sideMのアニメ開始の雰囲気を盛り上げるため、ニコ生と少数の映画館で劇場版アニメ・アイドルマスターが上演されるそうです。一部はいわゆるチアリング上映会。可奈が自分リスタートをぼそぼそと歌う場面で会場では合唱が始まったのを覚えていますが、今回は一発ものなのでどうなるか。
【以下、かなり盛大なネタバレがありますので、こういう趣向が嫌いな方は本節を見ないこと推奨します】
2011年のアニメ・アイドルマスターも配信されるらしく、ゲームのアイマス2の代わりということでしょう。このアニメから入門したPも多いでしょうから、これもありと思います。
私はグラビアフォーユー(G4U)を全巻持っているのでアニメも全部持ってることになります。しかし、アニメは苦手なのでざっとしか見ていません。ネットの評判によるとプロットは初代と2の良いとこ取りをしていて、明るめの作品になっているとのことです。錦織敦史監督の独特の絵で、熱意と愛情のたっぷりこもった作品です。
劇場版アニメ・アイドルマスターは監督は同じ。副題が「輝きの向こう側へ!」なのでアイマス2とアニメのすぐ後の話。春香たちはすでにトップアイドルになってしまっているのでミリオンライブから新人7人が参加しました。
今でも思い出しますが、この映画の初日のPの反応は強烈でした。だからこの記事を書くのです。初見で見ると何が何だか、になります。
そう、終わった時に会場が沈黙してしまいました。歓声も何も起こらずPたちはすごすごとシアターを出て行きました。ストーリーが全く理解できませんでした。
もちろんこれしきであきらめるPではありません。何度も何度も見て、やっと分かるのです。素晴らしい作品であることが。かくいう私も20回くらい見ました。色紙などの特典目当てというのは半分ありましたけど、細部の確認のためのリピートです。BDも買いましたが映画館での迫力には届きません。やはり映画館で見るのが適切な映画です。
今回は一回きりの方が多いでしょうから、事前アドバイスを、ということ。
要点は2つ。進行にやや欠陥がある点。もう一つは元の王道物語を知っていると圧倒的に有利になる点。
映画は前半の合宿場面と後半のアリーナ公演に向けての練習場面に二分されます。前半は明るくて分かりやすいです。後半は初版では画面が暗く、重苦しい雰囲気になってしまいました。重厚さを出そうとしたようですが、重厚すぎました。現在のビデオマスター版(VM版)ではずっと画面が明るくなっていて、うまく調整されていて分かりやすくなっていますが、それでも初見ではきついようです。
つまり、春香が過去の場面を想起する箇所が3回ほどあって、ここで時間が逆転してしまいます。なのでストーリーが途切れてしまい、あっけに取られる、ということ。老獪な監督であれば時間通りに進行させますので、監督の勇み足と思います。VM版では時間の逆転はそのままですけど、うまくシーンが調整されていて(神業と思う)、知っていれば容易に分かるはずです。
ミリオンライブの7人の内、練習について行けないグループが出てきて一人が脱落します。新人内で意見が分かれてしまい、先輩の765勢も動揺してしまいますが、春香が何とか粘ってその一人を取り戻す、…みたいに見えるはずです、最初は。
しかしよく考えると、ついて行けた側も救われています。ここに気が付くとストーリーが納得できるはずです。出来る子組が不満を漏らしますが、少し時間を置いて美希がさりげなくフォローしています。ここに気づくまでに映画館で5~6回ほど見る必要がありました。このプロットは実は王道でして、知っている方は想起するはずですが日本ではほとんど知られていないと思います。ついでに言うと、とあるキャラが変身してしまうのは別の物語からの要素です。