:51
この本を読むまでは、吉村作は、知りませんでした。花沢作は、見たことがありましたが。。

いずれにしても こういうのは、大発見ですね。
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