バビル3世ブログ(将棋、書籍他) 

最近では、将棋ネタが多く特に詰将棋ネタが多いですね。
まあいろいろ書きたいんですけどね。

急戦矢倉 及川拓馬5段著

2013-02-26 22:36:57 | 将棋

徹夜作業が長引いて、お昼に帰ってから寝ていました。

夕方起きて、アマゾンから届いていた 急戦矢倉をぱらぱらと気軽に見ていたらなかなかおもしろい本そうだったので、さわりを紹介します。(若手の最初の本は、できるだけ買うことにしています、だって一生懸命執筆していると思われるからです)

以前 金井5段の対急戦矢倉 必勝ガイドという本がありましたがそれとは、相反する本で、がっちり囲ってがっぷり戦う矢倉戦は、どうもアマチュアの場合は、相当定跡とおり進んでから勝負となるような気がして、中盤から始まるような感じがしないまでもありません。

急戦矢倉だとどちらを持つにしろなんかアマチュアっぽい戦いが始まりそうで、個人的には好きです。私自身としては、急戦矢倉を指すほうでなく受けるほうが圧倒的に多いのですがこの本をみるとちょっと指して見ようかなと思わせるところもあります。

本著の米長流急戦矢倉の項目から

後手側の工夫は、△4四銀と出る前に△1四歩と突いている点です。もっともこれも定跡のほとつですけど。

ここで先手としては、▲6八角か▲3五歩か端歩をつくか迷いますがまずまあ▲3五歩と行きたくなりますよね。 ▲3五歩△同歩▲同銀△3四歩(次図)と

ここがポイントで、勢いで▲2四歩△同歩▲同銀△同銀▲同角△2三歩▲4六角△6四歩(次図)と進んでみると 

▲4六角と引いた手が感触のいい手なんですが冷静に△6四歩と受けられるとなんと後手の角筋が非常に利いている。これは、後手ペースと解説されています。次に△7五歩や△6六角の強襲とかいろいろありそうです。

あれっなんでだろうと考えるとやはり2筋をついて銀まで交換するといつのまにか後手の角が大威張りになってきます。やはりいったん銀は交換せずに▲4六銀と引いておくのが本筋のような気がします。でもいきおい行ってしまいそうですね。

いかずに辛抱してそのあと先手は、▲6八角から▲7九王とかまだ固く囲えますし。

この本、金井さんの好著の対策ガイドで解説していない手を多数取り入れていますので、一応目を通しておくのも良いかもしれません。もしかしたら自分にあう戦法に出会うかもしれません。もっともどの戦法も玉の囲いはあまり堅くかこいませんのでがっちりした棋風のひとには向かないかもしれません。


石田和雄名局集

2013-02-24 08:57:31 | 将棋

昨日 ビブリア古書堂4と同時に買ってきたのがちょっと奮発して石田和雄名局集でした。

A級在位4期ながら一度もタイトルに手が届きかず昨年引退をされた石田さんの実戦集です。

実戦譜自体よりコラムやいろんな解説を読むために買ってみました。 棋風は、正統派の居飛車党で最後まで頑張る将棋でしたが晩年は、負けが混みました。晩年は、千葉の柏将棋道場の経営もされていたようです。

そのコラムから少し取り上げてみました。

将棋まつりの席上対局で中原さんとの対局です、先手▲石田6段 後手△中原7段という昇龍の勢いの2人の対局で、局面図を迎え石田さんは諦めかけていました。

しかたなく▲3二銀成と王手をかけたあと▲3四飛と走る手が見え△同金は、▲4一銀からの詰筋が見え見事にトン死勝ちしましたとありました。

それで▲3四飛(次図)と走ったあとの局面を考えました。

確かに△同金ととれば▲4一銀で簡単に詰みますが△3三歩だとどうするのだろうと考えてみるとなかなか厄介でした。

△3三歩には、▲4一銀が筋ですがそこで△2二王と逃げる手と△同王と取る手が考えられます。

まず△2二王と逃げる手は、▲3三飛成(次図)が好手で以下△同銀▲同桂成で詰みます。

とすると▲4一銀に△同王しかなく▲5二金△3一王▲4二金△同金▲同飛成△同王▲4四飛(次図)で詰みそうな感じです。

歩がないので金気を合駒して取りきって▲3五桂で。 

よく見ると歩があったとして合駒しても▲3三桂成△同王▲3四金△2二王▲2三金△同王▲3五桂の筋で見事に詰みます。これだとかっこいいですので中原さんもう1歩あったほうがさらに見事な詰め手順になったと思います。

