名器

2010-09-26 | 日記
新津の北方文化博物館レストラン 「 ウィステリア 」 を会場にして、若きヴァイオリニストの演奏会が催されたのは今夕であった。トンネルをイメージしたようなカーヴされた室内は心地いい空間であった。両サイドは壁ではなく、全てガラス張りで、夕べのトワイライトが、樹木の陰影を伴って伴奏用の KAWAI PIANO のマホガニーに差しているのだった。

テーブルを取り払い、ピアノと譜面台を中央にライトグリーンの椅子がやはりカーブに沿って整然と並んでいる。僕等は中央の最前列に席を取り 『 鍵富弦太郎ヴァイオリン演奏会 』 プログラムを見ていた。
イザイ、ピアソラ、サラサーテ、休憩、バッハ、モシュコフスキ、グリュック。そして、演奏会終了後懇親パーティー午後5時半より。 「 会場準備の間、屋外テラスにて歓談をお楽しみください。 」 とあった。

最後の Christoph Willibald Gluck ( 1714-1787 ) の曲 Melodie は人生の愁傷を奏でていた。この若きヴァイオリニストの抒情はどこから生まれてきたのだろう、秋の夕暮れの琴線上のアリアであった。参集したオーディエンスのため息は、ヴェルレーヌの 「 秋の日のヴィオロンのため息 」 でもあった。

パーティーの途中、お願いしてヴァイオリニストから 「 名器 」 を拝見させていただいのは嬉しいことであった。曰く 「 僕にとって命のように大切なものです 」 。写真にも撮らせていただき、感謝申し上げます。


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