タイトルは 「 舞踊絵巻-Ⅱ 」 。11月28日 ( 月 ) -12月3日 ( 土 ) の期間で表参道ヒルズの3階同潤館302の Galerie412 で開催される。安藤忠雄によって当時のままに再現された、昭和の香りを残す同潤会アパートの一室にその画廊はある。この界隈では老舗中の老舗画廊である。画家は既にここでの個展は3回目になる。画廊のある表参道ストリートは青山ストリートと交差して、ファッションブランドのメゾンが軒並み並ぶ言わば日本のシャンゼリゼ通りである。
料治さんの絵は近年とみに、速度と優雅さを湛えてより自由になった。またその画面の大きさも尋常さから図抜けて大きくなったし、大きくなった分、空間にも構成バランスの広がりがある。彼女はなんと言っても画家である。日々のデッサンを怠ったことがないのだから、持続は正に力であったから、その作品に描かれたダンサーはいつしか薄物をまとう天女であった。少しオーバーに言えば鳥羽僧正の国宝 『 鳥獣人物戯画 』 の現代版的引用かとも思ったりもする。いずれにしても今回の展示作品は大きな作品を分離・切断・結合したりして、さらに新しい発想で制作をしてきたのである。特にパウル・クレーには大きなヒントを得た、ということであった。一本の微かな線でさえ、新しい葡萄酒の豊穣の恵を踊っている。
晩秋の表参道の銀杏並木が迫って見えるこのGalerie412で、彼女の自在な 「 舞踊 」 をたくさんの方に見ていただければ、ファンの一人として嬉しく思う。
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