それにしてももうちょっと解説してくれないとつい時間をかけて考えてしまいますね。 


ビブリア古書堂の事件帖4

2013-02-23 23:17:15 | 映画、ドラマ、書籍等

将棋ネタが続いていたので、今日は別のテーマで。

今日は、久々に書店に足を運んだので見ていると 目立つところにビブリアの新刊書が平積みされていました。 TVで放映されて売上が上がったのかもしれません。まあもともと原作が好きだったので、迷わず買いました。 

あとがきだけ先に読みましたが著者は、冬に出す予定が江戸川乱歩を調べていくうちにいろいろ知らないことが出てきて、すっかり遅れたけどなんとか冬に間に合ったと書いてありました。今回も楽しみ読みたいと思います。

とその前に今読んでいるのがこれも前回書店に行った際目に付いた 書店ガールという本。

まあ本好きなんで、テーマがこれでもいいかと選んだ次第。

ビブリアとは全く違う内容で、大型書店を舞台とするストーリーですが、いまクライマックスにきてようやく面白くなってきました。最初ほうは、書店のなかの人間関係とかだらだらストーリーが展開されてきましたがようやくといった感じです。

来週は、深夜作業が2回入っていろいろ忙しく、ブログはちょっと怠けそうです。 でも週末には、A級順位戦の最終局で、谷川さんの残留を祈りたいと思います。


菅井ノート先手編

2013-02-19 20:25:11 | 将棋

菅井ノート後手編が昨年秋に出版され 今年になって先手編が出版されました。

どちらも分かり易い構成とまでは言えませんが、内容は相当濃密で、研究材料としてはもってこいの本です。

その先手編を見ていて、ちょっと疑問なところもあったので取り上げます。

▲7四歩を突き捨ててから▲4八王とあがる手法です。

初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7四歩△同歩▲4八王△8八角成▲同銀△4五角(下図)

これは、昔の棋書ならこれではっきり後手よしでしょうね。

菅井ノートは、ここからまだ進めます。

▲7四飛△7三歩▲7五飛△6七角成(次図)

これで桂馬当たりだし▲7九金だといかにも苦しい。

ところが菅井ノートでは、ここから▲6五飛△8九馬▲7九金(次図)と進めます。

これで馬が死んでいるので、△7九馬▲同銀△6二銀▲7七角△4四金▲3八王△4二王▲2八王△3二王▲3八銀(次図) と菅井ノートでは、先手させると解説されています。

確かにこの順では、2枚替えながら先手も指せるように見えます。はっきり後手がいいと思う局面からマジックのような手順に見えます。

どうしてかなと考えてみると▲7九金と馬を捕まえた局面で、後手に△6四歩(次図)があるように思います。

これでどう応じても馬が生還できそうに思います。ヤフー質問箱に質問してみましたが、現状先手にいい手が見つかりません。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12102257397

△6四歩に対して▲同飛なら△4五馬と逃げて▲6三角△同馬▲同飛成△4五角▲5三飛成△5二金右▲5五竜△2七角成となり桂得は、大きく後手がやれる変化ですし。

飛車を横に逃げる変化 ▲5五飛とか▲2五飛は、単に△6七馬と助け 飛車成りには、飛車をぶつけて後手ペースが続くように思います。

この▲7四歩と突き捨ててから▲4八王と上がる変化は、この変化をもう少し研究する必要がありそうです。

 

 


名人 大山康晴作 詰将棋

2013-02-18 22:49:00 | 将棋

今日は、一日中雨が降ってましたが、異常に気温が高く 18度もあり暖かい日でした。

ほとんどドラマを見ることは、ないのですがビブリア古書堂の事件帖は、なんとなく見ています。原作をしっかり読んでいるので、まああらすじはわかるわけで。

まあ 最初キャスティングで主役がどうかなと思いましたが、ずっと見ていて最近ではよくやってるねと温かい目で見ています。

 

本棚にあった近代将棋図式精選をとりだしてみていると、この本は、確か神田の古書店で定価と同じ値段の¥4200で買ったことを思い出しました。出た当時は買えず数年経ってから入手しました。

そしてもうひとつ思い出したのが素晴らしい作品群以外に大山名人の作品が載っていました。

大山さんも升田さんも詰将棋においては、傑作というのを作ってられないように思うのですがこの本の中に大山さんの作品があったのでチャレンジして見ましたがなかなかてこずりました。

