前回 紹介しなかった2局なかなか熱戦でしたので、ご紹介します。
和歌山県の人限定に参考になるかと。
まず予選の初戦は、高校生のKさんとの戦いで後手番でゴキゲン中飛車を指しました。
Kさんが超急戦の▲5八金右を指し手きましたが、今回は挑発にのらずにおとなしく丁寧の指しました。局後Kさんに
超急戦受けると村田本にある稲葉新手の▲33香車の変化で来るつもりでしたか?ときくとそのつもりとの事。 その変化よくわからないのでやめたんですけど。
その次の予選2局目 対古久保戦を解説します。
大体 古久保君とはこちらが中盤で有利になるのが普通だったんですが(これは失礼) 今回は、作戦負け模様。
先手▲私 後手△古久保5段
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この数手前のときの読み筋どおりの展開。 こちらは歩得を主張のつもり
この局面 ▲5四歩と打つのが最善手のようです。いま冷静に考えると。
実は、ここで過激に▲4一銀と打ち込みました。 一瞬金損になるのですが両取で取り返せるという魂胆でここまで進めてきて、
以下 △5五飛▲3二銀成△同王▲5五飛△同金▲5二飛△4二銀 (次図)と引かれて真っ青!
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▲5五飛成だと△2二角であきらかに不利。 そこで時間を使って善後策をひねり出しに没頭。
▲2四歩△同歩▲2三歩△同王▲2五歩△5三金▲2四歩△3二王▲2三歩成△同王▲9二飛成△6六金▲2八香△3二王 (次図)
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実は、この局面実際は後手の受け間違いもあり好転しているのですが、対局中は、こちらの先の見落としもあり ちょっと足らないだろうなと悲観的でした。
ここで▲2一香成と指せばあきらかに先手が指せています。局後 古久保君に指摘されました。
同王だと23金(詰よ)か。
実戦は、▲2二金と重くうち△4三王に▲3一金と取りましたが冷静に△同銀で足らなくなりました。ここからはちょっと足らないようです。
一瞬の間のチャンスでした。
そしてトーナメント初戦 優勝候補の一角 田村道場のNさん。昨年末の和歌山将棋フェスティバルでは優勝をしているし実力者です。
この一戦も熱戦になりました。
先手▲私 後手△Nさん
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先手の一瞬のはなれ駒をみて△2五桂と歩を取って跳ねてきたところ。
取るか落ち着かせるかですが、迷ったときは積極的にをモットーに▲2五同飛と応じました。
以下△2四歩▲2八飛△2五歩▲3三角△2六歩▲1一角成△2七歩成▲2一馬△2八と▲4三馬△同金▲4一飛 (次図)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/6d/0f9318b5779348eac28c0308f1598d4b.png)
なんとも一本道の攻め合い。▲4一飛は金取に打ってますが狙いは、7六桂と据えての85歩や64歩にあります。
ここから△4九角▲7八銀△3八飛▲5八香△1九と▲7六桂△9五歩▲同歩△9六歩▲6四歩(次図)
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狙いの▲6四歩が入り どちらが先に行き着くかの勝負。
以下△9五香▲9八歩△9四香▲6三歩成△同金▲8五桂△同歩▲6四歩△同金▲4三飛成(次図)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/11/a6e93db43b2bde9cd476c7205f787c43.png)
Nさんの△9四香はうまい。普通通りしたから打つと玉が9筋に逃げたときに香車が通らなくなる。先手の▲8五桂は、逃げ道を開ける手筋。
お互い時間切迫の熱戦でこの局面は、難しいと思っていました。
以下△6三金▲5二竜△6二歩▲5一竜△8六歩(次図)
今見ると▲5一竜も変な手。当然▲6一竜なのだが△7二角を嫌ったものだがなんのことはない、▲7一銀~▲7二竜で終わっている。(まあ秒読みだから勘でこう指したが王手飛車の筋に入るところなので時間があると当然勝ちを読み切るところだろう)
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ここで決め手がありました。▲9三銀と放り込む手です。 その手がちらっと浮かびながら 実戦は、▲7一銀△9三王▲6二銀成と非常に重い攻め。むろん同金なら8一竜で勝ちだが
この瞬間に△5八角成とされるとどうも敗けくさい。局後少し検討したがどうもそのようである。
▲6二銀成以降 △9七歩成▲同歩△同香成▲同香△8五桂▲9四香△同王▲9六香△9五歩▲8一竜(次図)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/3f/dee19b656628071e6231a6bf0fde03b7.png)
こうなってようやく勝ちが見えてきました。△9七桂成▲7九王となって先手の勝ち。
いつもNさんとの将棋は大熱戦になるのですが勝つことは、たいへんなのです。
今回の大会 前回のベスト4の4人とも今回は、誰もベスト4に残らないという激戦でした。
構井さんの好調さが目立ちましたが決勝残念でしたね。
今回の大会 長沼七段もご来訪されていましたが終始ニコニコの温厚なかただと思いました。