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近江富士に登る

2012-03-25 | 花と自然
琵琶湖の東南を新幹線で通るとき、窓外に見事な三角形を見せる山が見える。高さはたいしたことがないけれどもその形の良さは人々の目を奪うに十分だ。その思いは大昔の人も同じだったようで、この山、三上山は、近江富士とも言われ、麓にある三上神社のご神体そのものでもある。俵の藤太の大ムカデ退治の伝説でも有名な山である。きっとムカデも多かったのだろう。



 前回の雪野山に続いて、琵琶湖の周辺に孤立する山に登ることにして、三上山を選んだ。標高は432mと雪野山よりは高いが、それでもたいしたことはない。歩行時間もガイドブックによると2時間半くらい。のんびりと歩けそうだ。東海道線の野洲駅からバスに乗らず歩く。車の通行が多いので、あまり楽しくのんびり歩くという風情ではない。30分くらいで、三上神社に着く。本殿は国宝だというので、参拝した。たしかに小ぶりだが、その造りは風格がある。あまり大きな神社ではないが、山門、参拝殿、本殿の三つがすばらしい。



 その脇から登山道が頂上に向かって伸びている。途中の妙見堂跡まで、ずっと石の階段が続く。しかも傾斜はかなり強い。432mの頂上まで、ほぼまっすぐに上るため、階段が急に感じられる。道の両側にはいたるところでイノシシが餌を漁った跡が見られる。今日は寒くて動物の気配はいっさいしないが、イノシシはここでも増えているのだろう。先日の雪野山でもイノシシの食べ跡は至る処で見つかった。

 階段が尽きたところからは、大きな岩が続く山道になる。女坂(裏登山道)への道もあちこちで分岐しているが、せっかくだから昔の人が上った表参道を外さないように、直登する。途中からは手すりもあり、鎖もあるとガイドブックに書かれていたが、鎖は無くなり、最近作られて立派な鉄のてすりが続いている。一枚岩があちこちにあり、岩の上には登りやすいようにステップが刻まれている。これがなければちょっと登るのは難しい。両手を使い三点登行をときどき思い出しながら登る。頂上直下で、広い岩の上に立ち、琵琶湖や周辺の町の展望が広がる。春霞で比叡の山並みは霞んでいる。駅から頂上まで、登りは傾斜がきつかったが、所要時間はわずか1時間。あっという間に頂上に来た。もう彼岸を過ぎたが、この山も花がないのが、残念だ。

 頂上からは、急な階段を転がりそうになりながら下り、緑花公園に着く。ここから野洲駅までバスに乗るが、バス停が分からない。近くのピザカフェでピザを薪で焼いている店員さんにバス停を教えてもらい、まもなく来た午後最初のバスに飛び乗った。バスに乗ったとたん、雨が降り出し、京都の自宅に帰ったときは、雪になった。彼岸過ぎてこの寒さは異常だ。三上山は、登りガイがあったが、ちょっと楽しみが少ない。もう少し歩けるところを次回は歩いてみよう。

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