確かこれ昔 詰ました記憶があるのですが、忘れ去っているのはいつものこと。昔より解く力が落ちたなあとなげくばかり。

どうです挑戦してみては。11手詰みです。


佐々木対決 (佐々木勇気4段 VS 佐々木慎6段)

2013-02-17 12:37:14 | 将棋

今日は、昨日と打って変わって暖かい小春日和です。 梅林にこられた方も正解です。

まあ まち全体に梅ばっかりなのでこちらは梅林を見に行くことはありません。自分の家の倉庫から撮った写真がこんな感じですから

 

話は、将棋に変わって棋譜データベースを見ていると佐々木勇気4段 VS 佐々木慎6段 の棋譜が目にとまりました。

http://kifudatabase.ddo.jp/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=77159

先週 図書館の日経で序盤戦を見かけた棋譜でした。その終盤が面白かったので紹介します。このデータベースを見て今日 再度 図書館に行き観戦記を読みに行ってきました。

なお日経で観戦記を書いていたのは、上地隆蔵くん。 彼は、和歌山の出身でプロ棋士にはなれませんでしたが今では観戦記を多く書いていますので頑張ってるんだなあと嬉しくなります。 なお昔 1度か2度対戦したことがありますが必勝形をトン死で負けたのだけ記憶にあります。

さてその将棋(下図)は、超速 VS ゴキゲン中飛車 で華々しい戦いがあって終盤戦を迎えたところです。

ここで 控え室は、△4四角等の攻守手を中心に検討していたようですが残り20分位の持ち時間のなか 佐々木慎6段は、見事に読み切っていました。

まあ普通は、後手王は詰めよでないため △4四角とか△7七桂とかあるいは△7五桂とかいろいろ迷うと思うのですが最強の手段でした。

上図以下△6六桂▲同歩△5二金!▲6一竜△4五角(次図)

△5二金と竜の利きを止めるためとはいえ自玉が完全に受けがなくなるのでとても読み切ってなければさせません。この手順を13分で読み切っていました。

観戦記によると△4五角が放たれ 歓声があがあったそうです。

そのあと▲6八王△6七銀成▲同金△同角成▲同王△6九竜▲6八金 (次図)と進みます。

先手の佐々木勇気4段は、これで勝ったと思ったとのこと。 控え室は大勢で検討してようやく△5八角を発見し(△4九角では詰まない) 佐々木慎6段が△5八角を着手すると再び歓声があがったそうです。これで見事に後手の勝ちになっています。 このあと 後手の△5四金打に▲同竜ととれば即詰みはありませんでしたが 裸玉にされて攻防に飛車を打たれて惨めなので詰まされる順を選びましたが慎6段も 竜をとらずに(取っても勝ちですが)武士の情けではありませんが見事に詰ませ 熱戦の最後を締めくくりました。

個人的にこの佐々木慎6段は、非常に才能ある棋士と思っていますのでもっと上位に上がってきてくれると期待しています。

 


独楽の画 

2013-02-16 21:25:34 | 将棋

今日も寒い1日でした。ときおり小雪が舞ってました。

週末だったので、みなべ梅林に観光の車もたくさんありましたがこれだけ寒いと大変ですね。

昨年の年末に購入した 北原さんのミニ本5冊セットを取り出して見ています。特に独楽の画は、簡素な図が多く、詰まそうかなという気になる作品集です。

例えば15番

これは、初手(飛車をどこから打つか)がわかれば合い駒も限定され するすると詰みます。19手と手数は長いのですが一本道です。

次に24番

うん? これはどっかで見たことがある。ポケット詰将棋の二上作と全く同じ作品。

http://blog.goo.ne.jp/babiru3_2005/e/8b3547fd9742406cfe5209d8e0ec08da

これだけ簡素な図式だと昔は、同一作なんかは偶然できたんでしょうね。

もう一題 38番

これは終盤お決まりの収束。 同じような収束を何回か見たことがあります。19手詰みです。 ちょっとだけ進めます。▲2二銀△同王▲3四桂△3二王と進みます。

ここから5手目がお決まりの収束手筋です。実戦でも出そうですがまだ遭遇したことはありません。

 

 


