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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

梅雨空の山歩き

2011-06-22 | 花と自然
梅雨らしい梅雨が今年はやって来た。ずっと雨が降り続き、天気予報も傘マークが続く。いろんな会合や集会などもあり、週末の山歩きがなかなかできない。こうなったら、少々の雨でも歩いてみるほかないと、雨模様の日に、近くの山を歩くことにした。近くなら、雨に降り込まれたらいつでも帰ることができるからと思って。

 ぽつりぽつりと落ちてくる雨の中、歩き始めた。すぐに樹林の中になり、雨が落ちてこなくなった。薄暗い常緑樹林の林の中、足元を見ながら歩いていると、大きなカタツムリが木の切り株の上で元気に歩いている。カタツムリも最近は見ることが少なくなったなあと感慨深い。それでも梅雨に入ってからカタツムリが這っているのを何回かみつけた。京都の町の中は、東京ほど自然に遠くないことを感じる。

 どうやら雨も上がったようだ。標高299mの瓜生山の頂上を越え、比叡山への縦走道を歩き始める。梅雨の真ん中にさしかかったこの時期、やはり目につくのはキノコ類だ。朽ち木にはいろんな色のタコウキン類のキノコがいっぱい付いている。とくに先を急ぐ山旅ではないので、ひとつひとつキノコ類の写真を撮りながら、ゆっくり歩く。何度も歩いた道なのだが、この時期はもっとも花が多いように思う。梅雨は雨もあるし、暑さもあるので、近くの山といえどもあまり歩いたことがなかったが、意外とこの近郊の山にも花の多い時期があるんだと覚った。来年からは、雨を気にしないでこの時期、もっと近くの山を歩いてみようと思った。

 林道に出てほとんど水平な山道を歩く。その途中に、ワラビの大群落があるところを見つけた。いや、ここにワラビの群落があることは何度も歩いていたので知っているのだが、6月の今頃になっても少しだがまだ食べられそうなワラビの芽を見つけた。しばらくそこに立ち止まって、今晩のおかずになりそうなだけワラビを摘んで、ザックに入れる。

 そこからまもなく比叡山に直接登る道と街の方へ下りる道の分岐点につく。いつもここから比叡山に直接登る道を行くのだが、今日はまだ歩いていない林道をそのままずっとたどってみることにした。どうやらもう雨は降りそうもない。これなら比叡山まであがれるだろうと。しばらく川に沿って行くと、河原に大型の植物の群落が見えてきた。どうやらクリンソウらしい。花はもう終わってしまったが、クリンソウの大群落がある。いやあ、惜しかったなあ。もう1-2週間早かったら、このクリンソウの大群落の花盛りを見られたのになあ。残念。来年はきっと5月の終わり頃ここに見に来ようと心に決めた。でも来年覚えているという保証はないが。



 さらに歩くと、砂防ダムの上の人工池の周りの木に、白い塊がぶら下がっている。おや。これはモリアオガエルの卵塊ではないか。京都のこんな近くの山でモリアオガエルが普通にいるとは、驚きだ。やはり歩いてみるもんだ。卵塊が産み付けられている木は、エゴノキ。白い花が枝だからたくさんぶら下がっている。地味な花だが、数多いのでなかなかのもの。地味好みの私には好きな花だ。テイカカズラの花と共にあちこちに落花が白く地面を覆う。スイカズラの花もちらほらと見かける。小さな円い蕾から、開くとまるで花火のような薄紫のコアジサイが山道に沿って花を咲かせ始めている。連れ合いとちょっとした言い争いをして家を出たが、浮き世のことは山を歩くとすべて忘れることができる。やっぱり雨など気にしないで山に来て良かったと、山へ来るたびにつくづく思う。


 比叡山ドライブウエイに出会ったところで、今日は頂上まで行かずに来た道を歩いて下りてきた。見てきた花や虫や鳥をもう一度見てみたいと思ったからだ。ワラビの群落まで戻って、そこから京都の町にまっすぐ下りる道を選ぶ。あまり人は歩かない道と見えて、かなり危険な崖のトラバースがあったりする。ちょっとしたスリルも味わいながら下りる途中、足元にサンコタケのけばけばしい橙色を見つけた。三鈷と書き、密教で使う仏具とよく似ているから、その名が付いた。ものの本によると、このサンコタケは鼻もひん曲がりそうな悪臭がすることで、つとに有名らしい。しかし、私には何の臭いもしなかった。この時期だからなのか、それとも私の鼻がもう感度低下してしまっているのか。この色はかなり毒々しいが、形が独特なキノコなので、名前は覚えやすい。



 とうとう下りるまで雨に遭うことはなかった。久しぶりに4時間以上歩いた。でも鼻や虫や鳥を見ながら歩くと、長く歩いた気はしない。長く歩いた証拠は、かえってから体が教えてくれた。疲れてついつい居眠りが出た。翌日は体が少しぎごちない。痛みがどこかにあるせいだろう。筋肉痛も久しぶりだ。昔は4時間超くらいは何でもなかったのだが・・・。

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