詰将棋の収束手順

2013-02-13 21:27:47 | 将棋

今日は、結構強風だったので梅林の満開近かった梅の花びらも散り始めたような感じです。

ポケット詰将棋(近代将棋編)は、数十年ぶりに入手したせいかまだ何回も読み返します。それには名作以外にも興味深い作品があります。

詰将棋の収束手順という作品 2つです。

まずこの作品 一目▲3四桂と打ってしまいそうですがこっちから打つと詰まず ▲1四桂が正解です。そうすると自然に糸がほぐれるように△2一王▲3二角以下 詰みます。こういうのはもはや手筋なんでしょうね。

もう1題

これも初手▲3三銀か▲3三角で迷いますが▲3三銀が正解。

以下△2三王▲2四金△1二王▲2三角と進めばあと同様にするするっと詰みます。煙詰めにも応用できそうですという解説があります。

最後に黒川一郎さんの作品

これは23手詰みですけど ▲1三桂成△2四王▲1四成桂△2五王という感じで成桂を押し売りして行きます。(取れば飛車成りで早く詰むのですが) 結局2九王まで行くと押し売りも取らざるえず飛車成りのあと押し返されて詰みます。

簡素な形なので応用が利きそうですね。

詰め将棋を作る人は、この3題は一目でしょうね。

 

 


新手筋 

2013-02-10 19:22:29 | 将棋

今日は、地元は観梅の車で結構賑わっていました。

梅林も8分咲きから満開近くになってきていますので、連休の明日もまあまあ 紀州みなべ梅林にくるのでしょう。 近くのスーパーに行きたかったのだけど観光の車が多くて別のスーパーに買い物にいったくらいです。

お昼前 NHK杯戦の 渡辺VS佐藤(天)戦を観戦しました。

棋譜は、http://kifudatabase.ddo.jp/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=77103

将棋は、終盤一方的になってしまいましたが感想戦で面白い手筋が出てきたので紹介します。(見てない人用です)

局面は、渡辺竜王が▲3一飛とおろしたところです。

まあ王手で▲3二飛と打っても△4二桂で面白くないので、ここが当然なんでしょうね。

ここで、実戦は、△4二桂と受けましたが(普通こう受けると思うのですが、解説の阿久津7段もこうかなと言ってました) △3三歩という手が佐藤(天)さんから示されました。(変化図)

これは、▲3三同飛成ならそこで△4二桂と受ける。 先手で竜を作らせて歩まで渡す。 それでも3段目の竜は、なかなか攻めに威力がなくなるので、十分というわけ。もう一度1段目に突っ込むとこれは完全に一手違ってきます。

△3三歩に対して▲7二金(実戦の順)ならまだ桂馬を手持ちにしているので、△8六歩▲同歩△8九飛▲7九銀△8七桂もあるというわけ。▲3二飛成なら今度は△4二角と受けてなかなかしっかりしている。

この△3三歩という手筋 解説の阿久津7段もあまり見たことがない手筋と言ってられました。

本譜は、△4二桂でしたので▲7二金と張り付いてゆっくりすれば▲6六桂から▲7四桂を狙う筋で渡辺ペーストとなりました。(次図)

 

実際は、このあとに出てくる△8七歩が疑問手のようで解説の阿久津7段見た瞬間感触の悪い手と言ってました。そのあとの△8三角あたりがまだしも△9四角でしたね。

今日は、この△3三歩が観戦した収穫の一手でした。

 


幸せへのキセキ

2013-02-10 10:28:39 | 映画、ドラマ、書籍等

この週末は、寒い日が続きます。

土曜日にサウナ帰りにレンタルしてきたDVDを見ました。 マットデーモン主演の映画だったので、借りてきましたが

いつものボーンシリーズの彼とは違ってなかなかハートフルな映画でした。

テーマは、家族再生というちょっと重いテーマです。 最愛の妻をなくし 仕事もあまりうまくいかず 反抗期の長男 そして幼い長女 をかかえここから物語は始まります。

住宅探から始まり 閉鎖された動物園付きの格安物件になにを思ったか購入し そこから資金難や様々な試練がおそいかかる中 家族の意思疎通がはかられていきハッピーエンドとなる。比較的よくあるパターンですが これが実話に基づいているというのはびっくりです。

もうひとりの主演のスカレート・ヨハンソンという名前を聞いたとき そうえいばマッチポイント という映画をみたとき 世界一セクシーな女優という触れ込みだったなあと思い出しましたがこの映画では、非常に健康的な女性を演じてました。こういうのも似合うといえば似合いますね。